かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

BBQ

 思っていたより早くに目が覚めた僕に、彼女から連絡が来た。

 おはようって。

 そしてその後に、ばーべきゅーくる?っていう質問が飛んできた。

 このバーベキューとは、彼女の家で開催される、家族の団欒としてのバーベキューである。

 昨日から、これがあることは知っていたけど、まさか誘ってもらえるとは思ってもいなかった。

 楽しそうだなあ行きたいなあとは思ってたけど、さすがにご家族の意向もあるだろうし、他人である僕が参加したい!っていうのもおかしな話かなと思ってた。

 どうやら、彼女のお母さんが呼べば?って言ってくれたらしい。

 願ってもないお誘いなので、いくいくー!って言ってるんるんで支度した。

 彼女のお父さんが、僕にお酒飲ませたいっぽかったので、彼女が迎えに来てくれることになった。

 普段は全然お酒飲みたいと思わないし、お酒を飲む場っていうのも好きじゃないんだけど、なぜか今日は飲んでもいいなっていう気分になってた。

 ありがたく彼女の好意に甘えて、迎えに来てもらった。

 彼女の家へ向かう前に、雑貨屋さんを冷やかし、本屋さんへ行って本を買い、その後郵便局へ行ってどんぐりくんへ手紙を出した。

 それから彼女のお姉さんリクエストのお菓子を手土産として持って行こうってことでお菓子屋さんへも立ち寄った。

 お菓子屋さんに行くと、色んな物が食べたくなっちゃう。これおいしいかな!これもおいしそう!!ってテンションが上がる。

 手土産と、僕らが今からこっそり食べるお菓子を買った。

 間食しないようになんて思ってたけど、目の前に素敵なお菓子があると、そんなこと頭に浮かんで来すらしない。食べたい!!ってなっちゃう。

 コンビニでお茶を買い、お菓子を食べてから、彼女の家へと向かった。

 ちなみにこっそり食べたお菓子はめちゃくちゃ美味しかった。また彼女を誘ってここに買い物に来たいって思った。

 彼女の家は全体的に、コミュ力が高いので、コミュ力低めな僕がやってきても問題なく会話ができる。

 過剰にこちらを気にしてくれている感じもないので、気楽でいられるというのもある。

 彼女の家にやってきて思ったのが、結構くつろげちゃう!っていうこと。

 僕の家に彼女がやってきた時に、彼女が自分の家かのようにくつろいでいたので、そうできるのってすごく良いなあって思ってた。必要以上に気を遣わずにくつろげるのが、もっとも素晴らしい。

 彼女特有のスキルだと思ってたら、僕もわりとくつろげた。

 そんな僕を見てか、彼女が何度か、馴染んでるねって言ってくれた。

 コミュニケーション能力が低いって自分で思っているから、褒められたみたいで嬉しかった。彼女にそんなつもりはなかったろうけどね。

 僕が来た時、ちょうど、みずまんじゅうくん御一行は出掛けてた。

 しばらくリビングで自分の家のようにくつろいでいると帰ってきた。

 みずまんじゅうくんは、僕に慣れてきてくれたとはいえ、恥ずかしがったり嫌がったりするだろうなあと思ってた。

 しかし、ただいまーって帰ってきたみずまんじゅうくんは、僕の方をちらっと見て「あぁいるんだ」くらいの感じで走り抜けていった。全く嫌がられなかった。恥ずかしがってもいなかった。

