かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

調子の良い日

 今日はお仕事で、彼女も一緒に働く日だった。

 働き始めの頃はいつものように調子が出なくて、テンション低めだったんだけど、彼女が出勤して来た頃から元気が出てきた。

 彼女と話していると「どうしたの?テンション高いじゃん」って言われた。逆のことはよく言われるけど、テンション高くてどうしたのって聞かれるのは珍しい。

 なんだか今調子が良いって言ったら、彼女もどうやら調子が良いみたいだった。

 僕にも彼女にも、元気になるような要素があったわけではないように思う。彼女がいるっていうことはもちろんプラス要素だから、それによって僕の調子が上がった可能性はある。

 あと強いて言うなら、マイナス要素が少なかった。

 チンピラがいないとか、いつもより人手が多くて余裕があったとか。

 お陰で仕事はさくさく終わったし、彼女とも楽しく仕事ができた。こういう日はいいね。

 今日うれしかったことを一つご紹介する。

 僕がやっていた仕事を彼女が出勤したら引き継ぐことになっていたので、僕はなるべく引き継ぎしやすくその後の作業がやりやすいようにと思って仕事を進めていた。

 彼女に引き継ぐ段階になって、全体の流れを説明して、その後細かな説明をした。この仕事の続きを引き受けるのはかなり面倒。僕もこの仕事を誰かから引き継いだ経験が何度もあるけど誰かのやりかけの続きをやるのは凄く嫌だ。どこまでやったとか、これはやったのかやってないのかとか、すごくわかりにくいからだ。

 それを踏まえて先ほど書いたように、なるべく引き継いでくれる彼女がやりやすいようにしておいた。

 でもやっぱり僕がどうやって進めていたかとか、続きの作業をどうするかとかいう説明は若干ややこしくてわかりにくい。説明が多くなって聞いてる側としてはうんざりしそうなくらいだ。

 申し訳ないなあと思いながら説明をしていたら、彼女は僕の言ったことをメモし始めた。これがすごく嬉しかった。

 こんな面倒な引き継ぎをしたくないだろうなー、進行状況を分かっている僕がそのままやればいいって思うよなあとか考えていた僕は、嫌がることなく熱心に説明を聞いてくれる彼女の姿勢が嬉しかった。

 あと僕の発言がメモするに値する情報だと思ってもらえたことが嬉しかった。

 彼女に説明や指示を出すときは、必要な情報を端的に提示するだけでいい。

 例えば一階にあるAという荷物を二階の部屋Bに運んでもらいたいという仕事があったとする。

 彼女にはAをBに運んでおいてといえば事足りる。

 だが他の人には部屋Bのどこに置いてとか、どういうふうに置いてとかいう指示をしないと安心できない。指示しなくてもできるかもしれないけど、できない可能性がつきまとう。

 彼女は情報を自分で考えて組み立てて行動できる。もしその中で不明な点があったら確認に来てくれる。その不明な点っていうのは彼女の能力不足ではなくて、指示する側のミスや能力不足の結果生じているものだ。

 彼女には仕事を頼むときに楽だし、今日みたいに指示をしっかりメモしてくれるし、仕事をちゃんとやろうっていう意思が見えるので嬉しい。メモをとるのとか当たり前のはずなんだけど、できない人はたくさんいる。それに彼女くらい経験が豊富になるとメモを取らなくても大丈夫でしょみたいな慢心があったりする。

 それがない彼女は人間的に素晴らしいなと思ったのでした。

 日によってはこういう僕からのお願いとか指示が彼女にうまく伝わらなかったり、お互いの解釈が噛み合わなかったりして衝突することもある。今日はそういう意味でも調子の良い日だったんだろうなって思う。

 今日はいい日だった。