かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

お迎え

 今日は僕が大学時代の友人たちと久々に会うという予定があり、朝から出かけた。久々にかなりの遠出である。

 行きは迎えに来てもらえるので良かったんだけど、帰りの交通手段が途中までしかなくて、困っていたら彼女が迎えに来てくれると申し出てくれた。非常にありがたい。

 帰りの心配がなくなったので、安心して出掛けられた。

 まず、以前彼女と行った水族館に、友人夫婦と僕という布陣で向かうという試み。僕は彼女の大好きなシャチを写真と動画に収めることだけを目的にしていた。

 ショーの時間までいろんなところを回りながらゆっくりしていたんだけど、友人夫妻と僕との間に、時間の配分の仕方というか、時間に対する認識の差があって、少しだけ窮屈に感じた。

 彼女といるときは、時間の配分は僕に任せてもらえるし、例えばだけど一つの水槽を見る時間というのは申し合わせなくてもなんとなく一緒になる。建物内の回り方とかも最初になんとなく計画を立てて行きたいなあと僕は思うんだけど、友人夫婦は奥さん主導で僕たちは付いて行くというような感じだったので、この先どうするつもりなのか、というのが分からず少しやきもきした。

 こんなこと書いていると楽しくなかったのかと思われそうだけど、楽しかった。

 ただ、彼女といる時の居心地の良さというか、勝手知ったるなんとやらみたいな、多くを語らずともペースを合わせることができて、大半の決定権を委ねてもらえるその感じがすごく心地よいものなんだなと思った。

 彼女へのプレゼントを買うぞー!と意気込んでおみやげコーナーをみたものの、彼女が喜びそうなものがあんまりなくって、あわあわしながら三周くらいした。

 僕がいいなって思ったものと、彼女が良いって思ってくれそうかなってものを色々考えて、いくつか選んだ。一個に自信がなくて保険で数を多くしたわけではなくって、いっぱい考えた結果、あげたいものが複数個になったという感じ。

 ついついみずまんじゅうくんにも何かあげたいって思ってしまって、彼女へのプレゼントの中に紛れ込ませた。

 水族館を後にし、居酒屋に向う。

 他の人たちとも合流して、飲み会を開催。これが今日のメインイベントだった。

 久々にお酒を飲んで、ちょっといつもよりテンション高めになったかなあと思いながら、みんなと楽しく話ができた。

 でもどうしても、彼女がいないことの物足りなさみたいなものがずっとあった。 彼女も来てくれればよかったのにとかそういうことではなくて、僕の中に、こういう時彼女が一緒にいてくれたらいいなっていう願望と、こういう時に彼女が隣にいることが自然なことのように思えてしまうことがあって、ちょっとだけ寂しくなった。彼女からすれば、なにを言ってるんだって感じだろうけど、彼女に会いたくなっちゃったのだ。お酒のせいもあったのかな。

 飲み会を終え、電車で帰宅。駅まで彼女が迎えに来てくれた。

 彼女が迎えに来てくれることは、交通手段がないから助かるという嬉しさと、彼女が迎えに来てくれているということに対する嬉しさと、二つの嬉しさがあった。

 自分がどこかに出掛けて帰ってくるのを迎えに来てくれることが、こんなにも素敵で幸せなことなんだなって。こんなにうれしいことなのかって思った。

 迎えに来てくれたことが嬉しくて嬉しくて、ニヤニヤしすぎて彼女に気持ち悪がられてしまった。感謝の気持ちと嬉しい気持ちが抑えきれなかった。

 さっそく買ってきたプレゼントを渡して、彼女に一つ一つ取り出して見てもらった。

 以前行った時に買ったものとか、友人から貰ったものとかが、今回のおみやげと被ることも懸念されたが、なんとかそれは回避できたっぽい。

 みずまんじゅうくんへのおみやげもすぐにバレてしまって、やはり鋭いな、と感心した。それを含め、喜んでもらえたんじゃないかなと思う。よかった。

 それから家まで送ってもらって、感謝しまくりながら、会えて良かったとか言いまくって引かれながら、さよならした。多少まだ酔ってたんだろうね、こんなに感謝してるのに引かれてる!と思って泣きそうになった。

 今日は僕にとっての彼女の良さっていうのを痛感した日だった。

 色々自分で仕切りたい僕と任せてくれる彼女。

 仕切りたいくせに優柔不断な僕と決めるところはきちっと決めてくれる彼女。

 計画を立ててから行動に移したい僕と、立てた計画に文句を言わないし、考える間待ってくれる彼女。

 食べ物の好みも、興味の方向性も似ていて、お互いが主張したとしても意見が食い違うってことが殆ど無い。

 僕にとって彼女の隣りにいることがどれだけ心地よいことなのか。彼女がいてくれることで僕はどれだけ幸せを感じているのか。すごく考えた一日だった。

 彼女にありがとうってたくさん言いたくなった。

 ありがとう。