かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

だいこん

 お葬式の疲れをばっちり引きずって、仕事に向かった。

 彼女も朝相当しんどそうだった。

 早退してくるかもって言ってて、普段ならそんなこと言わない彼女がそれを口にしたってことは、本当にどうしようもなかったってことだと思う。

 お昼過ぎに彼女から連絡があって、早退したという。

 僕はそれを聞いて、良かったなと思った。

 彼女が自ら帰るという選択をするというのは、相当力の要することだ。

 しんどいのを我慢して、ぼろぼろになりながらも頑張るほうが彼女にとっては選びやすい選択である場合が多い。

 様々な要因を加味してね。

 無理して働いてしまうんじゃないかと不安に思っていたので、帰ってくると聞いて安心した。

 よく帰ってきた!と褒めてあげたかった。

 褒めてあげるの忘れたな。

 帰ってきて偉かった。

 僕はといえばしんどいのでだらだら仕事をして、だらだら帰ってこようと思っていたら、帰るタイミングになって問題発生。

 仕事で大きな成果が出た上司のお祝いに、みんなで飲みに行こう!というじゃないか。

 非常に旧時代的な発想であるが、会社の一員である以上参加せざるを得ない。

 明日も仕事だぞお前たち。

 必死に、妻が体調崩しているのでと言って、早く帰れるように根回しをしておいた。

 彼女が早く帰ってきてねって言ってるのに、早く帰れないのはものすごく心苦しい。

 盛り上がっている人たちを残し、僕はそそくさと帰ってきた。

 それでもかなり遅くなってしまった。

 家に帰ると彼女が弱った顔で迎えてくれて、可愛いと可哀想が混ざった気持ちになった。

 まったく、何のために仕事やってるんだって感じだよね。

 幸せな家庭を作るために頑張ってるんだから、家庭を蔑ろにするような状況を作らせないで欲しいわ~。

 本当に大事な飲み会っていうのも存在するのかもしれないけど、今日のは別にそんなにって感じだったと思うんだよね。

 つかれた。

 おわり。