かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

有能ぽいんと

 彼女の考えの深さっていうのは素晴らしいと思っている。

 僕は浅はかで薄っぺらい人間だ。無駄に楽観的で、行き当たりばったりなときも多い。

 そんな自分と彼女を比較した時に、彼女は僕よりも、二手三手先のことを考えている。

 例えば何か問題が起きた時に、それに対する改善案っていうものを考えるよね。

 歩く時にいっつもつまずく段差があるという問題があったら、じゃあ段差をなくそう!って斜面を作るのが僕。それで段差がなくなったので大成功!って満足して終わり。

 彼女は、斜面を作って段差をなくすことも考えるだろうし、もしかしたら床を底上げして、段差という概念を消し去るかもしれない。なんパターンかの改善案を考え出す。しかも最善な案かどうかを終始考えている。

 最終的に案を実行してうまく行っても、そこで満足して終わりにはしない。

 これから先に起こりうる問題についてなんかも考えている。

 だから、また関連した問題にぶち当たった際に、僕と彼女では初動の早さが異なる。事前に色んな可能性について考えておいた彼女のほうが、早く、なおかつ的確に問題に対応できる。

 僕が彼女を怒らせちゃった時とかもそうだ。

 彼女がどうして怒ったかを一生懸命考えて、これが悪かったかな、あれが悪かったかなって原因を導き出す。

 そうして謝ると、大抵少しずれたことを言ってるらしい。

 彼女が怒っているポイントっていうのは少し掘り下げた深い部分にある。

 僕は表面上の問題にしか思考がいかないので、噛み合わなくなってしまうのだ。

 彼女からヒントをもらいながら、時間を掛けて考えていると、やっと彼女の言わんとしていることが理解できる。

 思考の速度の問題もある。僕自身そこまで遅いとは思わないんだけど、彼女と比較すると明らかに遅い。

 彼女が幾つかの可能性について思い至るまでに、僕は一個か二個しか思い浮かばないんじゃないかなって思う。

 だから僕が、あれやこれやと考えて謝ってるのは、彼女からすると「大事なことに気づいてないなこいつ」とか「そういう低次元の話してるんじゃないんだよ」と思うことが多々あるはず。

 僕が考えることなんて、彼女が既に考えきったことだったりするわけだ。

 彼女からすれば、僕の考えてることなんて全部まるっとお見通しなんだと思う。

 僕の言いそうなこと、考えそうなこと、やりそうなこと、大抵予測されている。

 そういう部分まで深く考えてるってことなんだよね。

 彼女には敵わないなあって思う。

 こっそりプレゼントを用意して持って行っても、この思考が読まれていて、プレゼント持ってくることもバレてるんじゃないかって不安になることとかあるもんね。

 実際、事前にヒントが少しでも出ていると、プレゼントはバレる。

 僕が知る限り、彼女ほど物事について深く考えて考察している人はいない。

 この辺の考えている部分っていうのが、やっぱり日々の落ち着きとか安心感につながっているんじゃないかな。

 彼女の有能ポイントである。