かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

衝突

 仕事してたらたいへんなことがあった。

 車のドアを隣の車にぶつけるという大失態。

 風が強くてドアがもって行かれて、ガツンと当たってしまった。

 このまま逃げてしまうこともできるな、という思いが頭をよぎった。

 でもでも、そんなことをしてしまったら、ずっとこのことが気になって引きずってしまうと思った。

 正直な人間でありたい。

 彼女に今日こんなことがあったんだって報告するときに、嘘は言えないし、かといって、ぶつけたけど知らんぷりして逃げてきたなんて言えない。

 自分の心の健康のためと、彼女に失望されないために、正直に謝りに行った。

 そしたら色々あって、その車は車検に出した車の代車だったりして、込み入った感じになったけど、最終的にはさっぱり終わった。

 保険屋さんって素晴らしい。

 この事態に陥ったことを、彼女に報告したら優しく話を聞いてくれて、心配してくれた。

 怒られなかったか心配してくれたし、冷たい対応をされなかったかも心配してくれた。

 いつも彼女がそういう部分でつらい思いをしてきているから、僕もそうだったらとと思って気にしてくれたんだと思う。

 とっても優しい。

 彼女に話したら安心した。

 他の誰に許されるよりも、彼女から許されることが大事。

 本当にそう思った。

 そんなに揉めるような事態にならなかったのは不幸中の幸い。

 正直に申し出といてよかった。

 苦痛から解放された僕は、家に帰ってきてから歩いてコンビニに行けるくらいのテンションだった。

 明日は休みだし。

 彼女は仕事なので、明日は元気に送り出さねば。

 追いつめられた時って人の本音が出ると思うけど、ずーっとやっちまったーっていう気持ちと、彼女になんて言おうかなっていう気持ちがぐるぐるしてた。

 自分にとって彼女ってすごく重要な存在なんだって分かってはいたけど、熱で意識が朦朧としているときにうわ言で彼女の名前を呼ぶレベルで、僕の心に深く浸透しているんだなって思った。

 おわり。