かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

 仕事納め。

 やっと仕事から解放されると数日前から楽しみにしていたのに、当日になってみると嫌な仕事が待ち受けていてゲンナリしながら出勤した。

 午前中はとりあえずのんびりやれたけど、午後からしんどい仕事をこなすこととなる。

 時間的制限がありながら、その制限内に収まらない仕事量があるのってとっても苦手。

 結構なストレス状態に置かれながら、頑張って作業をこなし、なんとか終わらせ、そこからまた結構な距離の移動を経て帰ってきた。

 もう疲れた。

 彼女が、僕が疲れていて会話が続かないという認識をしているのを知って、あぁそうだったのかと思ったのだが、自覚はまったくなかった。

 意識的に会話をしていた気でいた。

 僕は疲れていると、自発的に話をしなくなったり、反応が鈍くなったりする。

 自分でそうなっちゃってるなあって分かるときもあるけど、彼女に指摘されて初めて気づくときもある。

 彼女からしてみれば僕の状態を把握するある種の指針になっているのかもしれない。

 もっと反応してよって思っても、きっと疲れているんだなって優しく許してもらえてることもきっとたくさんあるのだろう。僕が気づいていないだけで。

 彼女は僕が思っている以上に、僕のことを理解してくれて、僕の状態を把握してくれているのだろう。

 僕が意図を持った視線を送ると、それを読み取ってくれる。

 ぴったり言い当てられると気分が良い。

 思えば、普段仕事で一緒にいる人とか、たまに遊ぶ友達とかそういう人たちの心理を推理して行動している彼女が、その人達の何倍も一緒にいる僕の心理を正確に推理できることは想像に難くない。

 想像力に乏しい僕だって、彼女のことばっかり考えているから、彼女の考えそうなこととか思っていることもある程度予想できる。

 きっと彼女はもっとうまく、僕のことを予想しているはずだ。

 お陰で僕は随分快適に過ごせているんだと思う。

 僕が気づかないうちにね。

 彼女は僕のことをたくさん思いやってくれているなあって思う。

 僕はそれに負けないように、倍くらい彼女を思いやっていかなきゃ。

 やっと明日から休み。

 羽根を伸ばして、余裕を持っていきたい。

 おわり。