かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

しょうがやき

 家に帰ったら彼女がダウンしてた。

 そこで僕は張り切って晩ごはんを作ることにした。

 きっとご飯を食べれば元気が出てくれると信じて。

 豚の生姜焼きが食べたかったから、簡単なレシピを探して作ってみた。

 あともやしを茹でて、冷蔵庫に眠っていたナスを焼いた。

 生姜焼きは、タレを色々混ぜて作っておいて、軽く焼いた豚肉に掛けて更に焼くだけ。

 難しさゼロ。

 ナスも同じようにタレを作っておいて、焼いたナスをそのタレにくぐらせて盛り付けるだけ。

 こちらも難しさゼロ。

 彼女は美味しいって褒めてくれて、もぐもぐご飯を食べてくれた。

 彼女よりも僕のほうがお料理上手なんじゃない?って言ってくれたけど、それはない。

 簡単なレシピを見つけるのは上手かもしれないけど、スキルはまったくない。

 でも彼女が喜んでくれるのは嬉しいので、もっともっといろんなものを作れるようになりたいなあと思う。

 美味しいものを作れば彼女を喜ばせられる。

 これはすごく単純なことで、努力次第でどうにでもなることだ。

 簡単でおいしいレシピを探して、作っていこう。

 彼女がレシピ教えてって言ってたのであとで自慢げに教えておこう。

 でも本当に簡単なレシピなので、教えたら彼女も余裕で美味しい生姜焼きが作れる。

 でも気付いたんだけど、自分で作った料理と、彼女が作ってくれた料理が全く同じ味付けだったとしても、彼女が作ってくれた料理のほうが美味しい。

 それは味付けとか料理方法とかスキルとかじゃなくて、彼女が作ってくれたということにおいしく感じる要素があるからだ。

 苦手なピーマンが美味しく食べられるのも、彼女が料理してくれてるから。

 彼女が作ってくれるから食べられる。

 ピーマンは苦手なんだよ。美味しくないはずなんだよ。でも美味しく食べられる。

 彼女の手料理マジック。

 不思議だ。

 そんな感じで、彼女も僕の料理を僕が作ったから、より美味しく感じてくれているとしたら嬉しいなあと思う。

 今度はナポリタンを作るのだ。

 おわり。