かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

情報収集

 彼女は情報収集が得意だ。

 というよりも、彼女が集めようとしなくても情報が勝手に彼女のところに集まってくる。

 たとえば、職場の人が仕事を辞めようかなと考えている時、その話が彼女には早い段階で伝わってくる。異動の話も解禁時期になるまえに彼女の耳に入るなんてことも多い。

 なんでそうなるかといえば、仕事を辞めようと思っている本人、異動が決まった本人から彼女に直接、彼女にだけは言っておくというような感じで教えられるのだ。それは彼女が信頼されているからに他ならない。他の人に比べて彼女がその人達にとって近い存在であるということだ。

 僕はなにか情報を手に入れて、誰かに話したいと思った時に真っ先に彼女の顔が浮かぶ。他の人に言わないようなことでも彼女には伝えるし、なにかおもしろい情報を手に入れたら彼女に言うまで温めておく。それは僕が彼女を好きだからというのもあるんだけど、彼女が話をきちんと聞いてくれるというのも大きい。

 聞いた話に対するリアクションとか、聞く姿勢、あと彼女がその情報を大切にしてくれそうな感じがするっていうのもある。こちらにとって重要な話であっても、相手にとっては重要ではなかった場合に「あーはいはい」的な反応をされたらつらいじゃない。でも彼女は、こちらがどういう意図で言ったのかとか、こちらにとってどれくらい重要な話なのかっていうのをきちんと汲み取ってくれるだろうなって信頼できるし、実際汲み取ってくれる。

 だからあまり多くの人には言えないなっていうような情報を得た時に、彼女には知っておいて欲しいって思うんじゃないかな。

 彼女が色んな話に対して興味を持つっていうのも色んな情報を持っている理由の一つだと思う。興味を持って自分から話を聞きに行くということを続けていった結果、情報が勝手にやって来る状態になっているんじゃないかな。

 今でも、僕と誰かが話しているのを見かけると、なんの話?って言って会話に参加してくる。自分が知らないところで楽しそうに話しているのが嫌というのがあるらしく、なになにー!って入ってきてくれる。ここで彼女が「あーなにか話してる、疎外感」ってなって会話に入ってこないと困っちゃうので、彼女がなになにー!って来てくれると助かる。

 だから最近は彼女がいないときに交わされた会話で、重要なものとか彼女に関係することとかは極力詳細に覚えておけるように意識している。意識してないとなんかこんな感じの話したっていうような漠然とした記憶になってしまう。

 職場の情報はたいてい僕か彼女のどちらかの耳には入っているっていうことが多いから、彼女と僕で情報交換をすると大抵のことは把握できる。その情報量も圧倒的に彼女が多いんだけどね。

 おばさまからの情報も上司からの情報も、彼女はわりとまんべんなく把握している。彼女が得た情報を悪用しないっていう信頼感はもちろん、相手から情報を引き出す彼女の話術なんていうのも関係しているのかもしれない。彼女がしっかりしているし考え方も大人っていうのを話し相手が分かっているってことだろう。