かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

はなしか

 彼女の話が上手っていう話。

 今日仕事終わりに彼女と会えた。

 一日会っていないだけなんだけど、妙に期間が空いているような感じがした。

 今日の僕は珍しく彼女に話したいことがあった。昨日あった送別会の話。ブッダさんやOさんなど、彼女の知っている人が参加していたので、話したいエピソードがいくつかあったのだ。

 しかし、いざ話そう!と思うと、言いたいことがうまくまとまらない。順序立てて話しているつもりが、ぶつ切りになってしまう。わかりやすくしようとした結果、逆にごちゃっとしてしまう。話していると、うまく話せていないんじゃないかなって考えてしまう。それでも話を聞いている彼女が笑ってくれると、面白さが伝わったかなと安心できる。それに笑ってもらえると嬉しい。

 話したいことは話せたんだけど、もっと面白おかしく伝えられたんじゃないかなと思った。その時僕が感じた面白さをもっと正確に伝えられたんじゃないかなと。

 彼女は趣味の活動での出来事と、少し前にあった結婚式でのエピソードを話してくれた。

 どちらの話も、聞いていてイメージがしやすい。

 僕が顔も見たことのない人の話をしてくれるのだが、なぜかイメージができる。こんな雰囲気の人なんだろうなとか、こんな性格の人なんだろうなって。なんだったら顔の雰囲気も想像できる。

 彼女が誰かとこんな会話をしたという話では、会話の流れがすごく分かりやすい。さすがに会話の全体を覚えているわけではないと思うのだが、再現率がかなり高く感じる。なにも知らない僕が分かりやすいように、会話の内容も省いたり、言い換えたりしているはず。言葉を探したり、記憶を探ったりもしているはずなんだけど、間が全然ない。なめらかに話をしてくれる。

 自分の話と彼女の話と、エピソード自体に面白さの大きな差があるわけではないと思う。でも彼女の話のほうが圧倒的に面白いし、完成度も高い。僕のはぶつ切りになったエピソードを単発で喋っただけ。彼女のは聞いてもらうためのきちんとしたお話。それくらいの差がある。

 今日、彼女が「旦那さん」という単語がきっかけとなり、とあるエピソードを話してくれた。彼女に旦那さんがいるわけではないので勘違いしないように。話が途中横道にそれて、聞いている僕が本来のテーマを忘れそうになるくらいだったのだが、最終的に見事に「旦那さん」に繋げて終わった。その構成が見事で、終わり方もきれいで、一つの完成された作品のようなお話だった。横道にそれているようでいて、実は一貫したテーマのもとで話が作られていた。

 彼女の話は、今思い出した話みたいな気軽さで始まるんだけど、完成度がすごく高い。何回も話している小話みたいなクオリティ。本当にすごい。尊敬してる。

 彼女の話を聞いているのは非常に楽しいので、もっとたくさん聞きたい。ずっと聞いていたい。彼女の話がずっと流れるラジオとか聞きたい。彼女のラジオ番組聞きたい。

 僕のためだけのラジオがあったらいいのになあ。

 おわり。