かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

はぴば

 今日は僕の誕生日。

 しかし今年は非常に慌ただしいわけで。

 僕の人生史上一番自分の誕生日について考えなかった年だっただろう。

 彼女のお腹も大きくなって、行動に制限や負荷が掛かっている状態で、特別なにかお祝いをしてもらわなくても良いと思ってた。

 彼女も今年はなんにもあげられないし、何もしてあげられないって申し訳無さそうにしてた。

 全然構わなかったんだけどね。車を買ったタイミングでキーケースをプレゼントしてもらってたし。

 とりあえずせっかくの誕生日だし早く帰ってお祝いしようって思ってた。

 予想以上に仕事が早く終わり、ケーキ代わりのバームクーヘンを(昨日テレビ観てたら食べたくなったので)買って帰った。

 最近僕の大好物になっているナポリタンを彼女がせっせと作ってくれている間にふと、なにかいいもの入ってないかな~なにか飲もうかなあ~って冷蔵庫を覗いた。

 そしたら一番上の段に見慣れない何かが入ってることに気づいた。

「おー?これは…」

 そこまで言って僕は0.2秒くらいの間で凄まじく思考を駆け巡らせた。

 そこに入っていたのはどう見てもチーズケーキ。

 しかも彼女が手作りしてくれたやつ。

 あ、これ、内緒のやつだ。

 僕が見つけちゃいけないやつだ。

 やべえ。

 気づいた雰囲気出しちゃったし、知らんぷりできない。

 失敗したああああ。

 でもチーズケーキだー!!!!わーい!!!!

 振り向くと彼女がバレてしまったっていう顔でこっち見てた。

 見つけちゃって申し訳なかったけど嬉しかったので大喜びした。

 一番上の段にヨーグルトで隠しとけば見つからないと思ったんだって。

 身長の関係で僕からだとちょっと見えちゃうのよね。

 というか僕が気まぐれに冷蔵庫を開けなければサプライズ成功だったわけなんだけど、こういうことになっちゃうのね。普段開けないのよそんなに。

 チーズケーキ大好きだし、大喜びだったんだけど、彼女の予定を思いっきり崩してしまった。

 ケーキ作ってくれてるなんて思ってなかったから、びっくりだったんだよ。

 バームクーヘン買って帰るのは昨日から言ってたし、まさかね。

 彼女からするとチーズケーキ作るのがバレちゃうからバームクーヘンを止められなかったらしい。確かに。

 16日までもつから大丈夫。バームクーヘンはゆっくり食べよう。

 彼女のめっちゃ美味しいナポリタンを食べ、お腹がだいぶ膨れてたけど、チーズケーキはパクパク食べれられた。

 適度な甘さととろける食感。

 ちゃーんとチョコのプレートも用意してくれてあって、上手にHappy Birthdayって書いてあった。器用だよね。

 最高だった!!!

 お祝いしてもらえて嬉しい。

 特別なことはしなくていいって思っていたけれど、こういう風に僕のために頑張ってくれたんだって思うとすごく嬉しい。

 お腹重たくて、長時間立っているのだってしんどいはずの彼女。

 ましてや料理なんてすごく大変で疲れただろう。

 でも僕が喜ぶようにって頑張って作ってくれた。

 とっても嬉しい。ありがとう。

 すごく良い誕生日になった。

 またここから一年頑張って彼女と幸せな日々を送っていきたい。

 おわり。