かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

連休ありがとう

 ある日の土曜日。

 僕らは休みを満喫しようと考えた。

 手始めにゆっくり眠ることにした。

 平日では味わうことのできない「余裕」というものを感じたかった。

 たとえいつもの時間に目が覚めてしまったとしても、再び眠りについてやろうと。

 しかし一つ問題がある。

 僕が美容院の予約を入れてしまっていたのだ。

 それも朝早くに。

 幸い、平日に比べれば一時間以上長く眠ることはできる。

 それで十分だと思うことにした。

 彼女を家に残し、僕は美容院へと車を走らせた。

 長く伸びすぎた髪は目に入り、邪魔くさい。

 第三者からも邪魔そうに見えるはずだ。

 少し早く到着してしまったが、快く招き入れてもらえた。

 こういうところが好きで気に入っている。

 あまり固まっていない要望を伝え、あとはおまかせで切ってもらう。

 僕のたいして面白くもない近況を、楽しそうに聞いてもらえるのが良い。

 せっかくなので、彼女が家事を頑張ってやってくれてることや、僕の母と仲良くやってくれていることを話しておいた。

 彼女のことを誰かに自慢できるのは気分がいい。

 一時間ほどでカットが終わり、そのまま家へと帰る。

 彼女は洗濯を済ませ、遅めの朝食作りに取り掛かっていた。

 具がたっぷりのサンドイッチ。

 見た目も良いし、味も良い。

 朝から慌ただしく動いたせいで、僕はがっつりテンションが下がっていた。

 こうなると厄介で、言葉を発することが億劫になってしまう。

 いかんいかんと自分を盛り上げて、食事を済ませた。

 次の予定は、彼女のおじいちゃんとおばあちゃんに会うこと。

 おじいちゃんは施設に入っているので、まずそちらへ向かった。

 正直なところ、僕は老人介護施設的なところがものすごく苦手だ。

 どうしても、どんよりとした重たい空気が流れているイメージが離れない。

 彼女のおじいちゃんがいるところは、すごくきれいで大きくて、設備も人も整っている素敵なところだった。

 だから嫌な感じはほとんどしなかった。

 ありがたい。

 彼女から聞いていたおじいちゃん像は、もうかなり弱っている状態だったけれども、僕からみたおじいちゃんは元気そうだった。

 以前と比べると今日は調子が良かったらしい。

 なんだかほっとした。

 そのままおばあちゃんのところにも行って、あいさつしてきた。

 僕の想像が良くなかったのか、おばあちゃんの状態も聞いていたより良くて、気楽に会うことができた。

 おじいちゃんもおばあちゃんも僕のことを歓迎してくれて、一安心。

 今日一番のイベントを済ませたらお腹が空いてきたので、コンビニでおにぎりを買って簡単な昼ごはんにした。

 こうやってコンビニごはんするのは、思い返せば結構ひさびさ。

 前はよくやったのにねえなんて言いながら食べた。

 それから買い物をして、がっつり食材を買い込み、一旦家に帰ってきて休憩。

 夕方ご飯を食べに実家へ行った。

 家に帰って一休憩したのがよかったか、いつもならぐったりするタイミングでも結構元気でいられた。

 夕飯後の買い物もわいわい行けた。

 買い物の最後にDVDを借りてきて、このあとゆっくり観る予定。

 夜更かししちゃう。

 休みの日にこうやってゆっくりできるのが最高に幸せだと思う。

 連休ありがとう。

 おしまい。