かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

手書きの地図

 今日はお休みで、彼女もお休みで、お互い家でゆっくりと過ごす予定だった。

 僕は昼過ぎに目を覚まし、なんのやる気も起きないままだらだらと過ごす。

 彼女はみずまんじゅうくんが構ってもらいに来るので、相手をしなくちゃいけない。僕みたいにだらだらしているわけにはいかない。

 きっと僕がぐーたら寝ている間に起きて、みずまんじゅうくんと遊んであげていたことだろう。

 彼女とお姉さん(みずまんじゅうくん母)とみずまんじゅうくんがお出かけすることになったらしいのだが、目的地までの道のりを教えてと言われた。のんきに遅めの昼食をとっていた僕は、スマホを取り出し急いで調べた。自分で運転すれば適当に走って目的地にたどり着けるのだが、説明するとなると難しい。

 出かけるまでそれほど時間に余裕があるわけではないだろうと思い、急いで地図を書いた。ネットでルートを検索することを提案するとか、こちらが検索した地図を送るとか、そういうことはしたくない。

 彼女が僕を頼ってきてくれたということはそういうことを期待しているわけではないからだ。

 なにより必要なのはわかりやすさ。どこを右折するのか、なにを目印にすればいいのか、それらを彼女目線でわかりやすく伝える。これはアプリやネットの地図にはできない。僕にしかできないことなのだ。

 そんなことを思いながら、僕が最も分かりやすいと思うルートを紙に書きだしたのだが、思った以上に分かりにくくなってしまった。これではだめな気がすると思った。僕にしかできないとかいいながらさっそく躓いている辺りが僕らしい。

 気を取り直して別ルートを考えた。彼女のお姉さんがここまでだったら分かるという目印となる場所があり、そこからのルートが結局のところ一番楽なんじゃないかという結論に至った。

 改めて紙にガシガシとルートを書き出してみると、分かりやすい。左折一回で済むレベルの分かりやすさだ。

 こっちのほうが絶対にいい!ということで彼女に写真を取って送った。

 彼女に親切!と褒めてもらえた。それだけで頑張りが報われる。

 無事目的地に辿りつけたようで、安心した。

 そもそもお姉さんがいるのだから、そこまで心配することもなかった。

 その後、僕におみやげを買ってくれて、夜にわざわざ渡しに来てくれた。

 ついでにちょっと一緒にお買い物もできた。時間が結構遅かったからそんなにゆっくりすることはできなかったけど、彼女の顔を見れて、話ができて、隣に彼女がいてくれて嬉しかった。

 帰り、彼女を遅い時間に一人で帰らせるのが心配だったので、僕が先導して彼女の家まで送った。道が暗いし、田舎道だからばかみたいな速度で走る車はいるし、動物は飛び出してくるしで、危険がいっぱい。無事に帰れたかなあと心配してスマホを握りしめているくらいだったら、送っていくのが安心。

 彼女は最初遠慮しようとしたけど、僕が送りたがっているのを察して、いいよーって言ってくれた。

 送ってく途中ですごいスピードで煽ってくる車とかいて、やっぱりあぶねえって思った。彼女が一人で帰っても事故に発展することはなかっただろうけど、怖いだろうし、送ってってよかった。

 彼女が後ろを付いて来てくれる時って、運転に気を使う。スピードを一定にしてついてきやすいようにとか、信号のない右左折の時に他の車が間に入らないようにタイミングを見計らうとか。普段自分の運転にそこまで注意を払わないから、とても有益だなって思う。

 彼女を先導して走るの楽しくて好き。

 未知なる危険から彼女を守ってる感じもするしね。

 彼女に会えておみやげも貰えて、大満足。良い休日となった。