かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

結婚式

 結婚式。

 ついに本番。

 昨日は眠れない!とか全くなく、健やかに眠りにつくことができた。

 こういう日でもすやすや寝てしまうということは、もう本当に僕は起きているということができない身体になってしまったのだと痛感した。

 早起きして、ちょっと起ききれずにグダグダして、慌ただしく支度をした。

 目標時間にはばっちり間に合ったので、全く問題なし。

 会場について、すぐに彼女のヘアメイクが始まる。

 僕はやることがなくてぼーっと椅子に座ってた。

 あれやこれやと言いながら、徐々に彼女のヘアとメイクが出来上がっていくのをカーテン越しに感じながら。

 約二時間の作業。

 僕もぱぱっと着替えをして、リハーサル。

 前に説明を受けたときは簡単!って思ってたけど、今日になって意外と複雑だなと思い始める。

 このときはどっち向いてればいいんだっけとか、どのタイミングで歩き出すんだっけとか。考えれば考える程不安になってくるのだ。

 リハーサルを終えて、彼女のメイクが更に修正され、完成。

 いつものメイクとは雰囲気が違って、これはこれで可愛いなあって思った。

 可愛いって言うよりきれいな感じのメイクだったかな。

 素敵だった。

 時間が経つに連れて、ゆるやかに緊張度が上がっていく。

 本番直前には心臓の鼓動が非常に分かりやすくなってた。

 新郎入場って一人じゃん。めっちゃ心細いのね。

 司会の人に、笑顔でってかなり念押しされたので、そこだけちゃんとやるように意識して。なるべくゆっくり歩こうと思ったけど、もうね、早歩きになっちゃうのよね。

 早いなあって思いながらも、もはや緩めることができないの。

 緩めようとしたら100%変な動きをしてしまうなあって感じ。

 入場を終えて、彼女がお父さんに連れられて入ってくる。お母さんからベールダウンをしてもらって、僕の方に向かって歩いてくるわけだ。

 ベールが掛かった彼女は、花嫁って感じですごく素敵だった。神秘的な感じさえした。

 お父さんから僕に彼女を託されて、誓いの言葉を読み、署名をし、指輪の交換。

 みずまんじゅうくんとおはぎちゃんが、指輪を持って入場してきてくれる予定で、ちゃんとできるのかめちゃくちゃ不安だった。

 みずまんじゅうくんは大方の予想通り、惨敗。できないー!ってなっちゃったみたい。

 おはぎちゃんはニコニコで指輪を持って届けてくれた。

 僕はおはぎちゃんがちゃんと出来たことが嬉しくて嬉しくて、涙が出そうになった。

 可愛かった。

 指輪を交換したら誓いのハグをして、退場。

 緊張感は徐々に薄れてくるんだけど、周りを見る余裕とかはあんまりなくて、ただ彼女と目が合うと安心した。

 みんなから花びらを投げつけられた後、集合写真撮影。

 天気が良くて本当によかった。

 ただ花粉が酷かったようで、彼女が鼻がずびずびしててかわいそうだった。

 色んな人と写真を撮ったし、色んな人からおめでとうって言ってもらえて、なんだか特別感を味わった。

 父の方の親戚が、こういうときばっかりいい親戚ヅラしてくるのが気に食わなかったけど、良しとする。

 メイク直し等を挟んで、披露宴。

 僕の次なる緊張は両親への感謝の手紙。

 ただ、挙式を終えた安心感もあったので気持ち的にはかなり楽になってた。

 彼女は安定の無緊張。

 入場して、席についたら、まず弊社の社長よりご祝辞。

 恥ずかしがりの社長だから、上手にしゃべれないだろうなあって思ってたけど、案の定もごもごしちゃってた。

 お言葉を頂けただけでありがたいということにしておく。

 続いて彼女の大学時代の恩師からの、お祝いの手紙を司会者さんが代読。

 この先生はすごい人なので、みんなにそれが伝われ!!と強く念じてた。

 そんな人から手紙貰える彼女すごいだろ!って強く思ってた。

 その後乾杯のご発声を、彼女の演劇仲間の方がしてくれて、宴の始まり。

 僕がお酒飲めないのみんなしってるから、無理やりお酒を進めてくるひとはいなくて、本当に助かった。

 これも招待客の質だなって思った。

 そんなの関係ないぜって感じで、お酒を飲ませようとする人だって存在すると思うんだ。

 僕らの招待客にはそういう人はいなかったというのは、僕らの周りの人達がそのへんはわきまえている人たちだということだと思う。

 あっという間に時間が経っているみたいで、すぐにケーキ入刀からのファーストバイト

 僕が彼女に小さいスプーンでケーキを食べさせてあげて、次に彼女が大きなスプーンで僕の口いっぱいくらいのケーキを食べさせる。

 本来のケーキバイトはここまでなんだけど、更に大きなスプーンで彼女にケーキを食べさせるお返し、というのを盛り込んでみた。

 ケーキバイトを初めて見た人は、今後他の結婚式で、あれ?もう一回新婦に食べさせないんだって思ってしまうかもしれないが。まあそれはどうでもいい。

 結構盛り上がったので、これは大成功だったと思う。

 それを終えると今度は友人祝辞かな。

 あまりにもあっという間だったので、うろおぼえ。

 僕の一番の友人よりお祝いのメッセージを頂いた。

 冒頭、感極まったおじいちゃんが僕のところにやってきてなかなか帰らず、時間が押してしまうことを危惧した友人が喋り始めるという混沌とした状況になったけど、丸く収まった。

