かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

不思議な気持ち

 いまだに、誰かから彼女のことについて言われると不思議な気持ちになる。

 彼女とは友達以上恋人未満というような関係でいた期間がすごく長い。

 そこから僕らの関係は変わったわけだが、普段の生活において変化があるわけではない。

 今までと同じように一緒にいて、今までと同じように話をしている。

 恋人という関係になったんだな、って認識する出来事がそんなになかった。

 でも最近、例えば職場の人と話をしている時に、彼女は映画とか見ないの?とか、彼女はどこに住んでるんだっけ?とか、彼女について聞かれることがある。

 頻繁ではないけど、たまーに。

 そうすると、実感が湧く。

 周囲からも僕には彼女がいるって認識されてるんだなあって思う。

 何言ってるんだこいつって思うかもしれないけれど、本当にこんな感覚になる。

 僕が今までモテない人間で、彼女がいるということを周りに認識されて、会話の中で彼女のことを話すという経験が皆無だった。

 だからなんだか感動する。

 僕に彼女がいていいんだって。

 みんなちゃんと僕に彼女がいるって思ってくれてるんだって。

 彼女がたまに、僕のことを彼氏とか恋人と形容することがあって、その時はつい照れてしまう。

 なんていうんだろう。

 ずっと彼女の彼氏になりたかったから、その夢のような存在になれて、彼女がそう言ってくれることが嬉しいのだ。

 彼氏かぁうふふってなる。

 あとあれね、家を探しに行ったときも、指輪を見に行ったときも、当たり前だけど恋人だと認識してもらえるし、なんだったら夫婦みたいな扱いをしてもらえる。

 結婚式場を見に行ったときもそうだ。

 おめでとうございますとか言ってもらえる。

 普段、彼女が恋人なんだなあって考えることってないけど、こういう時に強烈に、恋人なんだなあって思う。

 じゃあ普段彼女のことを何だと思ってるんだって話なんだけど、大好きで大切な人だと思っている。

 ずっと一緒にいたい人だと思っている。

 これはもうずっと最初の頃から変わってない。

 結婚することになって、油断してるんじゃないかとか、さぼってるんじゃないかと彼女に言われることがある。

 確かに、彼女を何とかして恋人にしようとか、どんどん好きになってもらおうというガツガツした気持ちは最近引っ込んでしまっている。

 そういう必死さが失われていることは、彼女にとって物足りなさを感じる部分かもしれない。

 好きな気持ちは衰えてないし、大切に思う気持ちは増すばかりだ。

 それがうまく彼女に伝わらないときがあるのは気をつけなきゃなって思う。

 もうしばらくしたら、彼女が恋人だっていう状態にも慣れて、不思議な気持ちもしなくなるのかなあ。

 この不思議で新鮮な気持ちをなるべく忘れないようにしよう。

 おわり。