かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

ぷれぜんと

 彼女はやっぱり周囲の人達から愛されている。彼女が誕生日を迎えて数日が経過し、改めてそう思った。人気者だなあって。

 以前登場した仲の良い二人からは、手作りケーキでお祝いしてもらったらしい。更に先日行った日帰り旅行で撮った写真をアルバムにしてプレゼントしてくれたようだ。とっても素敵なプレゼントだと思った。ただ写真が貼ってあるだけじゃなくてコメントが書き込まれていたりデコレーションされたりしていて、手が込んでいた。その発想が僕にはないものだからすごいなあって思うし、それを思い付いて実行したってことは彼女のことをとても好きで大切に思っているからだろうなって思った。そこまでしてくれる友人を持っている彼女はやっぱり愛されている。

 他にも何人かからプレゼントを貰ったみたい。もちろんその中にY君も入る。僕はといえば、彼女と家族からしかお祝いされていない。僕と彼女の違いってなんだろうって考えてみた。僕の人望がないとか、僕の友人たちがみんな薄情だとかいう可能性もあるんだけど、一番の違いは彼女が周囲の人を大切にしていることだと思う。

 友人はもちろんのこと、職場の人の誕生日を覚えていて(手帳にメモっていて)お祝いしてあげたり、何処かへ行った時におみやげを買ってきたり。彼女はすごく人との繋がりを大切にしていると思う。僕は友人の誕生日は忘れるし、覚えていても祝ってあげようってあんまり思わないし、ましてや職場の人の誕生日なんて知ろうともしなかった。僕はそこまで周囲の人達に気を配れるほど器用ではないし、そういう発想がそもそもない。彼女はそれをうまくこなしている。僕は彼女のそういうところに感心している。尊敬の念を抱いているともいえる。彼女がそうやって誰かの誕生日を祝ってあげたり、その人のことを考えた行動をすることで、彼女にそれが返ってくるのだろう。全てがうまく彼女に返ってくるわけじゃないから、時として彼女は虚しくなってしまう。虚しさを感じるのはそれだけ彼女が真剣に、周囲と接しているからなんだろう。自分がこれだけしているから、相手からも同等の何かが欲しい、というわけではなくて、自分がこれだけしていることが相手に伝わっていないから何も返ってこないんだろうって考えてしまう。彼女は常に最善を尽くそうと必死に考えていて、相手のためになると思ったら全力でそれを行える。それをしっかり汲み取れる人たちは彼女に感謝して彼女を慕ってくれる。

 彼女が周囲から愛されるのも、また彼女が人間関係で悲しむのも、全て周囲の人達ひとりひとりに気を配って、真摯に接しているからだろう。

 ここ数日、彼女が周囲の人々から愛されてることを感じ、彼女が普段していることが正しかったんだなって僕が嬉しくなった。彼女はいつもたくさん悩んで、たくさん悲しんでいるけど、こうやって形になって返ってくるものがあるということは、彼女は間違ってないっていう証になるんじゃないかな。