かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

センスと才能

 彼女は才能に溢れている。

 彼女自身そうは思っていないようで、今も自信喪失気味らしい。

 僕が思うに、彼女は器用だ。

 大抵のことをそつなくこなせる。そうでない部分もあるんだけど、苦手さとかを感じさせないように立ちまわることができる。

 だからといって器用貧乏にはなっていない。

 なんでもこなせるから、特別目立つような良い所がないというわけではない。

 彼女の場合はセンスの面で突出した才能を持っている。

 センスっていうのはなかなか形として見えるものではないので、説明がしづらい。

 百メートルを十秒切るくらいで走れますっていうほうが分かりやすい。バカでも分かる。

 彼女のセンスっていうのはすべての部分において発揮されている。

 例えば、相手の心の機微を感じるセンスとか。

 普通の人が一生懸命気を遣ったり配ったりして、把握できる情報と、彼女が把握できる情報っていうのは大きな差がある。

 提示されている情報から、効果的な情報を抜き出すことができるのだ。

 目の前の人が不機嫌だったら、どうして不機嫌なのか、どうやったら機嫌が良くなるのか、という情報を上手に導き出せる。

 会話をしていて、どんな話がウケるのか、どんな反応をしたら盛り上がるのか、というようなことも、感じ取る力が優れている。

 それによって面白い話ができるし、その場に適した効果的な発言もできる。

 今何をすれば良いのか、どう振る舞えばいいのか、ということが分かっている。

 だからこそ、なんでもそつなくこなすってことができる。

 もっと分かりやすいセンスの良さといえば、服装のセンスが良いとか、持っているもののセンスが良いとか、物を選ぶ時のセンスが良いとか、そういう部分のセンスも素晴らしい。

 何かを創作するときも、やっぱり彼女にしか出せない味があって、それを見るとセンスがあるなあって感じる。

 似顔絵にしても、ちょっとしたキャラクターの落書きにしても、手作りの雑貨にしても、そこら辺の人とは違うものを作り上げられる。

 最近良く作ってくれるお菓子なんかもそうだよね。

 同じレシピを見て作っているはずなのに出来上がりに差がでるってことがあると思うけど、あれも作っている人のセンスの差なんじゃないかと思う。

 その部分でも彼女のセンスってのは発揮されてて、お菓子作り上手にできてる。失敗することもあるけど、それはセンスがないというより、単純な経験値の差だと思う。

 センスについて書いてたら、そもそもセンスってなんだろうって思い始めたので調べてみた。

「物事の微妙な感じをさとる心の動き。微妙な感覚」と書いてあった。

 まさにこれ。

 この微妙な感じをさとる力、そこらの人の何倍かある。

 みんなが気付かないことに気付く。他の人ができない配慮ができる。

 多くのことが見えすぎてしまうっていうデメリットはあるけれど、やっぱりこれが彼女の素晴らしい部分である。

 センスがあるって漠然としてて、軽い言葉のようだけど、彼女の持つセンスというのは、ものすごく価値のあるものだ。誰にも真似できない。

 彼女の魅力の大本な気がする。