かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

成長促進剤

 彼女には人を成長させる力がある。

 なぜそう思ったかというと、僕が成長したからだ。

 人と付き合う中で、その付き合い方によって良い関係悪い関係みたいなものってあると思う。

 お互いを支え合える関係とか、助け合える関係とか。あるいは共依存のようなお互いをダメにしてしまう関係、もしくはどちらかが片方の足を引っ張ってしまうような関係とか、プラスもマイナスもありえる。

 当たり前ではあるけど、僕は彼女と一緒にいて良い影響を与え合えるのが理想だと思っている。

 僕の凝り固まった考え方に、彼女が新しい見方を提供してくれるとか。

 僕の知らないことを彼女が教えてくれるとか。

 彼女の苦手な分野を僕がフォローするとか。

 彼女が考えた可能性に、僕があらたな可能性を提示するとか。

 お互いに与えられるだけではなく、与えることもできるというのが良い。

 そんな中で、彼女は僕を成長させてくれているなって感じたのだ。

 後で触れるつもりだけど、これは決して僕に対してだけではなく他の人に対してもそうだと思う。

 まず僕のことだけど、彼女は良くないとか嫌だって思ったことをはっきりと伝えてくれる。それも、どうして良くないと思ったかとか、どうして嫌だと感じたか、というのを言語化して、こちらが理解できるように伝えることができる。

 彼女がそう感じるのは大抵、僕の弱い部分とかダメな部分というのが原因になっている。

 つまり、彼女が指摘してくれたことをきちんと聞いて、真摯に受け止めて改善に努めれば成長できる、ということなのだ。

 加えて彼女は中途半端な状態で妥協することをよしとしない。もっと良くできる余地があるのに、まあなんとなくこれでいいでしょっていうような妥協をするのが嫌だし、そういう妥協をする人は好きじゃないんだと思う。

 だから僕は自分の弱さで、妥協してしまいたくなる機会が何度もあったけど、これで妥協したら彼女は僕に失望するだろうなって思って頑張ったという経験が何度もある。

 これはまあ僕が彼女のことが好きで、好かれたいし嫌われたくないと思っていたからこそ継続して努力できたという部分ではある。

 良くない部分を指摘してくれるというのは、僕だけじゃなくて色々な人に影響を与えていると思う。

 同僚や後輩への指導とか、上司への意見もそう。趣味の活動の付き合いの中でもあるはずだ。

 残念なことに、彼女の指摘を受け入れる器のないダメな人たちは成長できない。自分の良くない所、悪いところを指摘されて、感情的になっちゃうような人たちね。念のため補足しておくが、彼女の指摘はその人自体を否定するようなものではない。人格を否定するとか、お前はだめなやつだみたいな言い方をしているわけではなく、整頓された意見をわかりやすく並べて伝えているにすぎない。それに対して感情的になる人は単に幼い、あるいはバカな人間だ。

 彼女の指摘を100%理解できなくても、聞こうとする意識のある人、正そうと思える人というのは少しずつでも成長していける。

 彼女の評価というのは、受け取る側の人間によって上下するんだと思う。

 彼女の言うことをきちんと受け止められる人、理解できる人からすると、彼女という人はすごく素敵な人で魅力的な人だ。彼女の考え方とか周囲への配慮とかそういう目に見えない部分を感じ取れる人も彼女を高く評価してくれる。

 彼女の言っていることを受け止めようとしない人、理解できない人からすれば、彼女の発言は彼女を評価することに繋がらない。同様に、彼女の考え方や配慮も見えないし気付けないから評価できない。

 彼女が輝けないとすれば、それは周りが無能だからだ。

 本当に有能であれば、周りが無能でも輝けるはずだと考える人がいるかもしれない。でも僕はそうは思わない。

 飼い殺しという言葉があるように、上に立つ者が無能であれば、下にいるものがどれだけ有能であっても結果は出ない。

 僕は彼女のことをすごく評価している。尊敬もしている。僕の感じている彼女というものが間違っているとは到底思えない。

 現に僕は彼女のおかげで成長できたと思う。僕が彼女を好きだから成長できたというのは確かにそうなんだけど、好きっていう気持ちだけで成長できるなら世の中のカップルから片思いさんまでみんな成長しまくりだ。そうじゃないってことは、彼女が僕に与えてくれた影響というのが、僕を成長させてくれたってことになる。

 ぐずぐずしてて、優柔不断な僕がちょっとずつ強くなれたこと、これもまた彼女の有能さを示す証拠になるんじゃないかなと思う。

 ね、彼女は人を成長させてるでしょ。