かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

ものさし

 彼女の元気度を計る基準というものが僕の中にはあって、それによって彼女がしんどいとかつらいとか言わないにしてもある程度彼女の状態を把握しておくことができる。

 彼女が元気ないときとか悩んでいるときの深刻さの受け取り具合というのは、彼女とどういう形で交流しているかによって変わってくる。

 メールなんかの文章でのやり取りでは、どうしても深刻に受け取りすぎてしまう。彼女から送られてくる文章が全てで、どんな表情でそれを送っているのかどんなことを考えているのかっていうのが分からない。

 だから一番深刻な状態を想像してしまう。

 例えば彼女がつらいって言ったとして、それが軽い感じで言われたのか、凄く深刻な状態でどうしようもないっていうくらいの重みで言われたのかどっちで捉えるかといえば、重い方で捉える。

 電話でのやり取りでは、文章とは違い声色という要素が加わり彼女の状態を判断しやすくなる。僕のくだらない発言で笑ってくれれば多少でも元気があるのかなあみたいな余裕ができる。文章のみの時よりも彼女の実際の状態を正確に把握できる。

 そして何より一番彼女の状態を把握できるのは実際に会っている時だ。人によっては直接言葉にして伝えるのが苦手だから会っていないときに文書にした方が気持ちが伝えられるっていうのもあるだろうけど、彼女は面と向かって気持ちをきちんと伝えてくれるし隠そうとはしないので、会っているときが一番彼女というものを理解できる。

 声も表情も雰囲気も全てが彼女を理解する助けになる。

 さてここで冒頭で述べた、彼女が元気かどうかの基準というのをご紹介しようと思う。

 分かりやすいのが「会話が続くかどうか」だ。僕の話がくそつまらないっていうのは大前提としてあって、元気な彼女なら僕のそのくそつまらない話でも多少広がりを持たせてくれる。だけど元気がないときの彼女はそういう僕を楽しませてやろうっていうボランティア精神を起こす余裕もないから、全く会話が続かない。それはもう僕が焦って冷や汗をかくくらい続かない。会話の主導権を移譲された僕が面白い話題を出して話を盛り上げられないのがいけない。普段の彼女がどれだけ会話を盛り上げてくれて話題を出してくれているかっていう話で、元気がないときくらい僕が楽しませてあげなきゃと思う。だから会話が続かない、話題がすぐに枯渇するという状況は彼女が元気ないことを計る基準といえる。

 もう一つは「自分の周りをすごく気にする」というもの。これは彼女の元気の無さが深刻な状態に陥った時に現れるもので、こうなった彼女はなかなか這い上がって来れない。周囲の人達に嫌われているんじゃないかとか必要とされていないんじゃないかというようなことを考えてしまって、どんどん沈んでいく。僕は深刻な状態になる手前くらいで何となくその予兆を感じとれるので、彼女の考えすぎで誰も嫌ってないし邪魔だなんて思ってないよっていうことを効果的に伝えられるようにしておくことが必要になる。

 彼女が元気かそうでないかを把握するのは意外と難しくて、元気そうに見えて本当はつらい、なんてことも多い。LINEなんかで会話した後に彼女と会うと、LINEだと凄くつらそうでどうしようもないような印象だったのに、目の前に現れた彼女は元気そうに見えるってことは多い。もちろんそれはあくまでも「元気そう」であって「元気」ではない。

 たぶん、彼女は人前でつらいっていう雰囲気を出すのが苦手なのかな。どうしようもなくつらくても、泣きたいくらいしんどくても我慢して無理してしまう。他の人に対してとくらべてみれば圧倒的に僕の前ではつらいっていうのを出してくれているけど、やっぱり元気に振る舞ってくれたり僕を楽しませてあげようっていう思いは持っていると思う。

 周囲の人々はかなり真剣に彼女を見ていないと、元気が無いってわからないんじゃないかな。僕はそれをちゃんと理解できる立場にいるから、彼女を支えてあげないとって思うわけだ。

 基準が分かった!とかいって調子に乗るとだいたい失敗するので慎重に、彼女をちゃんと見て彼女のことをちゃんと考えていくよ。