 あれ?いつの間に?ってなった。存在を普通に受け入れて貰えるとは思ってなかった。

 よく分からんけど、今日は最初から嫌がられずに仲良く出来てた。

 バーベキューが始まると、彼女のお父さんがせっせと焼いてくれて、他のみんなは焼き上がりを待ってるっていう状態だった。

 彼女に確認すると、これが通常状態だという。

 僕が持ってたバーベキューイメージというのは、みんなでわいわい言いながら好き勝手に焼いていくって感じだった。協力してやっていくみたいな。

 みんな僕に気を遣ってくれて、またその思いやりとかが、過剰じゃないので居心地も悪くならない。

 みずまんじゅうくんとは本当にいつの間にか仲良しになってた。 

 会話ができるし(みずまんじゅうくんの用いる言語は少し難解だから彼女のアシストが必要になること多し)僕が近くにいても嫌がらないし逃げ出さない。

 どさくさに紛れて抱っこしたけど、嫌がられなかった。

 すげえ!ってなった。

 僕がいることが、みずまんじゅうくんの中で、わりと普通のことになってきたのかなと思う。

 何かものをくれる変なおじさんが、今日もお家に来てるなあくらいの認識なのかなって。仕事帰りに寄って、みずまんじゅうくんともよく会ってるからね。

 毎日の積み重ねで、慣れてくれたのかな。

 途中足りないものを彼女と買い出しに行って、どう?って心配してくれる彼女に、楽しい!って言ってた。

 この時僕は少しお酒が回ってきてて、思考力がかなり落ちてた。

 ごきげんだった。

 二人で買い物行けるのも楽しくて、るんるんしてた。

 この時に、彼女のお父さんが一人で焼いてるスタイルについて、こういうものなの?と彼女に聞いてみたら、そうだよって返事が帰ってきた。

 買い出しを終え、彼女がお姉さんに「(僕)くんがお父さん一人が焼いてるけどいいの?」っていう疑問を持ってたっていう話をしてた。

 そしたら、お姉さんから「手伝ってあげて」、「きっと一緒にやりたいんだよ、無理にやらなくていいけど」というお言葉を頂けた。

 下手に手伝うと邪魔かなあという不安はあったけど、勇気を出して焼くのを手伝った。

 結果なんも問題は起こらずに、普通に手伝えた。

 お父さんが喜んでくれたかは分からないけど、焼くのは非常に楽しかった。

 彼女はこのくらいになるとちょっと飽きてきたらしく、僕に楽しい?って何度も聞いてきた。楽しめてないのかなあと心配してたら、これでも普段の3倍くらい楽しんだって言ってて安心した。

 マシュマロを焼くのも、楽しかったなあ。みんなの分を作る係になってた。

 バーベキュー終えて、お腹はぽんぽこりんで、早起きしたからか身体が重たくて、横になりたい衝動に駆られてた。

 でもそんなことしている場合じゃない。お片づけを手伝った。

 みずまんじゅうくんに手伝ってー!って言ってテーブルを一緒に運んだり、食器やらなにやらを片付けたりした。

 一生懸命手伝ったり、得意げに片付けしたよーって報告してるみずまんじゅうくんを見てると、本当に幸せな気分になる。

 ももまんじゅうちゃんも、だいぶ泣いててご機嫌斜めだった時間が多かったけど、一回はいはいで僕のところまで笑顔でやってきてくれて、これは嬉しかった。

 片付けもほとんど終わって、再度家の中にお邪魔して、しばらくくつろいだ。

 みずまんじゅうくんがおもちゃを出してきたので、一緒になって遊んだ。手土産で買ってきたお菓子も食べた。

 みずまんじゅうくんがお風呂に入るというので、出るまで待たせてもらって、出てきたらばいばーいって帰ろうと思ってた。

 しかし、みずまんじゅうくん、お風呂入ってて寝ちゃったらしい。

 お昼寝あんまりしてなかったのと、今日はずーっとはしゃいで歩きまわってたからそれで疲れたのだろう。

 寝顔も可愛かった。

 明日帰ってしまうらしいので、今日すごくいいタイミングで会えてとってもよかった。より仲良くなれたとおもう。

 彼女の家は居心地が良くて、毎日いてもいいなあって思うくらいだった。

 変に気を遣わなくていいし、みんな優しいし、とても気に入った。

 彼女は何度も楽しい?楽しかった?と確認してくれて、その都度楽しいよ!って返してたけど、本当にその通り。嘘偽りなし。

 帰ります~っていうタイミングで、みずまんじゅうくんのお父さんから、お土産を貰った。

 遠いところへ出張してたらしくって、わざわざ僕のために買ってきてくれたようだった。

 とーっても嬉しかった。なんていうのかな、僕がお土産をあげる相手として相応しいって思ってもらえてる感じかな。それが嬉しかった。

 彼女に送ってもらいながら、寄り道して、本とか雑誌を見た。

 僕は一冊漫画を買って、彼女は小学六年生の面積の計算の問題集みたいなのを買った。急に勉強したくなったらしい。その発想が面白いよね。 

 くたびれた二人は眠いし帰ろう!ってことで家まで送ってもらって解散。

 本当に今日は楽しい一日だった。

 みずまんじゅうくんと長いこと一緒にいて、お話したり一緒にあそんだりできたのが嬉しかった。

 バーベキューってあんまりやったことないし、こういう場ではこうするっていうのがよく分かってなかったけど、ちょっとだけお手伝いもできたし、すごく楽しかった。

 彼女の家族っていうのがあるからなのか、本当に居心地良かった。面白い。

 またぜひとも遊びに行かせて頂きたいなと思う。

 楽しかった!