かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

先入観

 彼女は動物が好きだ。

 猫派か犬派かというと犬派。

 彼女は、現代の猫ブームに苦言を呈している。

 巷に溢れかえった猫グッズ。猫をモチーフにしたキャラクターたち。

 なんでもかんでも猫にすればいいってもんじゃないと。

 犬グッズを出せと。

 僕も同意見である。

 ただし、猫グッズの中にも気に入るものっていうのはある。

 そういう時、ちょっと負けた気がするんだけど、いいものはいいって感じで受け入れる。

 彼女の良い所の一つに「先入観で凝り固まらない」というのがある。

 今述べたように、猫グッズを受け入れがたいという気持ちを持っているけれども、良い物はきちんと、良いと認められる。

 頭の硬い人とか、悪い人っていうのは、先入観で全てを見る。

 初めて見る食べ物があったとする。それがおいしくなさそうって思ってしまったら、手に取ろうとすらしない。本当は美味しくって、すごく気にいるのかもしれないのに、その機会を自ら放棄してしまう。

 彼女はそもそも先入観というものを持たない。おそらく、それに縛られるのは愚かなことだと理解しているから。

 だからこそ「猫」という要素で思考停止せずに、良いか悪いかをきちんと判断できる。浅はかな人は「猫」っていうだけで拒否反応を示す人もいるだろう。

 いかにも仕事ができなそうな人間を見た時もそうだ。あぁこいつダメそうだなあって思っても、評価はまっさらな状態からしてあげられる。普通の人だったらマイナス状態から評価を始める。

 この「先入観で凝り固まらない」というのは意識してやろうと思っても、そう簡単にできることではない。

 やる前からできないって諦めてしまうのも先入観のせいだし、この人に話しても意味が無い、みたいに決めつけてしまうのも先入観のせいだ。

 もちろん、すべてのものに対して先入観を持たないというのは無理な話。

 彼女にだって弱点はある。

 電化製品とか機械に関する苦手意識はどうしても拭えない。

 でも、対人に関してとか、エンターテイメントに関してとか、先入観を持たずに受け入れることができるのは確かだ。身近で接してきて、それはすごく思う。

 とても尊敬できる部分だ。

 先入観で自分の可能性を狭めてしまうというのはとてももったいない。

 素晴らしいお手本として、彼女を見習っていきたいなと思う。