かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

褒める

 彼女は褒めるのがうまい。

 僕のことをよく褒めてくれるのだが、非常に些細なことから僕自身も頑張ったと思っているようなことまで様々なことに気づいてくれる。

 よく褒めてもらえるので僕はとっても気分が良い。

 彼女は考えていることや意見をすっと伝えることができるので、それが褒めるという行為にも繋がっているのだと思う。とても良いところだ。

 僕なんかは考えるところまではいっても、実際にアウトプットしないケースが多い。ふんわり頭の中で思っていても言葉にまで出さない、みたいな。

 彼女のことを褒めようと思ったときにも、咄嗟には出てこない。頭の中には言語化しきれないもやもやとした考えはあるのだが、それを無理やり言葉にしようとすると「すごい」とか「えらい」とか具体性が欠如したものにしかならない。

 念のため記しておくが、彼女に褒めるべきところがないから褒められないというわけではない。

 そこで久々にブログを書くことで僕の中にある言語化されていないもやもやを少し言葉にできたらいいなと思った。

 彼女を褒める、これが今日の目的だ。

 今、彼女のお腹では二人目の子どもがぐんぐん成長している。予定日まであと1か月と少し。お腹もだいぶ大きくなって身体的負担がかなり大きい状態だ。

 一人目の時はしんどければ横になって休めたし、気が向いたときにやりたいことをやりたいようにできたわけだ。しかし今は息子がいて、終始構ってくれと主張してくる。

 僕が家にいればまだ分担できるが、一人でいる時は地獄のような状態であることは想像に難くない。

 自分がしんどいときや体調が悪い時って、他人に優しくできない。余裕がないから。普通は他人に優しくされるべきタイミングだ。

 でも息子にはまだそれが分からない。分かる時もあるけど、自分の願望の方が基本的に優先されるから、彼女の体調は考慮されない。それは仕方のないことで、二人目なんだからどこもそう、なのかもしれない。

 しかし僕は息子と向き合っているなかで、自分がしんどい時に相手をすることの大変さをめちゃくちゃ理解している。実際に体験しているのだから間違いない。

 めちゃくちゃしんどい。めちゃくちゃ。

 だからそれをほぼ毎日、僕がいない間やっている彼女はすごいのだ。

 他人と比較する必要はない。全く同じ環境など存在しないのだから。

 ご飯を作って、一緒に食べて、一緒に遊んで、着替えもさせるし、おむつも替える。こういう当たり前のことをきちんとやるのですら大変だ。忘れてはならないが、彼女は今お腹に重りが付いている状態なのだ。自分のことをやるのですら高負荷でしんどいのに、プラスで息子の面倒を見ているのだ。それは僕が普段息子を見ていて感じているしんどさの何倍かだろう。

 そして彼女は今、育児の大変さと共に、食事制限の大変さを抱えている。

 詳細はここでは別にいいので省くけど、食べたいものを自由に食べる、ができなくなっている。

 これって相当なストレスだし負担だと思う。

 まして、彼女は食でストレス解消してきたタイプだと思う。僕もそう。

 おいしいものを食べて、頑張ったご褒美にしたりだとか、気分が上がらないときに甘いもの食べて元気出したりだとか。

 それができないのだ。

 これもまた彼女にとって計り知れない負担になっている。

 でも、でも彼女がすごいのは、これに向き合って正面からしっかり戦っているところだ。

 制限に引っかからないような食生活を心がけているし、食事の報告義務があるので、それも怠らずにやっている。

 当たり前のことをきちんとやれることって、実はすごいことなんだって大人になって気づいた。できない人いっぱいいるんだもん。

 ただただ制限を守っているだけでなく、彼女は勉強と工夫をして食生活を豊かなものに変えていっているところも素晴らしいところだと思う。

 制限されれば食べれるものの幅は確実に狭まり、努力しなければ悲しい食卓になってしまう。

 この制限を機にというわけではなくてそれよりも前からだが、彼女は料理に力を入れており、野菜を多く摂取するためにレシピを調べ、新しい料理に挑戦している。

 おかげで、なんだったら以前よりもクオリティの高い食卓になっている。

 もともと料理をやらないだけで基礎的な知識はあった彼女は、息子のためもあって料理をするようになってからはどんどん玄人っぽくなってきた。

 レシピがあるからといって美味しく作れるとは限らないというのは僕自身が身をもって経験したことだが、彼女が作ってくれるものはどれもおいしい。

 特に僕が自ら進んで食べようと思わないようなもの(先日作ってくれた南蛮漬けなんてまさにそれだったのだが)もめちゃくちゃ美味しく作ってくれる。びっくりしたもんね。

 彼女と一緒に暮らすようになって、食べられるようになったものって結構あると思う。ぱっと思いつくのはゴボウなんだけども。これも彼女が料理してくれたおかげで食べれられるようになった。苦手なものを料理して食べられるようにできる人って料理がうまい人だよね。

 今度はどんな料理を作ってくれるかな~とわくわくしている。

 結構僕に好き嫌いがあるから、そこで料理を難しくさせてしまっている部分もあると思う。申し訳ない。

 それでも彼女の料理を楽しみにしていることはわかっていてほしい。

 家事と育児、そして僕の世話。彼女は毎日本当に頑張ってくれていると思う。

 僕にはそんなに手間掛かってないよ、と彼女が言ってくれると嬉しいのだが、僕視点でいうと面倒や手間を掛けているなと思うことは結構ある。

 今後必要になりそうなものをリストアップしてくれるなんてのもそうだ。二人目が産まれてくる際に必要になるものなんていうのは、彼女が言ってくれて初めて、なるほどそれが必要なのね、となる。出産関係でなくても、彼女は生活のクオリティが上がるものなんかも情報を収集してくれている。ぼーっと生きている僕では知りえないことがぼーっとしていても入ってくる。先日はおかげで良いまな板が買えた。

 実家へ連絡しなくちゃいけないことがあって、僕がそれを忘れているなんて時も、彼女がちゃんと気にしていてくれて、連絡した?って確認してくれる。こういうのもとてもありがたい。すぐ忘れちゃうからね。

 それで思い出したけど、僕が遅刻しないように心配してくれているので、朝起こしてくれるのもめちゃくちゃありがたい。わざわざ自分のスマホにアラームを設定して毎日起こしてくれるのだ。自分のスマホのアラームをオフにしたままだったことを今思い出したのであとでオンにしておく。彼女に頼り切りなのはよくない。

 なんかちゃんと褒めれてる?

