かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

どんぐりくんとしいのみくん

 彼女の大ファン、どんぐりくん。

 どんぐりくんは少し遠くへ引っ越してしまって、僕たちの職場に来てくれる機会も減り、なかなか会えなくなってしまっていた。

 そんなある日、ちょうど彼女が早く仕事を終えた日、帰る時にどんぐりくんとお母さんの姿を見つけた。僕は仕事だったからその場にずっといられなかったけど、仕事終わりの彼女はしばらくどんぐりくんたちとお話をしていた。

 久しぶりに大好きなお姉さんに会えたどんぐりくんは照れていて、彼女とまともに目も合わせられないって感じだったけど、しばらくすると彼女とお話していた。でも最後まで目を合わせてくれなかったと彼女は言っていた。

 どんぐりくんは彼女に、妖怪ウォッチのコースター(最近お茶とかジュースにおまけで付いているやつ)をプレゼントしてくれた。どうやらどんぐりくん妖怪ウォッチが好きみたい。

 彼女はせっかくどんぐりくんにもらったからということで、コースター全種類コンプリートを目指し、大人の財力で惜しみなくお茶を買っている。

 で、彼女は住所を教えて下さいと言われたらしくって、僕が用意した紙とペンで緊張した面持ちで住所を記し、渡していた。また年賀状とか送ってくれるというような感じだったみたい。

 どんぐりくんに会った数日後、彼女のもとに一通の手紙が送られて来た。お察しの通りそれはどんぐりくんからの手紙。

 どんぐりくん今度年長さんくらいの男の子なんだけど、ひらがなとカタカナを使いこなせていた。彼女からその手紙を見せてもらったんだけど、一生懸命書いたんだろうなあと伝わってくる文字と、お気に入りであろう妖怪ウォッチのシールがたくさん貼られていた。彼女を喜ばせようとシールをぺたぺた貼っている姿を想像すると可愛い。

 弟のしいのみくんからも一緒にお手紙が入っていて、しいのみくんはまだ字が書けないからぐしゃぐしゃーっとしたやつだったけど、子供らしさがあって素敵だった。

 彼女はそれにお返事を書こうと頭を悩ませ、二日間くらいかけて書いてた。書いた手紙を見せてもらったけど、字がとっても綺麗。学校の先生とかみたいな綺麗な字で、お手本のようだった。内容も読みやすさを考えたいい内容で、これをもらったらどんぐりくんは大喜びする姿が目に浮かぶようだった。

 便箋はこの間僕が買ってあげた可愛いやつ。なんだか僕も協力できているようで嬉しかった。

 切手を貼ればもう出せる状態っぽいけど、肝心の切手がない。可愛い封筒に合う切手を探してみたんだけど見つからなかった。どの切手にするかちょっと悩みどころ。

 早くどんぐりくんのもとに手紙が届くようにしてあげたいところだ。

 これから彼女とどんぐりくんの文通が始まるのかなと思うと微笑ましい。