かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

彼女の苦手分野

 先日彼女と話していて、時間感覚のなさという話になった。

 彼女は時間感覚が乏しい。それは彼女自身が認めていることであって、僕もそれに対して異論はない。

 映画を観に行けば、上映開始時間までの時間管理は僕に一任される。ズボンの裾上げを頼めば、完了の時間を気にする係は僕になる。

 仮に彼女が時間を気にする役目を担うとすると、常に時間を気にして、常に時計を見ているくらいの努力をしなくてはいけなくなってしまう。ぼーっとお店を見て回っていて、そろそろ10分経ったかなという感覚が持てないらしいのだ。

 だから、僕が時間を管理をすることで、彼女が時間を気にするストレスから開放される。僕はそれほど時間を気にすることにストレスを感じないため、この役割分担は適切といえよう。

 当たり前の話ではあるが、彼女に時間という概念がないわけではない。10秒ピッタリでストップウォッチを止めてってやればできる。リズム感もあるから正確に秒数をきざむのはむしろ得意な方なんじゃないかなと思う。

 具体的に彼女の時間感覚のなさというのはどういうものなのか。

 彼女は現在地から目的地までの移動時間というものが全く推測できないらしい。

 自宅から駅までの道のりがどれくらい掛るのかとか、たまに行く少し遠いお店までどれくらい掛るのかとか。駅までの道のりは何度も確認した結果、知識として把握はしているようだ。

 これは時間感覚にプラスして距離感覚というものも関わってくるので話がややこしくなってしまう。今回は時間についてだけで考えてみる。

 自宅から最寄りのコンビニまで徒歩何分くらいっていうのが分からないという感じ。きっとこれは結構不便だなと思う。待ち合わせの時に家を早めに出ないといけないし、誰かに道を教える時にどれくらいで着くか伝えられないし。

 この原因について考えてみたんだけど、よく分からない。

 なんというか、彼女は時間が苦手なのだと思う。

 これは僕が計算がものすごく苦手なことに似ている。

 計算ができないわけじゃない。暗算だってできる。ただ桁数が多くなったり計算が複雑になってくると、脳が考えることを拒否しだす。彼女に時間について考えた時に拒否反応が出るかは不明だけど、近い何かが起こっているのかなと思う。

 仕事でする計算はやっぱり慣れでなんとかなるし、重要な計算であれば道具やメモを駆使してなんとかする。彼女で言うならそれは時計だ。

 どうして計算が苦手なのかかは自分でもよく分からない。多分頭が悪いからなんだろうとは思っているんだけど、致命的なレベルで計算が苦手なのはあまりにも酷いんじゃないかとは思っている。8+6とかもちょっと考えちゃう。

 これはもう苦手としか言いようがないんじゃない?と自分では思う。

 それと同じように(僕と同列で語られるのは嫌かもしれないが)彼女も時間が苦手なんじゃないかと思う。

 努力でなんとかなる、気をつけていればなんとかなる、というレベルを越えた、苦手。

 幸い僕は時間を把握することが苦手ではないので彼女のフォローができる。彼女の苦手なところを僕がフォローしていければ物事が円滑に進む。そうすることで僕は幸せを感じることができる。

 彼女の役に立てている、と。

 彼女の苦手分野がたくさんあったほうがもしかしたら僕は嬉しいのかもしれない。