 ただ感謝を述べてるだけになってきてるような。

 長く書いていると自分が何を言いたかったのか見失うね。

 しんどい生活の中、すべてを投げ出したくなることだってあると思うんだけど、それでも耐えて、息子の面倒を見て、僕のために食事を作ってくれて、頑張ってくれている彼女はえらいと思う。

 しんどさって他人には分からないけど、僕は彼女がめちゃくちゃしんどいって分かってる。肉体的にも精神的にも。それでも毎日頑張っているのも分かっている。

 いろいろやらなきゃいけないことが出来てないと彼女は言うけれど、無理をしないで、できる範囲でやってくれればいい。息子にご飯をあげてくれて、僕の帰りを待っていてくれればそれで十分だ。

 お盆休み中は彼女に可能な限り楽をさせてあげようと思っていたけど、彼女も僕に気を遣って休ませようとしてくれて、結果的にあんまり負担を軽くできなかったかなと最終日に反省している。あ、日付が変わったので最終日も終わった。

 毎日頑張ってくれている彼女に感謝している。

 いつもありがとう。

 おわり。

お誕生日おめでとう

今日は彼女の誕生日。

そして結婚記念日でもある。

息子は絶賛手が掛かりまくる期という感じで、心休まる時がない。

そんな中で彼女はすごく頑張っている。

他の母親というのがどの程度大変なのかという比較は難しいのだが、なんかどう考えても周りより大変な気がするぞ、というのが僕ら2人の見解である。

夜中は2,3時間毎に起き朝がやってくる。

起きている間、あちこち歩き回り悪戯をくりかえす。ご機嫌ならまだいいが、きーきーぎゃーぎゃーぐずったり怒りだしたりする。

彼女はそれと一日中向き合わなければいけない。

この大変さは気が狂うくらいだと思う。大袈裟ではなく。

僕もなるべく家にいる間は家事をしたり、息子とも遊んだりして彼女の負担を軽くしようと努めているが、寝かしつけなんかに関しては彼女にやってもらうしかなく、負担を減らすことができない。

この大変さが普通なのかという疑問に明確な答えが欲しいところである。

普通なんだとしたらみんなすごいなと思うし、普通でないのだとしたら、だからこんなに大変でしんどいのかと納得できる。

本当に本当にめちゃくちゃしんどいのだ。

彼女はそれでも、僕のためにおいしいご飯を作ってくれる。

今日もそうだった。息子を見ながら夕飯の支度をして、僕が帰ってくる頃には食べられるようにしてくれていた。

ひと手間掛けて美味しくなるように工夫してくれてるし、それがばっちりハマってすごくおいしかった。

夕飯の支度なんてみんなやってるって彼女は言うかもしれない。やってあることが当たり前だって。

でも僕はそう思わないのだ。だから毎回ありがたいし嬉しい。

睡眠不足で身体は重いだろうし、気持ちもなかなか上向かないはずだ。疲労も回復し切らないで積み重なっている。

それでも夕飯を作ったり他の家事をしてくれたりしているのだからそれは十分すごいことだ。

だからとっても感謝してる。毎日。

申し訳ないことに、僕はもうずっと夜起きていられなくなってる。横になったらいくら起きていようと強く思っていても気づいたら寝てしまってる。

疲れてるからなんだろうけど、それを言うなら彼女も疲れていて、僕が好き勝手ぐーすか寝てしまって彼女は必死に息子を寝かしつけてるってのが最高に申し訳ない。

彼女は僕には仕事があるから、寝不足で事故ったり仕事でミスしてしまったりしないように寝ていいよって言ってくれる。めっちゃ優しく気遣ってくれてる。

その言葉に甘えるつもりはないんだけど、現状甘えてしまっている。

毎日ごめんね。

そういえば最近彼女は編み物にはまっている。ここ数週間は引越しの忙しさと育児の忙しさで全くできてないと思う。それもほんとかわいそう。

器用だから日に日に上達していってて感心してる。

もともと編み物苦手だって言ってたのによ。

鞄とか小物入れとか、たくさん作ってた。

売り物のようなクオリティで出来てくるからすごい。

僕も何か作ってもらいたくて、バッグをお願いしてる。

先述したように彼女は忙しさと疲れで今はそれどころではないので先の楽しみとしてとっておいてる。

彼女がなにかにハマった時の熱量と行動力は素晴らしい。短期間でかなりレベルアップしてしまう。

僕はそういうのがあんまりなくて、三日坊主になるケースがほとんどなので素直に尊敬する。

編み物は教えてくれるって言ってたから、余裕ができたら一緒にやりたいと思う。

彼女と出会って何回目の誕生日か分からなくなるくらい長く一緒にいるようになったけど、彼女を大切に思う気持ちは変わらない。

むしろ深みが増した感じがする。

出会った頃の好きと言う気持ちは、彼女の一面しか知らない状態で、僕がそばにいてあげないといけないんだ!僕が彼女のこと1番良くわかってる!とか思っていた中での感情。

今の好きという気持ちは、どんどん彼女を知り、同じ時間を過ごしていく中でじっくりことこと煮込んだ感じ。この年月を経ないと出ない味。

出会った頃の盲目的な好きって気持ちも失われたわけじゃなくてちゃんとある。

そういえば先日、と言っても数ヶ月前見た夢があって、彼女に話そうと思ってたのに忘れてたのでここに書いとく。

夢では現実と同じく家を建てていて、彼女の知り合い(特定の誰かという感じではなくこの夢の設定上作られた人物)も家を建てるからということで、彼女が相談に乗ったり一緒に住宅会社に行ったりしてあげるという話だった。

