かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

僕の特技

 僕は彼女を寝かせるのが得意だ。

 彼女がどんな状態であろうと眠りにつかせられると自負している。

 例えば、車で移動中。彼女が疲れていたり体調が悪い時、眠らせてあげることができる。どうだろう。僕の運転が彼女が眠りにつくための良い環境づくりができている証拠ではないだろうか。運転が荒かったり危なっかしかったりしたら寝ていられないものね。

 例えば一緒にまったりと過ごしている時。僕はマッサージしたり頭を撫でたりして彼女をリラックスさせて、眠りへと誘うことができる。これは彼女が僕と一緒にいて心地よい気分になっていることの現れであり、彼女が心を許してくれているということでもあると思う。

 こういう機会はそんなにあるものでもないので、たまーにだけどこうやって彼女を眠りに導いている。

 それ以外の時。ほぼ毎日、僕は彼女と寝る前に電話をして彼女を寝かしつけている。寝かしつけるってなんだか子供を寝かせてるみたいだね。

 いつからだったか彼女に本を読む、あるいは僕が考えた物語を話すということをするようになった。最初は昔話をネットで拾ってきて読んでたんだけど、その昔話のクオリティの低さが気になったので、本を読むことにした。最初は読み聞かせをすることがメインの目的だったのだが、徐々に本を読むことで彼女を寝かしつけるということが目的になっていった。

 僕が読む物語を聞いているといつの間にか寝ているというのが理想的な気がした。

 一人で黙って寝ようとすると、いろんなことを考えてしまって眠れなくなるってことがある。眠らなくちゃいけない!って焦ってしまって逆に眠れなくなってしまうということがある。

 誰でも経験あると思う。僕もよくある。

 これが、話を聴きながらいつの間にか寝るっていう状況だと、話に集中できれば余計なことを考えずに眠りにつけるのだ。

 これによって早ければ数分、時間が掛かっても15~20分の間に彼女を寝かしつけることができる。

 眠りが浅くて目が覚めてしまうなんていう時にも対応可能。

 目が覚めてしまったあと妙に目が冴えて眠れない!こまった!なんていうとき、彼女は焦って寝ようとして余計に眠れなくなっちゃう。

 でも安心。本を読めばいつかは眠れる。目が覚めちゃったパターンの時はなかなか眠りにつけないことが多い。数十分から一時間以上掛る場合もある。

 すぐに眠れなくても本を読んであげる意味はある。眠れない時の辛さを軽減できるのだ。一人で眠れないことと向き合うよりも、彼女のために本を読む僕がいることで、多少気が紛れると思う。

 そしていつの間にか彼女は眠ってしまう。

 いつも僕は彼女が眠ったなと思ってからしばらくは起きている努力をする(めっちゃ眠い時はいつの間にか寝ちゃってるけど)彼女が目が覚めてもすぐに対応できるように。彼女の方から寝息が聞こえてきたり、静かなままであれば無事眠れたということで安心して僕も眠りにつく。

 彼女を眠らせられたと思うと非常に達成感がある。毎日それを感じられるのは幸せなことだ。

 彼女に本を読みきかせすることで、僕もきっと寝る準備を整えられるんだと思う。心が落ち着いてゆっくり眠れる。

 とても良い日課を彼女は僕に与えてくれたなと思う。