片付けルール

　僕は自分が物をあんまり捨てない人間だと思っているのだが、彼女はそれ以上に捨てない。

　普通、人が躊躇なく捨てるものも、僕や彼女にとっては捨てづらいものであったり、捨てたくないものであったりする。

　一般的感覚っていうのがどの程度かはよく分からんけどね。

　貰い物の包装紙とか捨てられんよね。

　お菓子が入ってた紙袋とか。

　彼女は服を買った時についてくるタグを捨てられないという。

　他にも捨てられないものについてしばし語り合った。

　彼女が捨てられないという気持ちはよく分かる。

　だが、僕と彼女とでは捨てられないものの境界線が違う。

　僕なら躊躇せずにぽいぽい捨てちゃうものも、彼女にとっては捨てにくいものというケースはたくさんあるだろう。

　これにより起こり得る問題として、僕がいらないと判断して捨てたものが、実は彼女にとっては捨てたくないものだったということ。

　彼女を悲しませるような結果になることだけは避けたい。

　明らかに捨てて良いものと僕が思っても正解かは分からない。

　そこで、ちょっと前に思いついた案がある。

　二段階ごみ捨て方式。

　ごみ箱とは別に、一時保管所のようなものを作れば良い。

　捨てて良いのかどうか聞かずとも、とりあえず僕が要らないと判断したものは、そこに入れておく。

　そして、もしも彼女がその中から捨てたくなかったものがあれば救出する。

　しばらく置いておいた後、救出されなかったものは本来のごみ箱へ捨てる。

　この流れにすれば、かなり上記の問題が起こりにくくなるのではないかなと思う。

　一時保管所をどこに作るのか、それがきちんと運用できるのかという問題はある。

　彼女がそこまでしなくてもいいよって言うかもしれない。

　とりあえずの案として、これはなかなかおもしろいんじゃないかなと思った。

　こういう感じで、問題になりそうな部分は考えて、いい案を出せればいいなと思う。

　お互いが楽できるような、そして楽しく過ごせるような仕組みを作って、幸せな生活を送りたい。

　なるべく物は取っておかないほうが片付くし、きれいだ。

　取っておいても使わないもの、見ないものっていっぱいある。

　そうは言っても、取っておくという行為は重要だ。

　片付けができない者の理論かも知れないが、捨てることは簡単だが取っておくことは難しいと思う。

　捨ててしまったものは取り戻すことも難しい。

　片付け問題は表面化しやすいものだと思う。

　ぱっとみて汚えってなるだろうし。

　そこをどうやって綺麗に保って、整理された生活空間を維持するか、僕と彼女の努力次第というところか。

　一休さんばりに知恵を絞って、楽しく、上手にやっていきたいね。

　おわり。