ここで問題なのはその知り合いが男性だったってこと。

なんかもう一緒に住む家を建てるような感じで打ち合わせしているのを見て僕はめちゃくちゃ嫉妬して、胸が締め付けられた。彼女がそいつに取られてしまうんじゃないかと。

その辺で目が覚めたんだけど、その胸の苦しさが残っていて、ああ僕はこんなにも彼女のことが好きなのかと思いの重さを再認識した。

嫉妬する感覚って彼女と付き合う前は何度もあって、その時の苦しさが思い出されて懐かしくって少し嬉しいという不思議な気持ちになった。

今も昔と同じように彼女のこと好きなんだと確証を得た感じだよね。

今も彼女のこと大好き。

毎日一緒にいて楽しい。最近はモンスター息子のおかげで楽しく過ごす余裕があんまりないけどさ。それでも幸せ。

僕に足りないところを補ってくれるところも好きなところ。今回の家を建てるとか引越しとか、僕が見落としてしまうような手続きだったり準備だったりをフォローしてくれてすごく助かった。

僕が考えたことを彼女に話して同意して貰えるとすごく自信がつく。それは彼女のことを信頼してるから。彼女の客観的視点とか、豊富な知識からくる判断はほとんど間違いない。

彼女がくれるアドバイスは実行しておけば間違いないのだ。たまに僕の甘えとかずるさですぐに実行しないことがあるけど、しばらくあとに結局やっておけばよかったってなる。

彼女と一緒にいられて本当によかった。

彼女と一緒ならつらいことも悲しいこともなんとか立ち向かえる気がするし、さまざまな問題が降りかかったとしても対処できると思う。

最高の理解者とペアで動けばすごく効率がいいしストレスもない。

彼女と僕は人生という初見の試練を共に乗り越える相棒なんだと思う。

これからもあれやこれや一緒に悩んで、時にけんかして理不尽な無理難題に挑んでいくのだろう。

彼女とじゃなきゃだめだったと思う。

今の僕があるのは彼女のおかげ。

今の仕事をしているのも、息子が生まれたのも、家を建てることができたのも、全部全部彼女がいたからできたことだ。

彼女がいてくれるだけで僕は頑張れるし、彼女の存在が僕を支えてくれている。

いつもありがとう。

僕にとって彼女は最高の妻だ。

来年も再来年もずっと一緒にいようね。

楽しく幸せに暮らしましたとさってなるように。

2021年

 年の初めくらいはなにか書いておこうと久々にブログを開いてみた。

 最後に書いたのが6月なので半年くらい書いてなかった。

 その頃の息子は寝なかったようで、苦労している様子が伺える。

 こんな言い方をすると今は寝てくれているようだけど、そんなにうまくはいっていない。

 眠りは深くなって前よりもぐっすり寝ているな~って思うけど、深夜に目覚めるのは相変わらず。

 入眠に関する苦労も相変わらず。

 いや、僕が抱っこして寝かしつけるという方式が成功しなくなり、彼女が添い乳して寝かすという方式でしか寝なくなってしまった。

 眠いときに僕が抱っこすると泣きわめく。

 彼女の負担を軽くしたいのだが、寝かしつけに関してはあまり協力できていない。

 息子が生まれて1年近く経つと、親という感覚にも慣れてくるものだ。

 子育てというものがどんなものか手探りだった頃と比べると、こんな感じでやっていけば良さそうだなというコツのようなものが掴めてきている。

 年末年始は僕がたっぷり子育てに参加できるので、彼女との経験値の差を埋めるためご飯を作ったりおむつを変えたりしてみた。

 でもやっぱり、彼女のほうが手慣れているし扱いがうまい。

 ご飯食べてくれないときは彼女に頼りたくなってしまうし、料理のレシピも彼女に確認してしまう。

 前述した寝かしつけも彼女におまかせだし、お風呂出たあとの保湿やら着替えやらも彼女が全部やってくれてる。

 彼女がいなくても僕が一人で全部やれるという状態にしておきたいものだ。

 しかし子育ても日々アップデートされていく。

 成長に合わせて食事メニューや生活リズムも変化する。

 彼女は常に先のことを考え、準備することができる。

 1歳過ぎたらこういうものが食べられるとか、このくらいの量食べられるとか、昨日も勉強してくれてた。

 僕は先のことを考えようとしても、まだいいやって思ってしまう愚か者なので、彼女のそういうところにすごく助けられている。子育てだけじゃなくね。

 近況報告をしておくと、家を建てることになり現在進行中。

 彼女のブームは編み物。

 手先が器用な彼女だがずっと編み物は苦手としていたらしい。

 でも今回やってみようって思い立って、お母さんに教えてもらいながらどんどん上達している。

 やはり器用なのだ。

 もうちょっとしたら息子の誕生日。

 日々成長している姿に感動しながら毎日過ごしてる。

 ちょっと前に立たせてあげるとてとてとたくさん歩けるようになったよ。

 めちゃかわ。

 以上。

育児というもの

 うちのおまんじゅうくんも生後4ヶ月を迎え、順調に成長している。

 育てやす~~い!と言っていたけども、最近になってなかなか手が掛かるようになってきた。

 夜9時過ぎには寝かしつけようとするんだけど、寝ない。寝ない。寝ない。

 結局2時間くらいかけて寝かしつける。

 その間僕も彼女も何もできやしない。

 寝たな~って思って一息つくと起きる。

 足をバタバタ。顔をごしごし。ぴー!きー!ぎゃー!!

 そこから再度寝かしつけるところくらいで僕は力尽きる。

 その後彼女はだいたい2~3時間に1回起きる息子に授乳するという強制起床イベントと戦う。

 仮に授乳間隔が3時間だったとしても、授乳を終えて2時間以上眠れるかというとそうではなくて、寝ない息子を寝かしつける作業が毎回入るわけで、そうなると寝たと思ったときにはもう次の授乳がすぐそこなんてこともザラなわけだ。

