かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

こうやどうふ

 家に帰ってきたら彼女が死んでた。

 相当しんどかったみたい。

 仕事が大変だったのもそうだし、体調も悪かった様子。

 お腹は空いてないという彼女のため、高野豆腐を作ることにした。

 風邪の時は高野豆腐をよく食べたらしい彼女。

 水分をよく含んで、味が濃すぎず、食べやすい。

 確かに体調が悪い時に良さそうだ。

 前に買って期限が怪しくなってたのもあって、今日で使い切っちゃおうと、盛大に作った。

 かっちかちの高野豆腐を水で戻して、その後お鍋で煮込む。

 ぐつぐつぐつぐつ…。

 なんというか、見た目は非常に素晴らしくできた。

 お鍋にぴっちり入ってて、思わず写真を撮ったくらい。

 へろへろの彼女に食べてもらったら、美味しいと高評価を頂いた。

 嬉しい。

 僕もちょっと食べてみたけど、たしかに結構美味しくできてた。

 ちょっと味が薄かったけど、薄めに作ったから狙い通り、ということにしておく。

 高野豆腐効果か、元気が出てきた彼女。

 一安心。

 消費したエネルギーに対して、摂取したエネルギーが足りないと、ガス欠みたいな状態になってしまうのかなあと思う。

 そればっかりが原因じゃないんだろうけどね。

 僕がもっと早く帰って来れれば、それをもっと早く治してあげられるのにね。

 もしくはそういう症状が出る前にご飯が食べられるのに。

 彼女が弱ってると、なんとかしてあげなきゃと思って、身体が動く。

 彼女が元気になってきたら、途端にしんどくて動けなくなっちゃった。

 彼女のためならとっても頑張れるみたい。

 高野豆腐上手にできてよかった!

 おわり。