かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

工作

 今日、彼女と一緒に図工的な作業をした。

 今度新しく職場に来る人を歓迎する意味を込めて、ウエルカムボード?を作ってくれと依頼されたから。

 手先が器用でセンスがあり、仕事をきっちりこなしてくれる人と言ったら彼女しかいない。それはチンピラも分かっているようだ。こうしてくれっていう具体的な案もなく、丸投げしてくる。余計な口を出されるよりはいいので、二人で自由に作ることにした。

 最初に土台となる板を用意して、そこに色画用紙を貼る。

 色は僕の発案で茶色となり、彼女が板に紙を貼り付ける作業をやってくれた。もちろん僕も手伝いはしたんだけど、余計な手出しをすると事態を悪化させたり、上手にやってきたものを台無しにしたりしかねないので、サポートに回った。

 そもそも彼女の手際が非常に良くって、僕には見守るのとテープで固定するのを手伝うくらいの作業しか残されていなかった。

 てきぱきと紙を貼り終える彼女。ななめになったり、歪んだりしてしまいがちだけど、すべて問題なく貼れていた。精度を重視したわけではないので、多少のずれはあったけど、余裕で許容範囲だった。正確に長さを測るわけでもなく、感覚だけでやってるのにここまできれいにできるのはすごい。

 それを褒めると、彼女は図工が得意だったし、家でもこういうのをよくやってたって言ってた。なるほど、小さいころから培われてきたものなんだなあと感心した。これは得意と誇っていいやつだと思う。

 続いて文字を画用紙に書いて、切り取って貼り付ける作業。

 これも彼女がさらっと手書きで文字を書いてくれて、それを切り取る。更にそれを別の色の画用紙に貼り付けて切り取り、一回り大きい枠をつける。

 最初の切り取りは僕も手伝ったけど、一回り大きい枠を作るのは彼女に任せた。どれくらいの幅の枠をつけるのかもセンスだし、ある程度均等な幅にする器用さも自分にはないように思えたからだ。

 作業の途中ではあったが、出来上がっていくボードを見ていると、非常に完成度が高く、これは良い出来だと思えた。

 彼女と協力して一つのものを作り上げるのは楽しい。あと僕の出した意見を彼女が積極的に採用してくれるのが嬉しい。僕が並べた材料を彼女が形にしてくれているような、僕の思い描いたものをそれ以上のクオリティで作り上げてくれる。

 こうして依頼されたボードづくりは無事完成した。

 途中、Y君が色彩検定的な資格を持っていることが判明し、配色について聞いてみたら、なにやらごにょごにょ言いながらアドバイスをしてくれた。普段仕事ができない頼りない男なのに、この時だけ非常に輝いて見えて、僕と彼女はすげえ!かっこいい!普段と全然違う!と盛り上がった。

 Y君の意外な特技発見である。本人は一番しょぼい資格しか持ってないんで、あんまり言えないんですけどねと謙遜していた。

 普段の仕事以外の、こういうサブクエストみたいな仕事はやってて楽しいね。

 おわり。