 とにかくめちゃくちゃ大変なわけだ。

 何をしても寝ない。何をしても泣く。

 そういう時期だと分かっていても、それはなんの救いにもならないわけで。

 それでも夜はまだマシだと思う。2人で見れるから。

 僕が仕事に行ってからの日中、彼女は息子と二人で監禁された状態になってしまう。

 泣けばあやさなければならないし、仮に寝てくれても窒息しないように気が抜けない。いつ起きるかも分からないから下手に音もたてられない。

 放っておいて寝てくれたらどんなに楽だろうね。

 歌を歌ったり、抱っこしてゆさゆさしたり、おもちゃで遊んだり、本を読んだり。

 彼女は創意工夫して、なんとかご機嫌になってもらおうと頑張ってる。

 それでも泣き止まなかったり寝なかったりしたときのしんどさとかつらさというのは叫びだしたくなるくらいだと思う。

 彼女は歌を歌うの上手だし、振り付けを加えて楽しくするのが上手だ。

 暑いとか寒いみたいな不快に思っているだろうことも、あらゆる角度から想像して対処できる。

 うとうとしてきた息子をベッドへ寝かせるのも上手い。僕が置こうとすると起きて泣くのだが、彼女がやるとすーんと寝てくれる。

 客観的に見て彼女はよく頑張っているし、上手にやっていると思う。

 ただどれだけ頑張っても、どれだけ上手くやっても、それが必ず成功するわけではない。これが育児の大変さだ。

 子どもを何人も育てた手練の人でも100%の成功なんてありえない。

 彼女が1人目の子育てでここまで頑張れてるのは素晴らしいことだと思う。

 僕は仕事から帰ってきた後と、休日にちょろっと面倒を見ては疲れた~疲れた~って言っていればいいだけなのだ。

 仕事は大変だけど、育児という檻の中から抜け出せるという意味ではプラスの部分はあるだろう。

 彼女には今逃げ場がないのだ。

 彼女が息子から逃げ出してしまったら、息子は一人ぼっちだ。

 もちろん彼女には逃げ出すつもりなどないだろうが、追い込まれたときに逃げ出せる場所があるのとないのとでは、精神的余裕が全然違う。

 体力的にも精神的にも追い込まれている現状だが、それでも彼女は一生懸命息子のために頑張ってくれている。

 いつも本当にありがとう。

 僕にできることが限られていて歯がゆい思いをたくさんしているんだけども、彼女の支えになれるように頑張っていきたい。

成長記録

 最近の息子。

1. 首がすわってきて、安定感が増した。

 これによって遊び方とか構い方の幅が広がって楽しい。抱っこのときも安定してる。

2. めっちゃ喋るようになった。

 喃語ってやつ。一人でも楽しそうに喋ってる。昔に比べると声が大きくなって場合によってはうるさいけど、元気なのはいいことだ。最近不思議な鳴き声を習得したらしくよく鳴く。あぶ~って言うのが最高にかわいい。

3. 僕や彼女の顔を認識してきてる。たぶん。

 顔を見るとにやってしたり、喋ったりするのでめちゃくちゃかわいい。他の人と接触する機会が激減しているので、僕たち以外の顔を見ても同じくらい喜ぶかは謎。仕事から帰ってきて「ただいま~」って顔を見せたら喜んでくれると最高に幸せ。

4. 手を使えるようになってきた。

 差し出したおしゃぶりとかおもちゃを受け取ることができるようになった。これが一番最新のレベルアップ。本日、自分で口から外したおしゃぶりを再び口に戻すことに成功した。必死に手を使って持とうとする姿もかわいい。

 

 最近の変化はこのくらいかな。

 とにかくかわいいのよ。

 なにをしててもかわいい。泣きわめいてる瞬間はしんどいときあるけど、それでもかわいい。僕の手を握ってるだけでかわいいし、抱っこしたときに顔を擦り付けてくるのもかわいい。

 最近布を顔に掛ける遊びがブームで、ふぁさ~って布を掛けると大喜びする。

 こちらとしては省エネなので助かるし、楽しそうな姿がかわいいので良い遊びである。

 ちょっとご機嫌悪くて困らされても、こちらの頑張り次第でわりと持ち直してくれるので、創意工夫が大切だなあと実感する毎日。

 育児の悩みをネットで検索しても明確な答えは出ず。結局は一人ひとり違うので、その子にあったやり方を探して頑張るしかないという結論に至るんだよね。

 理想論とか綺麗事みたいな言い方にはなるけど、周囲の色んな情報に惑わされず目の前の子どもに必要なものは何なのかを考え続けることが子育てなのかなあと思う。

 3ヶ月程度で子育てを語るのはまだ早いだろうけども。

 早く僕のことをおとうさんと呼んでくれないかと楽しみにしている。

 あ、そういえば最近彼女が抱っこするとご機嫌なことが多いので、もしやお母さんのほうが好きなのかなと気にしている。お母さんのほうが好きでいてくれればいいんだけど、なんとなくちょっとだけ負けたくない気持ちがある。僕だって頑張ってるんだぞーって。

