かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

ぎゅうにゅー

 彼女の悩みというのは、考えが浅い人には到底理解できない。

 心配なことがあるという悩みに対して、心配しすぎないほうがいいよ!というようなアドバイスをする人。

 彼女には全く意味をなさない。

 彼女の悩みというのはもっと高度なものである。

 気にしない方がいい、心配しすぎないほうがいい、というのは彼女も理解している。

 それは分かっているけれども、気になるし、心配してしまうのだ。

 だからこそ悩んでいる。

 彼女が思いつく限りの対処をしてもなお、消えてくれない問題だから悩んでいるのだ。

 だから、自称聞き上手とか、相談乗るの好きとかそういう人は気軽に彼女を助けてあげられるなんて思っていただきたくない。

 思い上がりも甚だしい。

 もちろん善意で、彼女のことを本当に思ってくれている人ならば良い。

 多少的はずれな励ましでも、押し付け気味なアドバイスでも、本当に彼女のことを思って言ったことならば許す。

 大前提として彼女を傷つけていないというのがあるけどね。

 本当の意味で彼女の悩みを理解できるのは、僕しかいない。

 いや、正確には僕にも理解しきれていない部分はあるか。

 でも一番理解度が高いのは僕だ。

 間違いない。

 彼女の悩みはレベルが高い。

 彼女ほどの人が考え抜いて行き詰まっているのだから、解決方法なんてもう無い。

 だから周囲にできるのは悩みを取り除くことではなく、薄めることだと思う。

 僕自身は悩みとは無縁の性格をしている。

 だからこそ、彼女にはない視点で物事を見ることができる。

 それは良い点だ。

 しかし一方で、彼女の悩みを理解するのが難しくもあった。

 僕にはない視点で物事を見ているわけだから。

 でも、ずっと一緒にいて、彼女がどんなことを考えて、どんな風に悩んでいるのかは理解できるようになった。

 深く物事を考えるのが苦手だったけど、彼女のこと関していえば色々と考えを巡らせられるようにもなった。

 彼女のことを理解するために、考えの浅い人間から少し、ランクアップした。

 僕が言いたいのは、彼女のことを分かったようにアドバイスするやつは、プロサッカー選手に、ボールの蹴り方はこうですよって趣味でサッカーやってる人が得意気に教えてるようなものだからね!ってこと。

 彼女の相談に乗れるのは、ごく限られた人だけだよ。

 おわり。