かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

みずまんじゅうくんと僕

 今日は彼女と遊んだ。

 彼女の提案で、もなかを連れて彼女の家に遊びに行き、みずまんじゅうくんとふれあうというプランを実行に移すことにした。

 もなかを連れて行けば、堂々とみずまんじゅうくんと遊べる口実なるというナイスな提案。

 いつもより少し早起きをして支度をして、もなかを連れて彼女の家へ向かった。

 色々心配事はあったのだが、とりあえず当たって砕けろというような気持ちで臨んだ。

 まずもなかを置いて、家のインターホンを押して彼女に出迎えてもらう。みずまんじゅうくんが後ろから付いて来たんだけど、僕を見た瞬間に「いやー!!」って言いながら逃げていってしまった。だが今日はこのくらいではめげない。ここからたっぷり親交を深める時間があるのだ。少しずつ僕という存在に慣れてくれればいい。

 泣いちゃったみずまんじゅうくんを連れて外に出て、もなかを連れてくる。もなかも大興奮で、暴れまくるけどなんとかリードを付けて、お家の庭にお邪魔した。だけどもなかが吠える。めちゃくちゃ吠える。おかげでみずまんじゅうくんびっくりして泣いちゃってお家に戻るっていって帰っちゃった。

 犬は小さい子に対して強気に出るので、吠えたり跳びかかったりしやすい。この点を心配していたんだけどやっぱりそうなってしまった。

 彼女が気を利かせて、家の中から窓越しにもなかを見せることで慣れさせるという作戦を実施してくれた。

 家の中という安心感でみずまんじゅうくんもちょっと安心したみたい。とりあえずもなかの前に僕に慣れてもらおうと思って、少しずつ交流を図った。

 みずまんじゅうくんは、最近いろんな言葉を覚えて「これは?」って聞くと教えてくれる。

 ぞうさんを指差してこれは?って聞くと「ぱうー」って教えてくれる。

 きりんさんを指差すと「いーん!」って教えてくれる。

 もなかのことは「わんわん!」って言ってた。大正解である。

 指差して答えてもらうっていう交流がすごく楽しい。ちょっと得意気にガーゼを見せてくれたり、クレヨンでぐるぐる書いた絵を見せてくれたり、仕草のひとつひとつがすごく可愛い。

 いないないばーってして遊んだり、踊ってるのを見せてもらったり。彼女からこんな感じで可愛いんだよっていう話でしか聞いていなかったみずまんじゅうくんの仕草をたくさん実際にみることができた。

 だいぶ心を開いてもらえたように思う。心を開いてもらえるとなお可愛いよね。

 こっちにほほえみかけてくれるし、こっちにアピールしてくれるし、受け答えしてくれるし。とにかく可愛い。

 出掛けていたみずまんじゅうくんのお母さんが帰ってきたタイミングで、もう一度みずまんじゅうくんともなかの交流を図った。

 見慣れたのか、みずまんじゅうくんは「わんわん」っていいながらもなかを指差していて、大泣きしちゃったときよりも随分落ち着いていた。もなかのほうも最初に比べればおとなしくなっていて、お互いに適切な距離感で接することができるようになってきていた。

 せっかく連れてきたけどだめだったかなあと思っていたけど、安心した。

 みずまんじゅうくんはマイペースで、もなかがものすごく近くにいても気にしないで他のことに夢中になりはじめ、もはやもなかがいることが自然なことのようになっていた。

 僕がもなかが地面に落ちているものを拾って食べないように、食べそうなものを遠くに投げていたのだけれど、それをみていたみずまんじゅうくんはそれが気に入ったようで、石を拾って「ぽい!」って投げるのを真似し始めた。ものすごく楽しそうだった。

 しかし僕のせいで、みずまんじゅうくんが石を投げるという乱暴な行為を覚えてしまった!やべえ!と思ったので、石を片付けるのを教えた。

 みずまんじゅうくんは賢いので、こうやってやってって言うと一緒にやってくれる。「(外にはみ出た石を元の場所に)こうやって戻してー!ぽいっ!ぽいっ!」ってやってたら一緒になって「ぽい、ぽい」って言いながら真剣に戻してくれた。ただそのあとぐっしゃあー!って足で蹴散らしてたけど。

 だいぶ僕に慣れたのを見た彼女が、抱っこしてみなって言ってくれたので、みずまんじゅうくんに抱っこする?って聞いたら「うん」って頷いてくれた。恐る恐る抱き上げると全然嫌がられなくて、おとなしく抱っこされてくれた。めっちゃ嬉しかった。みずまんじゅうくんの頭がすぐ近くにある!!!うおおお!ってなった。

 そうこうしているうちにみずまんじゅうくんがごはんを食べる時間になったので、切り上げることに。

 みずまんじゅうくんを抱っこするために彼女に預けていたもなかのリードを受け取ろうとすると、みずまんじゅうくんがリードを持ちたそうにしていた。そこで僕はひらめいて、みずまんじゅうくんにリードの端っこを持たせてあげることにした。僕が中間くらいを持っていれば安心だからね。リードを持ったみずまんじゅうくんはとっても満足気な顔をしていて、それもまた可愛かった。

 勇んで歩き出すみずまんじゅうくんと、ちょっと嫌がりながらなんとかついていくもなか。そしてその中間でうまいこといくように必死な僕。

 すっごく楽しかった。

 ここで一旦僕は家に帰ってもなかを置いて、再び彼女を迎えに行ってそこから二人でお出かけするのだが、それは後編にまとめる。