かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

耐え忍ぶ

彼女は体調不良を耐え忍ぶことができる。

彼女はよく体調不良に襲われる。元気いっぱいなんで日はないくらいに思える。

そんな彼女だが、普段周囲の人に体調不良アピールをすることを良しとしない。可能な限り言わないし、悟られないように振る舞う。

おそらく、彼女は僕なんかよりは様々な苦しみに強くなっているんだと思う。頭痛や腹痛や腰痛、気持ち悪さ、そんなものが毎日のように襲ってくるのだから、必然的にその苦しみに慣れている部分はあると思う。決して苦しくないわけじゃないし、辛くないわけでもないだろうけど、我慢できる幅が広くなっているというか。

だからきっと、僕が同じレベルの苦しみを受けたら、すぐに根をあげてしまうんじゃないかなと思うのだ。

例えば彼女は頭が痛いと言っていても、それを聞いていなければ分からないくらい、普通に振る舞える。楽しそうに話せるし、笑顔も見せてくれる。

でもそれは決して痛みの程度が軽いというわけではないんだと、身近にいて感じる。

相手に迷惑を掛けないように、仕事中だったら自分の仕事を責任を持って全うするために、苦痛に耐えていつも通りの姿でいようと努力しているのだ。

少し彼女のことを気にかければ、声の調子がおかしいから風邪かなとか、少し頭が痛そうな素振りを見せているなとか、気付くこともできる。

そうして彼女を心配してくれる人もいるけど、気づかない人が大半だ。

その為、彼女の頑張りはあまり周囲に伝わらない。

それはある意味で、彼女が苦しみや痛みをなんとか耐えることができることの弊害かもしれない。

耐えられるから耐えようと思ってしまうわけで、耐えられなければ勝手に表に出てしまう。

彼女がなぜ耐えられるのかと考えたときに、一番の要因は精神力だろうなと思う。心の強さ、こういう部分で甘えてはいけないという強い思いが彼女を支えているんだと思う。

そういう心が弱いと、周りに迷惑を掛けることも気にせず体調悪いのでかえりまーす!きゃぴ!みたいなこと言い出すのだ。

僕はもう少し彼女が周囲にアピールしたって誰も迷惑にも嫌な気持ちにもならないんじゃないかなあとは思うけど、それは僕の感覚であって彼女がそうできるかどうかはまた別の話だ。

今の職場のメンツにアピールしてもなんにもいいことないしねきっと。

だから彼女の身近にいる僕が、うまく彼女をフォローして心配していくのが一番いいんだろうなと思う。