かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

初対面

 今日、母を連れて職場へ赴いた。

 以前にも一緒に来たことがあるんだけど、かなーり久々。近くまで来たので寄ってみた。

 彼女が仕事をしているはずで、どこにいるのかなーって思いながら母と職場を回る。

 しばらくすると彼女の声が聞こえて、いたいた!って嬉しくなった。

 母が一緒にいるので、すぐには彼女の元へと向かえず、少しずつ近づいていった。

 僕はあまり職場のことを母に話さない。嫌なお客さんがいたとか、上司がクソだとかたまには話すけどね。彼女のことも存在は知っているけど、見たことはない。どんな反応をするかなーって少しどきどきした。

 彼女がどんなリアクションをするかなってのも気になった。

 職場へ向かう前、僕が母と出掛けていることを知った彼女が「お母さんと買い物にくればいいじゃん」って言ってくれていた。寄るよ!って連絡はしたものの、それを彼女が確認する前に到着していたので、びっくりさせるかなーって思ってた。きっと彼女も、そうは言ったものの、本当にすぐ来るとは思ってなかっただろうし。

 彼女は近づいてきた僕に気付くと、おーいって手を振ってくれた。いつも通りのいい笑顔だった。なんで来たんだよって思われなくて良かったって思った。隣りにいる母にも気付いて会釈をしてくれたんだけど、うちの母は自分の存在を悟られまいとコソコソしてて気づいてなかった。

 更に近づいていって、彼女におつかれーって声を掛けた。彼女がわざわざ母に挨拶してくれてて、ありがたかった。母は僕と似ていて、こういう時に知らんぷりして自分は関係ない人ですよ~感を出そうとするので、(母が彼女に)ちゃんと挨拶できてよかったなと思った。

 その後少し彼女と話をしていたら、母はどこかに歩いて行ってしまって帰ってこなかった。仕方がないので話を切り上げて合流すると、「可愛い子です」って感想をくれた。あまりに唐突でなんのことか一瞬理解できなかったけど、彼女のことを褒めてたんだなって分かった。うまい返しができなくて「あぁ…うん…そうね、うん」って感じの返事になっちゃった。母は嬉しそうにニヤニヤしてた。

 それから再び母のもとを離れ、しばらくしてから戻ると、母がまたニヤニヤしながら「愛想のいい子だねえ」って言ってた。僕が居ない間に彼女が通りかかって、にこやかに会釈していってくれたんだって。私相手にこんなに愛想よくしてくれるなんてって感じで、驚いていたっぽい。よく分からないけど、そういうものじゃないと思ってたみたい。

 母が彼女のことを褒めてたのでとっても嬉しくなった。

 嫌な印象を受けてたら、コメントを差し控えるタイプの人なので、彼女のことは気に入ったんだと思う。

 その後Y君にも会って、ひよこ頭だよって紹介しておいた。Y君の髪の毛がぴょんってなってるのを「あの頭はわざとやってるの?」って不思議そうにしてた。いい奴なんだけどダメな奴なんだよって教えてあげた。憎めないタイプの子だねってた。

 なかなか母と一緒に来る機会はないし、一緒に行こうとも普段は思わないけど、今日は来てよかった。

 母も話で聞いてた人たちを実際に見れて楽しかったんじゃないかな。

 とても大切に思っている彼女を、母に紹介できてよかったなって思う。

 有意義な時間だった。