かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

きゅうり

 彼女が職場復帰を果たした。

 インフルエンザにやられてからはや一週間。

 いきなり今までと同じように働くのは相当しんどいのではと思っていたけれど、頑張って働いてきたみたい。

 体調があんまりよくなさそうだったし、早退してきてもいいんだよと言っておいたんだけど、ちゃんと最後まで仕事をこなしてきたようだ。

 頑張った彼女にはゆっくり休んでいてもらうことにして、晩ごはんは僕がメインで作った。

 もやし炒めと、オムレツ。

 なるべく簡単なレシピを探して作るのが楽しい。

 一手間くらいのやつね。

 料理を作ると、彼女がおいしいおいしいって食べてくれるので、作りがいがある。

 全然上手にできてないんだけどね。

 みじん切りも満足にできないし、オムレツだってきれいに形ができない。

 確かに最初に比べたら、料理はうまくなってるとは思うけど、まだまだ全然だ。

 でも彼女は喜んで食べてくれる。

 自分が料理とっても上手なんじゃないかと勘違いしそうになるくらい。

 彼女は褒め上手だ。

 ちょっとした良いことも気付いて褒めてくれる。

 料理がおいしいっていうのも、たしかに美味しく食べてくれてるんだろうけど、僕が頑張って作ったことも加味して褒めてくれてると思う。

 気を利かせて家事をやっておけば褒めてくれるし、ちょっとした工夫も褒めてくれる。

 おかげでまた頑張ろうって思える。

 料理だって彼女が褒めてくれなければ、ここまでやる気にならなかったかもしれない。

 褒めることはすごく大事なことだね。

 嬉しいもの。

 自分のことを見てくれてる、分かってくれてるって思える。

 自分がやろうと思うと、そんなに上手に褒められないんだよね。

 見習わなくっちゃ。

 おわり。