かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

教える人

 今日はすごく久々に彼女と一緒に働いた。

 インフルでの休み明け初日、一緒に働く予定になっていてよかった。僕は昨日から彼女に会えるのが楽しみで仕方なかった。

 彼女はインフルの症状は収まったものの、喉の調子が戻らず、声を出しにくい状態。更に別件によって元気もなかった。

 僕は久しぶりに彼女に会えたのでやっぱりうきうきしていて、彼女のことばっかり見てた。

 仕事をする上で、彼女に掛る負担を極力減らせるようにしなくっちゃ!と意気込んでいた。

 しかし今日は彼女を重要な仕事が待ち受けていた。新人の教育である。

 ただでさえ新人に仕事を教えるのは大変なのに、彼女は病み上がりで絶不調状態なのだ。僕はいつでも代われるように心構えをしておこう!って張り切りつつ、彼女の調子を気にしておこうと思った。

 おかげで新人に仕事を教える彼女の姿をたくさん見れた。

 彼女は声を出すのもつらそうだったのだが、新人に対してキリッと指導をしていて、横目でその姿を見てかっこいいなあって思ってた。マスクをしてたから表情はほとんど見えなかったんだけどね。

 聞いていて思ったのは、彼女が仕事を教える時には、単にこういう風に作業をすればいいと伝えるだけではなく、どうしてこういう風にやらなければならないのか、とか、こういう風にやらないとどうなるのか、といった、理解を深めるための補足が適切に行われているということ。

 その作業をやらなければいけない理由や、やらないことで起こる問題というのを伝えることで、教えられる側はその作業の重要度や必要性というのを感じ取ることができる。

 教えるのが下手な人は、こうやればいいよ、こうしてねっていうだけを教えてしまうので、一人で作業をやるようになってから問題が起こりやすい。

 その点彼女の教え方は上手で、後々教えられた人が困らないように、独り立ちした後のことを見据えている。

 僕も誰かに教える時にそういうのを意識してやろうとは思っているけど、彼女のようにスムーズかつ適切に伝えることは難しい。

 僕が少しの間彼女の代わりに新人と一緒に作業をする機会があったのだけれど、その時は時間もあまりなかったので、彼女はすごくしっかりしていて、細かいところまできちんと教えてくれるから、一つ一つちゃんと聞くように。他の人達は結構適当で、いいよいいよーって言うけど、それでよしにしていると困るのは自分なので、基礎をしっかりと学んで欲しい、ということを伝えるだけで終わってしまった。

 彼女が教えてくれるのは安心して任せられる。チンピラが彼女以外には新人の教育をさせないと言っているらしく、彼の思惑がなんなのかよく分からないけど、それは正解だなって思う。

 彼女の調子は悪いままだったみたいだけど、なんとか今日の仕事は終わった。

 彼女の体調が心配ではあるが、今日久々に一緒に働けて、楽しかった。