かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

不憫

 座敷わらし事件とチンピラ口軽事件。

 あらすじ。

「座敷わらしが仕事中に前髪を切るという行為×2」により、彼女は長年面倒を見ていた座敷わらしを見放した。座敷わらしは事態の深刻さに気づいていないが…?

 仕事を辞めたいと上司(チンピラ)に申し出た彼女。具体的な話もしていたけれど、その情報は外に漏らすなとチンピラに念押ししていたのだが…

 本編。

 彼女は、職場を去る決意をしてからしばらく、後進の育成というものに意識を向けていた。自分が抜けたあと、仕事を任せられる人材が存在しない。その代わり最低限のレベルもこなせないようなゴミが複数存在する。

 この状況はかなり良くない。

 だからこそ彼女は、座敷わらしを成長させたい、今のままでは困ると思っていた。

 その一環として、先日、彼女は座敷わらしに最後のお説教をした。

 これで何か気付いてくれれば、という思いがあったみたいだけど、見事に空振り。座敷わらしには一ミリも彼女の真意は届いていない。

 むしろ、彼女に怒られる自分かわいそう、怒ってくるから怖いという、被害者意識になっていたことが判明。

 彼女がやったこをが理解されていないだけではなく、プラスに作用するどころかマイナスになっていたことが、とてつもなく大きなショックだったようだ。

 これにより、彼女が座敷わらしのために割いた時間、心を砕いた時間というのが完全なる無駄になってしまった。

 彼女からは怒りとか悲しみとか、つらさがいっぱい溢れ出たと思う。

 それが昨日の話。

 そして今日、彼女が辞めるって言う話がいつの間にか大きな話になってしまっていたらしい。

 彼女は誰にもまだ伝わっていないと思っていた。だから辞める日のなるべく近くでみんなに言おうって思ってたらしい。

 しかし、情報を漏らすなと念押ししたチンピラがやらかしていた。

 彼女は相当悲しくて泣きたくなったらしい。

 彼女がつらかったのはなぜか。

 彼女は、自分が辞めるという情報をできるだけ表に出さないようにしていた。しかし実際はみんな知っていた。

 まだ言わないでおこうと思っていたのに、自動的に広まるのは全く嬉しくないよね。勝手にしやがってと。むかつくと思う。

 そうすると更に一つの問題が起こる。

 彼女は誰も自分が辞めることを知らないって思っている。

 周囲は彼女が仕事を辞めることを知っている。

 そうすると彼女は、みんなが知っていることを知らずに隠そうとしていたマヌケみたいになっちゃうってこと。

 くまもんが最近優しかったらしいのだが、もしかしたら辞めるのを知っていたから優しくしていたのでは、と彼女が言ってた。最悪って言ってた。こんなの屈辱だよね。

 確かにそうだとしたら凄く嫌だろう。

 あんなに念押ししたのに、彼女が辞めることをペロッと言っちゃうチンピラが糞馬鹿。

 彼女が不憫でならない。

 座敷わらしの件もそう。

 彼女がどれだけ苦労したか、座敷わらしのためにどれだけ頑張ったかを直接伝えたって伝わらない。

 「私の為を思って言ってくれてるのは分かるけど、私はそれを受け止めきれるほど精神的に強くないんですぅ」とかぬかす。

 何を言ってもダメ。

 理解しようとしてない。

 彼女が使った時間を返せ!

 立て続けに嫌なことというか、ショックが大きいことがありすぎて、かわいそうでたまらない。

 ほんとに今の彼女の職場くそ!!