 でも僕の顔見たら最高な笑顔でうきーって笑ってくれるから、きっと僕のことも大好きでいてくれるはずだ。

 このままずっと好きでいてもらって、尊敬されるような父になりたいものだ。

 おわり。

わっしょっしょい

 連日ブログを書く感覚懐かしい。

 今日は仕事中に彼女から連絡があった。

 連絡自体はいつものことで、とんとんちゃんがうんちしたとかなかなか寝ないとか、ぐっすりだとか状況を伝えてくれる。

 それを見ると安心する。

 今日の連絡はいつもと違い、少し心配になる内容だった。

 全然おっぱい飲まないや~って。

 そこまで心配することじゃないのは連絡をくれた彼女はもちろん、僕も分かっていた。

 しかしその後もおっぱい拒否が続き、僕が帰る少し前にはずっと泣き止まなくなっていたようだ。

 どうしたとんとんちゃん。

 いつもだったら泣いてても5~10分くらいあやしてれば寝るのに。

 全くそんな気配がない。

 不安のなかとりあえずお風呂に入ることになった。

 機嫌悪くてもお風呂に入るとすっきり!なんてこともあるはず、そんな思惑通りお風呂は普段と変わらずな感じで入れた。ご機嫌ではなかったけども。

 問題はその後のおっぱいタイムである。

 引き続き拒否られるようだと彼女のメンタルも心配だし、とんとんちゃんの身体も心配になる。

 僕はお風呂を洗いながら、聞こえてくる物音を気にしていた。

 ぎゃぁーという泣き声。これはいつものことで、お風呂との温度差でびっくりしたり気持ちよかった状態から移動させられてしまったことで怒っていたりする。

 彼女が手際よく身体を拭いて服を着せて、授乳に移るとその泣き声も聞こえなくなるのが普段の流れだ。

 今日は違った。

 ぎゃあーーーーああああーーーきぃぃぃーーーってな感じで泣き続けてる。

 心配になって見に行くと、顔を真っ赤にしておっぱいを飲まないとんとんちゃんとしょんぼりした彼女。

 あれこれ試しても飲まないので、彼女は放心状態。僕はとんとんちゃんを抱っこして必死にご機嫌を取り、再度彼女のもとへ。

 だが飲まぬ。

 断固として飲まぬ。

 半ばヤケになった彼女が「わっしょっしょい!わっしょっしょい!」という掛け声とともにリズミカルにとんとんちゃんのお尻を叩くと、なぜか飲み始めるではないか。

 「赤ちゃん おっぱい 飲まない」で検索した結果の”いつもと環境が変わると飲まなくなることがあります”というアドバイスは全く意味をなさず、目の前で繰り広げられるいつもと違う光景。

 授乳拒否、授乳ボイコットなどと言われる新生児から4ヶ月頃に見られる現象は、世の子育て中の親を悩ませる問題のようだが、彼女はそれを自力で、そして短時間で突破してみせた。

