かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

はらみ

 彼女はたまに、僕の実家へ単身で乗り込んでいってくれる。

 母が話相手もおらず、つまらない日常を送っていることは想像に難くない。

 だから、彼女が実家へ行ってくれると安心する。

 僕はなかなか顔を出せないし、行ったとしてもわりとさくっと帰ってくることが多い。

 両親の様子は気になるので、彼女から様子を聞けるのは嬉しい。

 彼女は実家のことをよく分かってくれているし、母とも仲良くやってくれている。

 本当にありがたい。

 母の相手を義務と感じてしまわないように、気が向いたときにだけ、適当に行ってもらえればいいと思っている。

 自分の家のような気持ちで。

 ろくでもない妻であれば、一人で実家へ行かせたら不安になるだろうけど、彼女ならなんの不安もない。

 仲良くやってくれると思っているし、なにかあればすぐに教えてくれると信頼している。

 母とケンカして帰ってくるなんてことはないだろう。

 最初、彼女は母のことを怖がっていたし、なんにしたって他人である二人がうまくやれることのほうが稀だと思っていた。

 イメージとして、嫁に「頼むから母さんと仲良くやってくれよ」なんて言っているダメな夫というのがある。

 僕はそんな風になるまいと思っていた。

 だから母と仲良くやってくれっていうのは絶対に言うまいと思っていたけど、そんな決意を実行するまでもなく、彼女は仲良くやってくれてる。

 夫の母親に対する妻の行動として、最高のレベルで色々やってくれてると思う。

 彼女でよかったなあって思う。

 もしも母と不仲だったら、僕が胃をキリキリさせながら色々気遣ってたらぶっ倒れる。

 こんなにうまくやれる人はあんまりいないと思うよ。

 彼女の気遣いのレベルの高さとか、教養とか、そういうのは昔から素晴らしいと思っていたし、信頼もしている。

 これからずっと一緒に人生を歩んでいくパートナーとして、彼女は最高の人物だと思う。

 僕の至らない所をカバーしてくれて、一緒に進んでいってくれる。

 彼女以外にそんなことできる人いない。

 本当に、彼女と出会えた僕は幸せものだ。

 はい、おわり!