 社長も喋りはあんまりだったけど、まあまあいいこと言ってくれたし、友人もいい言葉を送ってくれたので、とってもありがたかった。

 続いて彼女の友人、おしゃれ番長の祝辞。

 おしゃれ番長は挙式のときから涙腺がゆるゆるになってたので、この時も泣いちゃうんじゃないかと心配してたけど、きっちりこなしてくれてた。

 彼女への愛が伝わるすごく良い祝辞で、僕がちょっとうるうるした。

 彼女のご友人たちは、みんな心から彼女を祝福してくれてる感じがしたし、みんな彼女のこと好きなんだなっていうのが伝わってきた。

 あとね、彼女のご友人方はみんな人としてのレベルが高い。

 ちゃんとしてる。

 彼女のドレスとか髪型とか褒めてくれるし、ちょっとした所にも気付いて褒めてくれる。こちらに対する気遣いが伝わってきて、すごく気分が良い。

 大人なんだよね。

 彼女がちゃんとした気遣いのできる人間だから、周りのご友人方もそういう人たちが集まるんだろうなあって思った。

 素晴らしい。

 祝辞が終わると、お色直し。

 彼女がおばあちゃんと、おじいちゃん(写真)と一緒に中座。

 そして僕の緊張再び。

 僕が中座する前に、両親への感謝の手紙を読む。

 泣いちゃうかなあって心配だったんだけど、僕一人泣かず、父母、そしておじいちゃんが泣いてた。

 ちょっと噛んだけど、自分で思ってたよりちゃんとできた。

 お色直しで彼女はドレスを変えて、頭に花冠を載せた。

 花冠めっちゃ可愛くて、ドレスとも合ってて、本当に素敵だった。ブーケも素敵だった。

 アップにしてた髪も下ろして、雰囲気が変わって、可愛くなってた。

 僕もスーツを着替えたんだけど、ベストがめっちゃきついのね。我慢して着るしかなかった。

 無事お色直しを終えて、再入場。

 ちょっとした演出からの入場で、盛り上がってもらったあと、各テーブルを回って記念撮影。

 それからなにしたっけなあ。

 余興かな。

 彼女のお父さんがギターを持って、歌を歌ってくれた。

 上手だった。だいたいこういうのって、素人が歌うから白けちゃうんだけど、お父さんはさすがだった。

 一曲歌い終わって、二曲目に行きますっていうから、がっつり歌うなあ~って思いながら聞いてたら、途中で彼女が立ち上がってマイクを持つじゃない。

 ん?ん?どういうこと?って思ったよね。

 そして歌い始める彼女。お父さんとデュエット。

 彼女には歌って欲しいって思ってたから、わおー!やったー!って思った。

 彼女の歌上手だから大好きなんだよね。

 感動した。

 僕には内緒で計画されていたらしく、知らなかったよー!!ってなった。当たり前である。

 ハモリとかとってもきれいで、素晴らしかった。

 めっちゃ拍手した。

 花粉がやばくて、コンディションは悪かったろうに。素敵な歌声だった。

 サプライズにしてくれてよかった。新鮮な感動を味わえた。

 内緒にするの上手だったなあ。

 素晴らしい歌も終わり、いよいよ終盤。

 彼女がご両親への感謝の手紙。

 ここで僕が今日最大の失敗をやらかした。

 マイク近すぎ事件。

 手紙を読む彼女にマイクを近づけ過ぎて、途中で彼女に近いよって感じでマイクを遠ざけられてしまった。

 これはもう100%僕が悪くて、マイク近すぎないようにしようって思ってたのにどんどんマイク近づけちゃった。涙拭かなきゃとか気にしてる場合じゃないよほんとに。

 やってしまったとすごく反省した。

 大失敗。

 読み終えたら、お互いの両親に花束とウェイトドールを渡す。

 僕の父が御礼の言葉を読み上げ、続いて僕もみなさんにお礼を述べて終宴。

 この頃になると緊張なんてもうなくなってて、冷静にできた。

 もうね、お母さんが泣いてるのをみると、もらい泣きしちゃいそうで見れなかった。

 彼女の方のご両親は泣かなかったね。

 みなさんのお見送りをして、諸々終えて、食べられなかった食事を控室で食べさせてもらった。

 お料理美味し~!

 ただもうこの時緊張から解放されて、疲労感がものすごく大きな波となって押し寄せてきて、死にそうだった。

 肩はバキバキだし、身体は重たいし。

 彼女も頭痛にやられてた。

 やばかったね。

 スタッフのみなさんに見送られ、帰宅。

 疲れたしか言うことがないくらい疲れてた。

 荷物はいっぱいあるし、ご祝儀も数えなきゃいけないしで、ヘロヘロになりながら片付けを進めた。

 彼女が体調不良の限界に来てて、ダウン。

 僕は大学の友人たちが改めて集まってるというので、そこに参加しに行った。

 彼女を置いていくのは申し訳なかったけど、行ってきていいよって言ってくれたので、早く帰ろうと決意して行かせてもらった。

 みんなからはいい結婚式だったって言ってもらえたので、やってよかったと安心した。

 21時過ぎに帰ってきて、改めて荷物の整理。

 彼女の体調も少し回復しててよかった。

 ぐったりした僕は、今朦朧とした意識の中、ブログを書いているわけで。

 内容に不備があったら後で修正する。

 無事結婚式を終えることができてよかった。

 さっき、挙式の映像を編集してエンドロールムービーにしてくれた動画を観たんだけど、ちゃんとした結婚式になってて、素敵だなって思えたから、本当によかった。

 一生の思い出だね。

 これを節目にまた頑張って行こうと思う。

 おつかれさま。

 おわり。