 快挙ではないだろうか。

 比べようがないから分かんないけどさ。

 1週間くらい満足に飲まないこともあるみたいなのよ。

 すげえって思ったね。

 彼女らしいというか、彼女だからできたと思う。

 よくやった。

 とんとんちゃんがまたこんな風になっても彼女ならきっと乗り越えられるだろう。

 もちろん僕もフォローするけどね。

 彼女の頑張りに賛辞を。

 おわり。

遠足

 お出かけしてきた。

「不要不急・自粛」という言葉がニュースで飛び交うなか、その言葉に負けてしまわないように。

 もちろん最大限の注意をはらい、他者との接触がないお出かけプランである。

 実際のところは僕だけコンビニへ立ち寄ったので”彼女と息子が他者と接触しないプラン”となった。

 車で40分ほどドライブして、山奥にあるダム周辺の展望台やらお散歩道やらがあるスポットへ行くというもの。

 このダム、彼女と一番最初に遊んだ日に行ったところなのだ。

 どうして行き先がダムだったのかは全然覚えてないんだけれど、そこまで行った後にスシローに寄って帰った記憶が鮮明に残っている。

 思い出の地なのだ。

 観光地ってわけでもないから人も少ないだろうし、なにより密な空間ではない。

 この時期に気分転換として出かける先としてはぴったりというわけだ。

 一昨日から計画を立て、朝から彼女がせっせとおにぎりやおかずを作ってくれた。

 もうその時点で僕のわくわくは急上昇してた。お弁当持ってお出かけなんて楽しすぎる。

 お昼前に出発して、問題なく目的地へ到着した。

 本来なら少しお散歩をしたかったのだが、雨が降っていたので断念。お腹も空いたのでめちゃくちゃ楽しみにしていたお弁当を食べることにした。

 美味しいのよ。

 お出かけして食べるおにぎり。

 最高に幸せだった。

 彼女が作ってくれたお弁当を家族3人で出掛けて食べる。

 これ以上最高なことあるかねって感じ。

 3人でお弁当食べれたらそれはもっと最高かもしれないけどさ。

 とんとんちゃんが大人と同じものが食べられるようになったら、またお弁当を持ってお出かけしたいな。

 いや、その前にまたお出かけしたいな。

 世間が落ち着いたらゆっくりと。

 お弁当食べ終わって、記念写真を撮って、帰宅。

 まだとんとんちゃんは楽しいとかなかったかもしれないけど、でもきっとこういうお出かけが良い方向に作用すると思う。

 彼女にとっても良い気分転換になっていてくれたら嬉しい。

 本当に幸せな時間だった。

 彼女ととんとんちゃんがいてくれたら、こんな幸せをこれからもっとたくさん感じられるのだろう。

 楽しみで仕方ない。

 おわり。

ひとつき

 息子が産まれて約1ヶ月。

 彼女の実家でのんびり成長してる。

 毎日見てるから劇的な成長は感じられないけど、最初の頃の記憶と比較すると確実に大きくなってる。

 ずっしりした。

 まるくなった。

 最初から可愛かったけど、どんどん可愛くなっていってる。

 表情も増えた。

 ご満悦な顔から、眉をひそめた厳しい表情まで。

 ちょっとブサイクに見えるときもまた可愛い。

 先日、彼女の親戚の方々がとんとんちゃんを見に来てくれたのだが、抱っこされると笑顔を振りまいていて天才かと思った。

 この時期の笑顔は意図して出るものじゃないらしいけど、こんな絶妙なタイミングで笑えるなんて。

 サービス精神の塊か。

 みんなに可愛がられてほしいなあって思った。

 そうそう、最近なかなか寝ないことが増えたんだけど、それでも抱っこしてあげるとうとうとし始めるのが可愛いんだよね。

 布団に置くと起きてぎゃーって言いだすんだけどね。

 お父さんに抱っこされていると安心するのかいー?って思いながら抱っこしてる。

 仕事で疲れてても我が子の顔を見ると疲れが吹き飛ぶよ~ってよく聞くけど、確かにそれはある。

 疲れを忘れる。一瞬。

 しんどいものはしんどいのも確か。

 顔のどこが彼女似でどこが自分似なのかとか考えるけど、結局の所とんとんちゃんはとんとんちゃんとして可愛いので、どうでもいいやってなる。

 これからもっと意思がしっかりしてきて、いろんな可愛さを見せてくれるんだろう。

 いろんな所に行きたいし、いろんなことをやりたい。

 楽しみで仕方ない。

 彼女はだいぶとんとんちゃんからお母さんと認識してもらえてる感じがするので、お父さんも早く認識してもらいたい。

 声かな。

 お母さんの声にやっぱり一番反応するんだよね。

 あーふとももとかうでとかぷにぷにしたい~。あとほっぺね。

 明日も仕事終わったら抱っこしに行こう~。

 おわり。

誕生

 先日、待望の我が子が生まれた。

 元気な男の子。

 もう可愛くて可愛くて仕方ない。

 というわけで、誕生の前後の記録をここに簡易的に記しておこうと思う。

 忘れないようにね。

 彼女の陣痛が始まったっぽいってなったのが22日。

 前駆陣痛は数日前からあったからいつ本格化するかなって思ってたらついにやってきた。

 僕はあわあわしながら、落ち着け落ち着けと念じ、仕事から帰宅した。

 陣痛間隔はすでに10分を切っていて、病院への連絡基準を満たしていたので彼女に連絡してもらう。

 結果、陣痛間隔が5分を切ってきたらもう一度連絡をとのことだったので、その間に食事とお風呂を済ませることにした。

 作ってる余裕もなかったので急いでコンビニへ行って適当にいくつか買って帰り、もしゃもしゃ食べている間に陣痛間隔が短くなってきた。

 この間も僕はテンパらないように落ち着け落ち着けと念じていた。

 連絡する前にお風呂だけは入っておきたいってことで、ささっと入浴し病院へ連絡。

 やっと病院へ行けるようになったので、準備して出発。このときはまだ、家に帰されるかもね~って感じで割と気楽に出かけた。

 病院へ行くと早速診察。僕は待合スペース的なところでぼーっと待ってた。

 大体20時頃だったかな、診察時間は終わってるし、人がぜんぜんいないのでとっても静か。

 しばらくすると彼女と助産師さんが戻ってきて、まだ出産というイベントが始まったばかり!みたいな状態とのこと。入院もできるし一度帰ることもできるそうな。

 それを聞いたら、入院一択だよなって思った。彼女が帰りたいって言ったら別だけど、入院したほうが安心だよなあって。

 じゃあそうしようってことで、すでに用意されてた個室に通されて彼女はお腹に赤ちゃんの心拍数と陣痛の数値を図る機械を付けられた。この流れはとってもスムーズだったと記憶している。

  陣痛レベルが5になったら呼んでくださいという、初心者が判断できるのか分からない基準を残し、助産師さんは去っていった。

 陣痛にレベルがあるとするとこの時点では1。10段階らしく、それを聞いて彼女が絶望したのはもちろん、僕は僕でレベル10になったら彼女はどうなってしまうのだろうってめちゃくちゃ不安になった。真剣にスマホで「陣痛 死ぬ」って調べたよね。

 陣痛の痛みで失神くらいならあったけど、死んだってのは出てこなかったので一安心。

 ここから長い戦いが始まった(僕基準)

 とりあえず彼女のお母さんとお姉さんと僕の母に状況を連絡して、陣痛のレベルが上がるのをひたすら待つ。

 助産師さんは、部屋が狭いしソファが小さいので旦那さんは一旦帰ってもらって、また進んだら来ていただくでもいいですよ~って言ってたけど、苦しそうな彼女を置いて帰るという選択をする気は全くなかった。

 彼女にしてあげられることがただでさえめちゃくちゃ少ないのに、帰ってしまったらなーんにもできない。一緒にいたら声をかけたり背中をさすったり、陣痛の間隔記録したりしてあげられる。

 少しでも助けになりたかった。

 日付が変わってもあまり変化はなく、持久戦の様相を呈してきた。

 徐々に眠気が増し、まだきっと動きもないだろうという根拠のない予測をした僕は仮眠を取ることにした。

 なかなか眠れんな~って思ってたらいつの間にか寝てた。寝付き◎。

 のんびり寝ている僕だったが、彼女の苦しそうな声で目を覚ました。

 時間はだいたい4時すぎたくらいだったような。

 明らかに僕が寝てしまう前よりつらそうで、これは陣痛が進んだと見ていいのだろうなと思った。でもまだレベルで言えば3くらいかなあって思ってた。何度も言うけど基準がわからんのよ。

 1と10を知ってれば5がこれくらいってなんとなく分かるかもしれないけど、知らんのだもん。

 それからまたしばらく、つらそうな彼女の背中をさすりながら、どのタイミングで助産師さんを呼ぶべきかについて相談してた。

 ここ僕の記憶が定かじゃないんだけど、多分6時になったときに助産師さんが様子を見に来てくれた。それか僕らが呼んだかなんだけど、たしか呼んでないんじゃなかったかなあ。

 で、どれくらい進んだかチェックしてくれたんだけど、どうやらレベル5は超えてたっぽいんだよね。

 すごい進みましたね!頑張りましたね!もうちょっとだよ!って言ってくれて、いよいよ本格的に生まれるのか!?って身構えた。

 それでもレベルが8にならないと分娩フェーズには移れないらしくって、今よりも更に1段階痛くなったら呼んでくださいって言われた。

 彼女は痛みの大きさがいまいち分からないらしくって、痛いのは痛いんだけど、さっきより痛いかとか、どのくらい痛さが増したかの判断が難しいようだった。

 そこで、旦那さんが見て、奥さんの声が明らかに大きくなったら呼んでくださいというミッションを与えられることになってしまった。

 急に僕のさじ加減に任されることになって不安が溢れてきたけど、覚悟を決めた。もうこの状況、僕がやるしかないって。

 この助産師さんが来てから、体感では10分くらいの戦いだったんだけど、実際は40分くらいかな。彼女の声が明らかに大きくなって、痛がり方もひどくなった。おや、これはきたか!?って思って、一度落ち着いて様子を見て、2回目の波がきた瞬間にナースコール。

 僕としては最高のタイミングで呼んだんだけど、実際は助産師さんが確認するともう頭が出てこようとしている状態だった。最初のタイミングで呼べばよかった。

 急いで助産師さんが車椅子を用意してくれて、だだーっと分娩室へ移動。移動中にどうやら破水。

 分娩台によいしょー!って載せられる彼女を見てたら、赤ちゃんの後頭部が見えた。

 うわあああ産まれてきてるううって感動。

 ぐる~って頭が回転して顔が見えて、かおだああああって感動。

 彼女に、うまれたよ!!ちゃんとうまれたよ!げんきだよって言って、泣きそうになった。

 産まれそうってなってから実際に産まれるまでが早すぎて、助産師さんもバタバタ。

 僕のナースコールが遅かったせいかな?って思って反省したけど、どうやらめちゃくちゃすんなり出てきたから早かっただけで、遅すぎたってことはないみたいだった。

 もちろん彼女の方になにか問題があったわけでもなく、ただただ安産だった模様。

 確かになんの引っ掛かりもなく、とぅるんって感じで出てきてた。

 僕のイメージだと、分娩室に行ってからさらなる戦いが待っていて、頭が出てきたよー!もう少しだー!頑張ってー!だめだ!うまくでてこない!頭がひっかかってる!!みたいな感じだと思ってた。

