好感度上昇
最近チンピラの「彼女のことを好き度合い」が増してきた。
以前から、彼女の近くに行く度話しかける、大した作業をするでもなくずっと彼女の隣りにいる、なんてことが毎日のようにあった。ただ、それはチンピラが単に女の子大好きだからだと思っていた。
もちろん彼女に対して少なからず好感を抱いているのは事実だろう。好きでもない人の所にふらふら現れて、一緒に作業始めないだろうからね。
彼女はチンピラに対してほとんど遠慮なく言いたいこと言う。面倒くさかったら無視もする。会話の中でチンピラをいじったり、チンピラの真似をして遊ぶこともある。これは彼女が失礼な人ということではなく、チンピラが楽しそうな反応をするからやってあげているというような感じ。
そういう扱いが嬉しいようで、彼女がいると彼女にばっかり話しかけてる。仕事中通りすがると、彼女とチンピラが楽しそうに話しているってのはよくある。楽しいのは基本的にチンピラだけなんだけどね。
先日、彼女の誕生日が近いということで、チンピラが気前よく少し高いプレゼントをくれた。結構かっこつけて奢りたがる人だから、プレゼントを買ってあげることもあり得ることだ。それにしても量が多かったし、値の張るものもあって、部下への誕生日プレゼントとしてこんなに出費する人初めてだわ!って思った。
これもなんだか彼女への好感度が伺えるエピソードでしょ?
多分他の人が誕生日でもここまで気前よくプレゼントしてくれないと思う。
それから、最近やけにいいにおいがするとか、顔がキラキラしてるとか、彼女を褒めてくるらしい。いいにおいがするは僕も言われたことがある。ただ、僕より頻度も高いし、ましてや異性から言われる「いいにおいがする」は相当な苦痛だろうなと思う。
これを書いていて、もしかしたら、と思ったことがある。少し前に彼女と僕でチンピラを誘ってご飯を食べに行ったことがあった。それがきっかけで彼女との距離が近くなったと勘違いしているんじゃないだろうか。
チンピラからのアプローチが増えたのもそれ以降な気がしてならない。たまたまタイミングが合ってるだけかもしれないけど。
嫌われたり嫌がられたりするよりはいいのかもしれないけど、チンピラに必要以上に絡まれている彼女は不憫だ。チンピラの扱いがうまくなったことで、彼から与えられるストレスは軽減されたものの、不快ではなくなったわけではない。
彼女を恋愛対象としてみているというわけではないんだろうなと思っているのだが、いいにおいって言うのとか、近くでちょろちょろするのとか、あんまりいい気分がしない。彼女が嫌がってるのもわかるし。
ただまあ、誕生日プレゼントは彼女が喜んでいたので、よくやったと評価してやろう。
あ、そうだ。彼女が足が痛いというようなことを言った時に、マッサージしようかって言ってきたらしい。それはちょっと許せない領域に足を踏み込みやがったなと思った。セクハラ案件だぞ。
彼女のことを気に入るのとか、彼女に対する好感度が上がるのは良いことなんだけど、彼女に迷惑だけは掛けるなよと思うのでした。
おわり。