愚痴を聞く人
彼女はろ過装置である。
人の愚痴を聞いて、不満や怒りをろ過して、すっきりさせてあげる。
職場で何かと愚痴を聞かされるらしい。
みんな誰かしらに話をしたくて、たまたま彼女が選ばれてる、とは彼女の言葉だ。
しかし僕はもう少し意図的に選ばれてるんじゃないかなと思う。
彼女は愚痴を聞くのが上手だ。
前から相談を持ちかけられたり、愚痴を聞いてあげたりしてた。
きっと話を持ちかけやすい何かがある。
こちらの話をしっかり受け止めてくれること。
そしてこちらの主張を正しく理解してくれること。
そして的確な意見を出してくれること。
この辺りが、相手に伝わるのだと思う。
彼女に話せば楽になる、みたいな感じで。
心の濁りをろ過して貰えるわけだ。
彼女からすればいい迷惑という側面も少なからずあるだろう。
愚痴を聞くと疲れるし。
嫌な気分にもなるし。
好きな人の愚痴なら聞けるけど、嫌な人からの愚痴はしんどいだけで聞きたくない。
愚痴を聞くときは、共感力をすごく使う。
相手の気持ちになってあげなきゃいけない。
嫌いな人の気持ちになんてなりたくないよね。
でも職場ではそれをやらなきゃいけないわけで、とっても大変なことだ。
仕事自体が大変なのに、そんな余計な大変さも背負わなければならないのは可哀想だよね。
彼女の話を聞いてると、周りの人が愚か者過ぎて呆れる。
彼女のように人としてのレベルが高いと、こういう人たちの面倒も見なきゃいけないのだなぁ。
頑張ってる彼女はとってもえらい。
おわり。