 実際そういう人も多いはずだけど、彼女の場合は本当にあっという間だったので、分娩室での大変な思いをしなくて済んでよかった。

 僕の主観で言えば、彼女のお産が上手だったのもあると思うんだよね。助産師さんが言ってることをちゃんと実行できてて、いきみずぎずに、痛みと戦って上手にやってた。えらかった。

 産まれたばっかりの子を彼女が抱っこして記念撮影して、その後僕はまた待合スペース的なところに行って待っていてくださいと指示をうけ、ぼーっと待機。

 その間彼女は傷口の縫合を受けてたそうな。すぽーんって産まれたから傷が広い範囲にできてしまっていたんだと。縫われるのも怖いよねえ。

 それも一段落ついたらまた分娩室に呼ばれて、休憩中の彼女とお話して、朝食を食べさせてあげてってした。

 ふたりとも感動と興奮と疲れが入り混じってた。

 僕はとにかく彼女に頑張ってくれてありがとうってずっと思ってた。

 こんな大変な思いをして、元気な子を産んでくれてありがとうって。

 出産もそうだけど、妊娠がわかったときからずっと頑張ってくれてた。

 体調を崩していたときもあったし、少し元気になって仕事をしてくれてたときもあった。僕のお弁当を朝早起きして毎日作ってくれてたし、家事も頑張ってやってくれてた。

 体が変化していくことも、体調が悪くなることも、すべてのことが初めてで、不安や心配がものすごくたくさんあったと思う。

 責任とかプレッシャーもあったと思う。

 それをすべて乗り越えて、無事出産できて、お腹の中の赤ちゃんも頑張ったと思うけど、やっぱり彼女が一番頑張ってくれて、一番大変だったはずだ。

 だから本当に感謝してる。

 そしてよく頑張った!って思う。

 分娩室での休憩を終えて部屋に戻るので、先に旦那さんはお部屋へ行っててくださいと促され、彼女が来るのを待ってたけど全然来ない。

 まだかな~って思ってたら助産師さんが来て「ちょっと気分が悪くなっちゃったみたいなのでもう一度分娩室行ってください」と言うじゃないか。

 軽い感じで言ってるけど、軽いんだったら別に普通に部屋に来るよなあって思って、もっとなんか酷いことになってんじゃないのかと不安になって足早に分娩室へ向かった。

 すると彼女は分娩台で横になってて、寝起きみたいなふわふわした顔してた。

 朦朧としてるっていうのかなあの状態は。

 あとで彼女から聞いたけど、2回意識を失ったらしい。

 だからといって何か深刻な状態だったわけではなく、出産に伴った疲労とかホルモンバランスとかそのあたりの何かで、ふらっときちゃう人は多いみたい。

 安産で安心していたので、油断するんじゃねえぞと釘を刺された気分だった。誰かに。

 幸いしばらく休んでいたら回復してきたので、部屋に戻ることができた。

 ここで僕は一旦帰宅。

 彼女のご両親が面会に行く時間に合わせて僕も再度向かうことになったので、その前の時間で休憩と、必要なものの買い出しを済ませた。

 彼女のご両親と病院で合流。お祝いでお寿司を買ってきて頂いた。僕のことを気にかけてもらえて嬉しい。めちゃくちゃありがたい。

 赤ちゃんのことはここではとんとんちゃんと表記する。

 ご両親がとんとんちゃんを見て喜んでくれて、それを見てると僕も嬉しくて、幸せな気分だった。

 あ、このとき初めて抱っこした。上手にできなくてガチガチだった。下手なことをして何かあったらと思うと怖かったなあ。

 当たり前だけど彼女はまだ疲れてて、傷も痛いみたいだし、早く元気になるといいなあって願ってた。

 この日は彼女が夕飯を食べるのを見届け、それから僕の実家へ行って写真を見せてきた。

 翌日は仕事。職場で無事に産まれた報告をして、ぱぱっと仕事を終えて、面会に。

 出産から一日経った彼女は、なんだかすっきりした顔をしていて、とっても可愛かった。

 妊娠中のしんどそうな感じがなくなったから、すごくいい顔してるなって思った。

 傷が痛むからあんまり動けないみたいだったけど、それでも昨日よりも元気になってたから安心した。

 この日からとんとんちゃんも同室でずっと彼女と一緒。

 彼女の疲労が心配だった。ずーっと見てなきゃいけないのって、しんどいはずだから。そりゃあかわいくて癒やされるけどさ。

 その次の日は土曜。

 うちの両親を連れて面会に行く日。

 その前に抱っこひもを買いに行くので、うちの両親を誘ってみたらホクホク顔でついてきた。

 特に父がウキウキしてた。めずらしい。

 抱っこひもは彼女のお母さんからお金を頂いていたのでそれでありがたく購入。

 うちの母も抱っこひものお金を出してくれるつもりだったらしくて、買ってあげたい気持ちのやり場に困ってた。

 そしたら寝てるときにくるくる回るおもちゃ(名称が分からないなんとかメリーみたいなやつ)が視界に入ってきて、これほしいんじゃない?!ってキラキラした顔で言うわけ。

 確かに要るかもしれないけど、何種類かあってどれがいいかわからんしって思ってたら、すかさず店員さんがこれがおすすめですよ~~~~って言ってくるわけ。上手い。

 彼女に相談して、あったら使うだろうということで買ってもらうことにした。

 孫のためになにか買えることが最高に嬉しいらしくて、お金払うのが楽しそうだった。

 なにか買わせることが親孝行になるとは。

 父も、車のおもちゃ見ながらいずれこういうのを買ってあげるって言ってたし、とにかく孫という存在は二人にとってわくわくの対象らしい。

 買い物を終えて一度帰宅し、時間調整をしてから面会に。

 うちの両親は恐る恐るって感じで、ニコニコしながらおとなしくとんとんちゃんを見てた。

 父は抱っこするのは怖いって言って、母が抱っこしたけど、母もガチガチだった。そりゃあ数十年のブランクがあるから緊張するよね。

