かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

人間性

 彼女はよく、自分の意見が他者から見てどうかというのを確認する。

 彼女の視点から見れば正解に見えるものでも、別の視点から見れば不正解の可能性があるから。

 僕にもよく確認してくれるし、他の人にも確認することがあるみたいだ。

 客観的に状況を見て、客観的に事態を把握することってすごく重要だ。主観的になればなるほど視野が狭くなって、考え方が凝り固まり、間違いに気づきにくくなる。

 彼女はそうなってしまわないよう、意識に、あるいは無意識のうちに、客観的に物事を捉えようとしているんだと思う。

 先日彼女と「頭の良い人は頭の悪い人の考えがある程度読めるけど、頭の悪い人は頭の良い人の考えを理解することはできない、もちろん例外はある」という話をした。

 僕や彼女が、他の人達よりも優れている、頭が良いということを言いたいのではなくて、事実そうであるという話ね。

 だから、自分のやっていることを評価してもらうためには、それを理解できるだけの力量を持った相手がいなければいけない、ということになる。

 彼女のことを正しく評価してくれる人たちは、人格者であるとか、仕事がすごくできる人であるとか、人間としてしっかりしている人、ここで僕が言う力量を持った人であると思う。

 彼女と同等、もしくは更に上の力量を持っているからこそ、彼女の力量を評価できる。

 そして、僕が思うに、彼女を評価できるような人というのは結構限られてしまう。今職場で一緒に働いている人の中で、彼女よりも優れている人はいないと断言できる。彼女と同等のものの見方をしている人もいないだろう。

 既に職場を去った人たち、更に上の立場にいる人たちの中には彼女を評価してくれる人は何人もいた。

 で、彼女の周りには彼女よりもレベルの低い人たちがいる、ということになる。そうするとその人たちの粗がよく見える。周囲の人たちよりもレベルが高いということは、その人たちの良い部分も悪い部分も見えるということだからね。

 そうしたときに、冒頭の客観視ができないことの愚かさというのを彼女は何度も目にしてきているんじゃないかなと思ったのだ。

 自分本位でしか物事を考えられず周囲に迷惑をかける人、自分の意見が絶対に正しいと信じて疑わず偉そうに振る舞う人。

 そういう人たちに迷惑をかけられ、難癖を付けられ、嫌な思いをさせられながら彼女は今までやってきたのだと思う。

 だからこそ、彼女は自分の考えに凝り固まることなく、客観的に物事を捉える努力ができるのかなって思った。

 僕も何度もそういう愚かな人たちを見てきたから、彼女のその姿勢にとても好感が持てる。

 彼女の人間性の好きなところの一つだ。