悟られない気配り
先日、ブッダさんと食事をした後、駐車場にて話の続きをした時の話。寒空の下でブルブル震えながら話をしたのだが、お店を出たところの駐車場で、周囲には民家もあり、更に時間が遅いこともあって、気兼ねなく話せる環境とはいえなかった。
僕が心配して彼女に、周りが民家だから話してたらうるさーい!って言われちゃうかなあと言うと、少しなら大丈夫でしょうと言っていたので、安心した。
僕が不安に思うことなど、彼女も既に考慮に入れてあって、策を練っている。だからこれも僕がわざわざ彼女に言わなくても、きっと周囲に配慮してくれていただろうなと思う。
彼女が大丈夫と言ってくれれば、それはおおよその場合大丈夫なので、僕は安心することができる。彼女は本当に大丈夫だと思っているとき以外大丈夫と言わない人だから。
現にこの時も、彼女は絶妙に抑えられた声でうるさくならないように配慮してくれてた。話が盛り上がっても、笑いどころでも、常に一定の声で話して、決してうるさくならなかった。
その時に僕は、こういうことができるのって素敵だなって思った。
常に声の大きさを気にしていられることもそうだけど、周りに気を使わせない自然な感じで周囲に気を配るのがうまい。多分ブッダさんもヤショーダラーさんも彼女は普通に話をしているって思ってたと思う。
この件に関わらず、彼女は気にしている感じを出すとか、気を使っていることを相手に悟らせるようなことはしない。あくまで自然に、気遣いができる。これが彼女の気配りの最も素晴らしいところだと思う。
気を遣うだけなら、大して気の利かない人でもできる。バカでも気遣いしてるよって感じは出せる。大事なのは、気遣いをしているよっていうことを悟られるかどうかだと僕は思う。
自分からアピールしてしまうのはもってのほか。
今気を遣ってもらっちゃったなとか、気を遣って今話しかけてもらったなっていうのを感じさせないのが、気配り上手ってことだと思う。
彼女はそれができる。
気を遣って話題を振っても、ごく自然に話題を振っているように感じられて、まさか自分に対して気遣いで声を掛けてくれているなんて思わない。
それは同時に彼女の気配りに気付かない人が多くって感謝されないということにも繋がってしまうのだけれど、僕は彼女がそうやって、当たり前のことをするように、他の人にはできない気配りをさらっとできるというのがすごく好きだ。
彼女がそういうことができる人でよかったなあって思う。僕は嬉しい。
僕が利かない気をいっぱい回して頑張らなくても、もっと上手な彼女がうまく立ち回ってくれる。もちろん、僕もそれをフォローできるように、あるいは足を引っ張らないように、出来る限り気を配ってるよ!
でも彼女の気配りがすごく上手だから、僕は本当に側で静かにしているだけでいい。
とっても助かっている。
僕が一番彼女の気配りを理解している!って思っているけれど、僕の理解の上を行く気配りを彼女がしているのではないか、とも思っている。
とにかく気配りに関して、彼女は本当に素晴らしい。尊敬できる。
無神経なバカどもに見習ってほしいものだ。
おわり。