かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

大事なこと

 今日はみかんを収穫に行って来た。

 職場の人の紹介で、アルバイトとして。

 朝から夕方までがっつり働いて、背中と腕が痛い。

 おみやげでみかんを貰えるとのことだったので、彼女にあげよーって楽しみにしてた。

 みかんの収穫なんて初めてで、どんなものかなあと思ってたけど意外と楽しめた。

 身体は痛くなったけど、気持ち的にはまだまだやれそうな感じだった。

 仕事を終え、そそくさと家へ帰ってきた。

 彼女は今日予定があって、終わり次第うちへ寄ってくれることになっていた。

 夜遅くなりそうだったけど、今日はどうしても彼女に会いたかった。

 というのも実は昨日、彼女にとても大切な事を伝えようと思っていたのだけれど、都合により伝える時間が取れなかったから。

 今日はどうしても伝えなきゃと思ってた。

 どんどん先延ばし先延ばしになって、遅くなってしまうとよくない。

 かと言って焦るのもよくない。

 悩んだ結果の今日だった。

 何を伝えるかというと、結婚しようっていうこと。いわゆるプロポーズ。

 人生で一度しかないことだから、どうしたらいいか色々考えた。

 まず、場所。

 夜景の見えるレストランだとか、なにか特別な場所だとか。

 ただ僕は彼女に悟られてしまうのが嫌だった。

 たとえばいきなり高級なフレンチレストランとか行ったら、こいつ何か企んでるなってバレそうじゃんね。

 もうちょっと自然な感じで、背伸びせずにプロポーズしたいなっていうのが僕の考えだった。

 ネットで「プロポーズ 場所」とかいって検索したもんね。

 そこで出てきたのが、自宅。

 彼氏彼女の部屋でプロポーズされたっていうのも多いみたい。

 なるほどこれは最有力候補だなって思った。

 ただ、できれば特別感も出したいっていうのはあって、公園へ行って星空を見ながらでもいいなあとか考えてた。

 絶対にコンビニの駐車場に停めた車の中とかはダメだって思ってた。

 だって将来的に、どこでどんな風にプロポーズされたの?って聞かれる機会絶対ある。

 そんな時に、コンビニの駐車場でなんて言えないじゃんね。

 恥ずかしくないシチュエーションで言いたいなっていうのはずっと思っていた。

 あとはその時に渡すもの。

 本来婚約指輪でも渡すのが良いんだろうけど、あいにく指のサイズが分からない。デザインもわからないし、適当なものを買っていくわけにも行かない。

 でも何も無しで、結婚しようだけ言ってもだめだろう。

 そこで知恵を絞って、時計をあげることにした。

 文字盤の大きいおしゃれなやつ。

 大手のネット販売サイトでは、それが正規のブランドなのか偽物なのか区別がつかない。紛れている可能性はおおいにある。

 偽物が送られてきたなんていうレビューもあったし。

 記念品に偽物なんてもってのほかだ。

 そこで公式サイトから注文した。

 彼女が喜んでくれるかなあって考えるとワクワクする。 

 ただこのあいだも時計あげてるし、またかよってならないかの心配はあった。

 時計の準備は完了。

 時計は結局7日に届いて、それから僕はいつプロポーズしようかとずーっと頭を悩ませていた。

 言うタイミングである。

 昨日を目標にしていたのだけれど、予定が変更になって、伝えることができなかった。

 ならばもう今日言うしかないと思った。

 クリスマスとか待ってられない!

 準備は整った。

 彼女が家にやってきて、しばらく別の話をして、そろそろ言わなくちゃ言わなくちゃってずーっと考えてた。

 向かい合って座ったら、彼女が「なに?プロポーズしてくれるの?」って言った。

 今まさにそれを思っていた僕としては、いきなりめちゃくちゃ鋭いナイフで刺されたような感覚がした。

 やっぱり僕はどうしてもぐだぐだしちゃう。

 スマートに、かっこよく、結婚しようって言えるのが一番いいのは分かる。

 ただ、照れるし、改めて面と向かって言うのは気恥ずかしい。

 しばらーくグタグタした後「結婚しよう」って言えた。

 彼女の返事はYES。

 嬉しくて抱きついた。

 僕は部屋着、彼女は予定を済ませて帰ってきたところ。

 ムードは全然なかったと思う。

 でも、今日が良かったし、今日言えてよかった。

 そしてここでやっと時計の出番。

 この時計もどのタイミングで出せばいいのかって考えてたけどよく分からなかった。

 さっそく箱からだして、わぁおというようないい反応を貰えてかなり嬉しかった。

 取り出した時計を彼女の腕につけてあげた。

 時計を入れて、彼女とツーショットの写真を撮っておいた。

 この時、画面に映る彼女の顔が可愛すぎて、見てたらめちゃくちゃいい笑顔になった。

 幸せなやつである。

 それからさらっと僕のお母さんに報告して、彼女も家に帰ってからお姉さんとお母さんに報告してくれたみたい。

 またちゃんとご両親に挨拶をしに行かなきゃいけない。

 ぐだぐだしたし、上手なプロポーズとは言えなかったけど、僕にとってすごく思い出深いものになった。

 彼女にとっても、記憶に残る良い思い出となってくれてたらいいなあと思う。

 プロポーズを終えたけれども、いや、終えたからこそ、今後やらなきゃいけないことは山ほどある。

 さっき言った挨拶もそうだし、一緒に住むためのアパート探しもそう。

 何より僕たちが楽しく、幸せに過ごせるように、今頑張って土台を作っていきたいと思う。

 以上!