かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

後日談

 昨日の彼女の落し物がどうなったのか気になっている方も多かろうと思うので、今日はその報告をしたいと思います。

 結論から言うと、見つかりました!ありがとう!みなさんありがとう!

 朝、僕は目を覚まし、もう少し寝ていたいと思いつつも身体を起こした。大体のお店の営業が始まる少し前の時間。いつもはお昼すぎまで寝ているので僕にとってかなりの早起きだった。

 彼女から、お店に電話して欲しいという依頼を受けていたので、僕は責任をもってそれを遂行しようと思っていた。彼女は最初自分で電話を掛けるつもりだったようだけど、電話を掛けて、ないですってなった時のことを考えると怖くて電話できないってなったみたい。気持ちすごくよく分かる。

 ちなみに僕は電話がものすごく苦手。最近は克服してきたんだけど、自分から掛けるとなるとやっぱり精神的にくる。事前に、こうやって言おう、そしたら多分相手がこんな風に返してくるから、こう答えよう、というのを何回もシミュレーションする。今日もしばらくシミュレーションしたあと、一番優しそうなお茶したお店に電話を掛けてみることにした。落ち着いた上品なお店だから、きっと電話の対応も丁寧で優しいだろうという願望を抱いて。

 昨日駐車場か店内に落し物をしてしまったかもしれないということを伝えると、すぐに駐車場や店内を一周して確認してまいりますので、こちらから折り返させて頂きますというようなことをすごく優しい丁寧な口調で言ってくれた。さすがに今駐車場探してくれても無いよなあと思いつつ電話を待っていると、数分後に掛かって来た。

 駐車場で、宅配業者の方が拾ってくれた落し物があったらしい。それが、白と茶色のショールのようなものだったという話だった。僕は色がいまいち思い出せなくて、そうだったような気もするなあ、でもショールってなんだ?肩に掛けるやつか?だとしたら違うぞ?ってなって混乱した。

 その落し物を拾った時に近くに止まっていた車のナンバーを控えておいてくれたらしく、そのナンバーを確認してみると僕の車のものと一致した。

 でもまだ楽観視はできない。偶然が重なった可能性もある。全く違うものかもしれない。彼女に一度色を確認して、取りに行くようだったらまた連絡してからお伺いしますってことにしておいた。

 その後僕は髪を切りに行って、切り終えたところで彼女から、色が合ってるとの連絡があったので、再びお店に電話をした。

 先ほどの店員さんと別の方が出てくれたんだけど、落し物の件でお電話させていただいた者ですがーって言ってたら、さっき対応してくれた方に代わってくれた。

 確認したところそれっぽいので三十分くらいで取りに伺いますって言って車を走らせた。

 これ最初から、確認してみてそれだ!ってなったら取りに伺いますって言っとけばよかったなあって思いながら向かった。わざわざ二度も丁寧な電話対応してもらって申し訳ないなと。

 お店について、電話をした者ですって名乗ったら、すぐに彼女のスヌードが出てきた。わぁこれだ!!って嬉しくなって、多分それは顔に出てた。ホッとしたような顔してたと思う。ご迷惑おかけしましたありがとうございましたって何度かお礼を述べて受け取ると、見つかってよかったですねって優しいいい笑顔で言ってもらえた。本当にほっとした。

 電話の時から伺った時まで完璧な対応をしてもらえて、感謝の極みである。

 お店を出る時に深々とお辞儀をして、帰った。

 一発で当たりを引けてよかったなあと思いながら、彼女が昨日、罰が当たったとか日頃の行いが悪いからこういう目に遭うんだって言ってたけど、ちゃんと見つかるってことは日頃の行いが良いってことなんだろうなって思った。本当に日頃の行いが悪かったら失くしたものが出てくるってことがないんじゃないかな。

 彼女が大切にしていたものがちゃんと見つかって本当によかった。悲しみにくれる彼女を見なくて済んで、ほっとした。

 これからはもっと落し物とかに気をつけようと思う。彼女が神経質にならなくてもいいように僕が気にしていけばいいかなって。そういうところフォローしていきたい。

 本当によかった。