本質を見抜く

　彼女は人を見る目がある。

　観察眼があるとも言える。

　ちょっと会話しただけの人のことも見抜ける。

　彼女がこの間、一番最初の印象で、苦手とか嫌だって思った人は、たとえ途中でもしかしたら良い人かもって思うようなことがあっても、最終的には苦手とか嫌だっていう印象に戻るって言ってた。

　その時は、たしかにそうなるの多い気がするなあってなんとなく思ってた。

　でも普通って、最初は良い人だと思ったけど、実は嫌な人だったという経験が圧倒的に多いんじゃないかなって気づいた。

　僕は自称人を見る目がある人で、結構その人の本質を見れるって思っている。もしくは勘違いしている。

　嫌だなって思った人はやっぱり嫌な人のままってことはよくあるけど、良い人だと思ったら嫌な人だったっていう経験は結構ある。

　彼女の場合、良い人だと思ったら嫌な人だったというパターンは少なそう。

　言動とか、雰囲気とかで、その人の本質を見抜く。

　ズルそうな人だなとか、自分勝手な人だなとか、自分のこと大好きなんだろうなとか。

　もちろん、この人は悪い人じゃないなとか、気配りができる良い人だとかポジティブな面も見ることができる。

　ここ数日、初めて会う人と、比較的長い時間会話するっていう機会が多かった。

　彼女と一緒だったから、会話の後に今の人はどんな人だろうっていう意見交換をした。毎回。

　そうすると、大筋は僕の受けてた印象と一緒。

　なんとなく嫌だなあって感じることがあれば、彼女もそういう部分は受け取っている。

　良い人だなあって感じていると、彼女もあの人は良い人だって言う。

　こういう言い方をしていたから良い人だろうとか、こういう距離の詰め方をしてくるから、悪い印象を与えてしまうんだろうとか、考察部分においては、僕よりも圧倒的に読みが深い。

　僕が受けた印象と、彼女が受けた印象が一致すれば、おそらくそれは正解だろうって自信を持てる。

　彼女の人間観察スキルは相当高い。

　そう言えば彼女が、人の元気を吸い取る（持っていく）タイプって表現した人がいて、その表現めっちゃ的確！！って思ったのを思い出した。

　悪い人ではなかったけど、その人と会話した後すごく疲れて沈んでたから、そういうことかー！！ってなった。

　観察して受けた印象を言語化するのもうまい。

　彼女といると、周囲の人を観察しようっていう意識が生まれて、面白い。

　そのスキルの高さゆえ、僕が嘘をついても簡単に見抜かれてしまうだろう。

　嘘なんかつく予定ないけど、変な隠し事とかしないようにしなくっちゃ。

　おわり。