かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

なすなすなす

 彼女は無責任なことを言わない。

 夫の仕事に対する妻の理解についての話をしていた時に、彼女がこんな話をしてくれた。

 僕がネクタイ欲しいって言いながら、見るのを忘れた日。

 彼女は友人たちとお買い物をしていて、僕がネクタイ見るのを忘れたっていう話をしたらしい。

 そしたら、買っていってあげたら~って言われたんだそうな。

 僕のネクタイに対するこだわりと仕事上の制限について、よく理解してくれている彼女。

 こうこうこういう理由があるから自分で選んだほうがいいんだよ~と話したら、めんどくさいって言われたらしい。

 まあめんどくさいよね。

 動物柄だったりキャラクター柄のやつをすれば、それに注目されて話題になるのにねーみたいな反応だったみたい。

 一理あるし、その方が面白いのは確かだ。

 でも実際僕の仕事を理解した上で判断すると、それは無責任な発言に分類されると思う。

 念のため断っておくと、彼女の友人たちが無責任な人たちだとは微塵も思っていない。

 嫌な気持ちは全くしてないし、むしろ僕のことが話題に上って嬉しいと思ってる。

 僕のような仕事を持つ夫の妻という視点からの発言だとするとっていうことね。

 なるべく堅い印象のする格好で行ったほうがいい仕事だし、万人受けしない服装は逆効果になりかねない。

 個性を出すことはプラスに働く可能性もあるけど、リスクは大きい。

 それを理解した上で、可愛いネクタイとか付けてきなよって言われたら、結構つらい。

 でも、彼女はそういう無責任な発言はしない。

 きちんと理解してくれている。

 それを踏まえて考えると、彼女はいつだって無責任な発言はしない。

 大丈夫かどうか分からないようなときは、大丈夫だよって軽々しく言わない。

 根拠のない提案をなんの考えもなしに言わない。

 いつだって相手の事情とか状況を考えて、意見をくれる。 

 彼女が大丈夫だと言ってくれるときは、本当に大丈夫だと信じてくれている。 

 すごく心強い味方だ。

 彼女が僕の一番近いところにいてくれてよかった。

 そう思った会話だった。

 おわり。