 ふたりとも嬉しそうだった。

 あんまり長居しても彼女が疲れちゃうのでと言いつつ1時間くらい滞在して、退室。

 帰りにやよい軒寄って家族水入らずで食事して帰った。

 とんとんちゃんという共通の話題ができたこと、孫が産まれて嬉しくて面会できてテンション上がっていること、この2つの効果で家族としての絆が深まった気がした。

 すごく楽しく食事できた。

 ありがとうとんとんちゃん。そして妻。

 それで今日も午後に面会に行った。

 その前に彼女の実家へ寄ってチャイルドシートを装備。最新式に比べるとちょっと劣るところはあるだろうけど、まあ多分大丈夫。

 買い物もして、彼女のところへ届けた。

 おむつ替えと、ミルクをあげるのをやらせてもらった。夢中でミルクを飲むのはめっちゃ可愛かった。

 しかし難しい。慣れだろうけど、難しかった。

 ビビらず積極的にやって覚えていきたい。

 彼女にやってもらわなきゃできないっていうことはなくしておきたい。

 ただでさえ彼女の負担が大きいのだから、彼女の代わりにやれることは全部完璧くらいになっておかねば、助けることができない。

 早急なレベルアップが必要である。

 出産の疲れからは脱しつつある彼女だけど、今度は育児の疲労がのしかかってくるわけで、僕にできることをどんどん探して楽にしてあげたい。

 以上がとんとんちゃん誕生前後の記録である。

 冒頭で簡易的にとか言ってた気がするけど、結構がっつり書いたね。

 これからきっとものすごく大変で、いろんなことが待ち受けていると思う。

 楽しいことや嬉しいことも、辛いことやうまく行かないこともいっぱいあると思う。

 でも彼女とならうまくやっていける。

 僕にとって彼女は、妻であり、当たり前だけど大切な人であり、そして最高の相棒だから。

 今までと同じように、これからも二人で力を合わせればどんな問題も解決できるはずだ。

 最後に、産後の彼女は一段と素敵になった。出産を頑張ってくれたことへの感謝もあってか、僕の彼女に対する愛情は更に深まったように思う。

 とんとんちゃんを抱っこしてたり、ミルクあげてたりする姿が素敵なんだよね。母親としてというよりも、妻として。僕の大切な人が赤ちゃんのお世話をしている~素敵~赤ちゃん可愛い~って感じ。

 産後ってお互いに愛情が薄れることがあるみたいなことを聞くけど、全然そんなことなくて安心した。

 これからもずっと仲良くやっていこうね。

 以上!

はぴば

 今日は僕の誕生日。

 しかし今年は非常に慌ただしいわけで。

 僕の人生史上一番自分の誕生日について考えなかった年だっただろう。

 彼女のお腹も大きくなって、行動に制限や負荷が掛かっている状態で、特別なにかお祝いをしてもらわなくても良いと思ってた。

 彼女も今年はなんにもあげられないし、何もしてあげられないって申し訳無さそうにしてた。

 全然構わなかったんだけどね。車を買ったタイミングでキーケースをプレゼントしてもらってたし。

 とりあえずせっかくの誕生日だし早く帰ってお祝いしようって思ってた。

 予想以上に仕事が早く終わり、ケーキ代わりのバームクーヘンを(昨日テレビ観てたら食べたくなったので)買って帰った。

 最近僕の大好物になっているナポリタンを彼女がせっせと作ってくれている間にふと、なにかいいもの入ってないかな~なにか飲もうかなあ~って冷蔵庫を覗いた。

 そしたら一番上の段に見慣れない何かが入ってることに気づいた。

「おー?これは…」

 そこまで言って僕は0.2秒くらいの間で凄まじく思考を駆け巡らせた。

 そこに入っていたのはどう見てもチーズケーキ。

 しかも彼女が手作りしてくれたやつ。

 あ、これ、内緒のやつだ。

 僕が見つけちゃいけないやつだ。

 やべえ。

 気づいた雰囲気出しちゃったし、知らんぷりできない。

 失敗したああああ。

 でもチーズケーキだー!!!!わーい!!!!

 振り向くと彼女がバレてしまったっていう顔でこっち見てた。

 見つけちゃって申し訳なかったけど嬉しかったので大喜びした。

 一番上の段にヨーグルトで隠しとけば見つからないと思ったんだって。

 身長の関係で僕からだとちょっと見えちゃうのよね。

 というか僕が気まぐれに冷蔵庫を開けなければサプライズ成功だったわけなんだけど、こういうことになっちゃうのね。普段開けないのよそんなに。

 チーズケーキ大好きだし、大喜びだったんだけど、彼女の予定を思いっきり崩してしまった。

 ケーキ作ってくれてるなんて思ってなかったから、びっくりだったんだよ。

 バームクーヘン買って帰るのは昨日から言ってたし、まさかね。

 彼女からするとチーズケーキ作るのがバレちゃうからバームクーヘンを止められなかったらしい。確かに。

 16日までもつから大丈夫。バームクーヘンはゆっくり食べよう。

 彼女のめっちゃ美味しいナポリタンを食べ、お腹がだいぶ膨れてたけど、チーズケーキはパクパク食べれられた。

 適度な甘さととろける食感。

 ちゃーんとチョコのプレートも用意してくれてあって、上手にHappy Birthdayって書いてあった。器用だよね。

 最高だった!!!

 お祝いしてもらえて嬉しい。

 特別なことはしなくていいって思っていたけれど、こういう風に僕のために頑張ってくれたんだって思うとすごく嬉しい。

 お腹重たくて、長時間立っているのだってしんどいはずの彼女。

 ましてや料理なんてすごく大変で疲れただろう。

 でも僕が喜ぶようにって頑張って作ってくれた。

 とっても嬉しい。ありがとう。

 すごく良い誕生日になった。

 またここから一年頑張って彼女と幸せな日々を送っていきたい。

 おわり。