ねこくっきー
彼女が仕事終わりに家まで来てくれた。
職場から僕の家までは、普通に彼女が自宅に帰るまでの距離の3~4倍程ある。
それだけでもいかに彼女が苦労して来てくれているかが分かる。
加えて彼女は、道を覚えるのが苦手だ。
今日も、迷子になって僕の家を通りすぎて引き返して来たらしい。
母に「迎えに来てもらったけど、迷子になったらしい」と言うと、怪訝そうな顔をしていた。なんで?って言ってた。
彼女は既に何回か、我が家にたどり着いている。
一回か二回、無事に到着していれば、もう大丈夫と思うのが一般的な感覚だろう。母の怪訝そうな顔も理解できる。
しばらく考えて、母はこう言った。
「暗いし、団地だから分かりにくいもんね」
そう、田舎だから全体的に暗い。目印になるような建物もない。電気の消えた民家があるくらいなもの。
そしてこの辺りは住宅街なので、似たような家の並びがいくつか続いている。これも分かりにくさに拍車をかけている。
たどり着くための難易度は高めだ。
別方向から来てもらえばよかったんじゃない?と母は言っていたけど、それはそれで彼女を混乱させることになりかねない。
特に今日の彼女はかなりお疲れで、注意力とか思考力というものが普段よりも低下していたのだと思う。それによって、曲がるべきタイミングを逃してしまう結果となった。
迷子になって、よく修正して家に辿りつけたなあと思った。
これは決して馬鹿にしている意味ではなく、進めば進むほど分かりにくくなっていく場所なので、気付いたらここどこ?っていう状態になってもおかしくなかったと思うのだ。
街灯がぽつぽつあるくらいで、本当に暗いしね。
そんな中頑張って来てくれたことに非常に感謝している。
彼女のおねえさんから僕におみやげがあって、それを届けてくれた。
みずまんじゅうくんがお世話になっているからってことで用意してくれたんだそうな。
すっごく嬉しい。みずまんじゅうくんを中心とした輪の中に組み込んでもらえたような感じがして、単におみやげを貰えた嬉しさとはまた違う、別次元の嬉しさがあった。
とってもかわいい猫のクッキー。僕が犬好きだから、犬クッキーも探してくれたそうだ。でもなかったんだって。そんな風に考えてもらえたのも、とっても嬉しい。
そうそう、今みずまんじゅうくんとももまんじゅうちゃんが彼女の家にやってきているそうだ。昨日からだったかな。
また動画やら写真やらがたくさん見れるのかなあとわくわくしている。
わざわざ会いに来てもらえて、おみやげももらえて、非常に嬉しかった。
この一週間をまた頑張って乗り切っていくための元気を貰えた。
いつも彼女に助けてもらっているので、何かの形でまたお返しをしなくっちゃ。
とっても感謝している。
以上!