かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

先導

 今日こそは仕事を早く終えて帰ろうと思っていたのに、帰り間際に新たな仕事が舞い込んできて帰れなくなった。

 もうなんなのよ。

 しかも明日仕事納めで早く帰れるかと思っていたら、普通に仕事入って帰れる時間も不明となった。

 今週一回も早く帰れてない。

 今日彼女が、彼女の実家から僕の実家へということでもらったみかんを届けてくれてた。

 仕事終わりに。

 彼女も疲れているだろうに、わざわざ行ってくれた。

 仕事終わり頃に彼女から電話があって、どうしたのかな~って思ったら、夕飯を実家でもらう流れになったようで、実家集合との連絡だった。

 仕事を終え、急いで実家へ向かった。

 楽しそうな彼女と、楽しそうな母が迎えてくれた。

 父も居たけど至って普通だった。

 なんというか、本当に彼女が僕の実家に馴染んでくれて嬉しい。

 母は彼女に甘いものを与え、たくさん食べさせようとするので、油断ならない。

 たぶん可愛がりたいんだと思う。

 息子よりも嫁を可愛がるんじゃないかという危機感を抱き始めている。前まではそんなこと全く思わなかったけど、最近そう思う。

 ご飯食べて、ドラッグストアへ買い物に行って、それから帰ってきた。

 個別で実家に行っているので、各々の車で家まで帰るわけで。

 久々に、僕が先導して彼女が後ろを走るっていう移動方法を使った。

 久々にやると、どのくらいのスピード感覚で走っていたのかわからなくなる。

 法定速度を守ることは大前提だが、必要以上に低速で走っている気がして、これは後ろを走る彼女もイライラするのでは?と思いながら走ってた。

 早く走って離れ離れになるよりは良いかと思って。

 道は暗いし。

 安全運転が吉。

 よくこうやって仕事に行ったりしてたなあって思い出してた。

 バックミラーに見える彼女の顔を何度も確認したり、時に手を振ったりしていた。

 懐かしい。

 彼女のことを思いやって走ることに喜びを感じていた。

 ここでゆっくり曲がらないと彼女がついてこれないかもとか、信号変わりそうだから速度を落として僕だけが先に行かないようにしようとか、色々考えながら走ってた。

 今日もそれを実行して、彼女を思いやる気持ちを再確認できた。

 よかった。

 身体がしんどいので、しんどいしんどい言いすぎてしまう。

 彼女もしんどいのに、僕ばっかりそんな風に言っていたら、彼女はしんどいのを我慢して僕のことを元気付けなきゃいけなくなっちゃう。

 気を遣わせてしまうのはよくない。

 もうとにかく早く休ませておくれ。

 眠りたい。

 おわり。