かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

リラックスタイム

 彼女がインフルになって五日が経過した。

 熱は下がったけど、喉の調子が良くないらしい。声がうまく出ない。
 電話で話す分には支障はないけど、仕事をするとなるとしんどいだろうなぁという感じ。
 それ以外は元気になったのかな、体調はほぼ戻ってきてると思う。
 そうなると、元気なのに行動が制限される苦痛というものが生まれる。
 みずまんじゅうくんがいるし、生まれたばかりの妹もいるから、家の中だって自由に歩き回れない。
 体調が良くなってきて、体を休めることもできて、彼女は元気になっていくかなーと思っていたけど、むしろ憂鬱そうだ。
 それはなんでかっていったら、考える時間がたくさんあり過ぎるからじゃないかなと思った。
 普段、仕事をしていて作業に追われる時間も、今の彼女は横になって過ごすしかない。暇だと考えなくていいこと、どうしようもないことみたいなことをぐるぐると考えてしまいがちだ。
 何かについて考える時間が有り余っている。
 例えば、仕事であった嫌なことを思い出して、あの時はこうだった、ああだったと考えてしまうとか、先に待ち受けている気になることについて、正解がわからないままずーっと考えてしまうとか。
 誰もが経験あると思うけど、一人でずっと考えていると深みにはまっていく。ネガティヴな思考の連鎖というか、思考がほぼ確実に悪い方向にいっていまう感じ。そうなるとつらい。
 僕と比べて、彼女は考えなくてはいけないことというのが多いように感じる。僕が一日ぼーっとしていても、周囲からのアクションってのはほぼない。気にしなきゃいけないことは仕事のことくらいで、それも休みの日だったらほとんど考えずに過ごしている。
 彼女の場合、放っておいても誰かから連絡が来て、何かについて考えなきゃいけなかったり、仕事のことも僕以上に考えているから休んでいても気になることは多い。気になることとか考えなきゃいけないことがとってもたくさんある。
 彼女には本当の意味で休まる時が少ない、と僕は思う。
 気分転換のためにDVDを観るとか、本を読むとかっていうことをしていれば、没頭できて楽しめて良い。でもそれだって長く続ければ疲れるし飽きる。
 ぼーっとしていて、リラックスできて、嫌なことも考えなくていい時間というのが彼女には必要なのかなと思う。それってむずかしいんだけどさ。
 僕が一緒にいる時にそういう時間を彼女に提供できたらいいなって思う。一緒にいるけど特に何もしなくってぼーっとして、でも楽しくって、嫌なことは考えなくていいっていうような。
 うぬぼれかもしれないけど、もしかしたら、遊んでる時とか、仕事終わりにちょっとコンビニへ寄るのとか、そういうのが彼女にとって心休まる時としてリラックスさせてあげられてるのかな、なんて思った。
 当たり前だけどこういう時間によって僕も彼女に癒やされたり元気をもらったりしているんだと思う。
 彼女に会わなくても意外と平気だぞと思いながら数日過ごし、今日はなんだか寂しかった。
 彼女の顔を見て、楽しい話をして、一緒に笑いたいなあって思った。