かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

おでんわ

 寝る前の電話が日課なんだけど、ここ数日、存続が危ぶまれていた。

 原因は機械的なトラブル。

 相手の声が途切れ途切れだったり、ヘッドセットが音声を拾ってくれなかったり。

 会話がままならなかった。

 電話をしてもストレスが溜まるだけ。

 電波の状態が悪いのはずっと問題としてあったのだけど、最近どうもそれだけじゃない不具合が出てて困ってた。

 彼女にあげたヘッドセットの調子がおかしい。

 このヘッドセットはあげた当初から、快適というわけではなくて、つながらないとか音が聞こえないとかあった。

 じゃあ不良品だったかというと、そうでもない。

 こういう癖のあるものだったんじゃないかなあと思う。

 今まで三年以上、毎日使っていたわけだから、むしろ十分頑張ってくれたほうである。

 そうは言っても、まともに通話できないと困る。

 毎日、もしもーしきこえるー?もしもーし!っていう会話から入るのがしんどい。

 そこで、イヤホンにマイクが付いてるものを彼女にあげた。

 Bluetoothという環境によって不安定になるものは排除し、物理的にイヤホン弱で繋げば安定するんじゃないかというひらめき。

 昨日、それを導入して初めて通話した。

 そしたら、すごく良い。

 声がきこえる!という感動。

 そして、通話品質が良い!という感動。

 彼女の声がクリアにきこえる。

 僕の声も前よりクリアに伝わっているっぽかった。

 ここ数日の会話したいのにできないという苦痛から開放されて、嬉しくて嬉しくて、ちょっと涙が出てきそうになった。

 ちゃんと通話できないのがつらかった。

 彼女の声がちゃんと聞こえるのがこんなに素晴らしいことだったのか!と感動して、テンションが上がった。

 声が聞こえなくなっちゃうかもしれない、自分の声が届いてないかもしれない、こんな不安が解消されて、昨日は安心して眠れた。

 彼女もそうだったんじゃないかなあ。

 昨日までは相当なストレスだったと思う。

 電話やめようっていう話も出ていたくらいだから。

 なんとかギリギリのところで改善案が提示できたので、よかった。

 墜落寸前で持ち直して浮上した気分だ。

 毎日の電話は欠かしたくないんだよね。

 なにも話すことがなくても、声を聞きながら布団に潜り込んで眠るっていうのはすごく大切なことだと思う。

 ちゃんと声が聞こえるから、今日も電話できるのが楽しみだ。

 おわり。