最終出勤
約三年半いたこの職場とも今日でお別れ。
今の職場に異動してきて、特に苦労もせず、すんなり受け入れてもらえたのは、彼女のおかげだなって思っている。彼女がいなかったら大変だっただろう。
最初の頃、彼女と仕事終わりにずっと駐車場で話をしていたっけなーって思い出す。
人見知りの僕が、彼女とは最初から仲良くできてた。具体的にどんな内容の話をしたかはあんまり覚えてないけど、とにかく楽しかった。僕が持っている仕事に対する意識と、彼女の持っている意識が似ていて、すごく嬉しかったのを覚えてる。
彼女はずっと、評価されない不遇の時期を過ごしていた。それでも彼女は一人で頑張っていた。理解者がいないような状況でも、ずっと努力してた。
僕はそこから彼女を救い出してあげたかった。
正当に評価されるようにしてあげたかったし、彼女の負担を僕が半分受け持って、軽くしてあげたかった。
仕事の面だけじゃなくて、彼女の心も支えてあげたいなって思ってた。
それからはずっと、僕の中心に彼女がいた。
職場での思い出を振り返ろうって思っても、彼女との思い出ばっかり出てくる。
彼女をめちゃくちゃ怒らせてしまったことが何回も。
彼女と楽しく仕事をした思い出は数えきれないほど。
一緒に協力して、何かを作ったり、考えたり。
他の人達も交えて楽しくおしゃべりしたり。
僕の人生がこんなにも、楽しく幸せなものになったのは全て彼女のおかげだ。
たくさん迷惑を掛けたと思う。僕の仕事が雑で、尻拭いをさせてしまったこともたくさんある。僕が頼りないばっかりに、彼女に無理をさせたり、やりたくないことをやらせてしまったこともたくさんある。
彼女を助けてあげたいって思ってやってたのに、逆に助けてもらってた。
彼女が色紙を用意してくれて、そこに職場のみんながコメントを書いてくれた。彼女からのコメントもあって「救ってくれて本当にありがとう」って書かれてた。そう思ってくれているのが本当に嬉しい。
彼女のためにって思ってやってきたことが、自己満足ではなく、きちんと彼女のためになってたってことだ。僕の努力を彼女がちゃんと受け止めてくれたおかげだね。嬉しい。
彼女のおかげで、親交が深まった人たちがたくさんいる。関わりを大切にしていきたいと思える人たちがたくさんできた。
元々僕が知り合いだったブッダさんやだるまさんは、彼女を通じて更に仲良くなった。彼女がいなかったらご飯を食べに行くことすらなかったんじゃないかなって思う。
女神様と今でも交友があるのも、彼女のおかげだ。
彼女の友達とも一緒に遊ぶ機会を作ってもらえて、交友関係が広がった。
この三年で、僕はすごく成長できた。見えている世界も広がった。
彼女に出会えて本当によかった。いくら感謝しても足りないくらい、たくさんのものを貰った。僕はとっても幸せ者だと思う。
これから一緒に仕事をするってことがなくなるのはとっても寂しい。
彼女を今の職場に残していくのも心配だ。ダメな奴らばっかりで、彼女がしんどいのは明らかだから。
一緒に働くことはできなくなるけど、彼女の側にいて支える努力はしていく。
僕と彼女の繋がりは、もはや仕事だけではないから。
これから先も、彼女と一緒に歩んでいきたい。