おはだ
先日、彼女がチンピラに「肌がきれいだね」と言われたらしい。
女性との会話で、肌を褒めるっていうのはある種テンプレ化した褒め言葉だと僕は思う。肌がきれいだねって言われて嫌な人ってあんまりいないんじゃないかな。もちろん、肌にコンプレックスがある人には逆効果だし、深く踏み込んでいくとしたら難しい話題ではある。ただ、さらっと肌きれいだねっていうのはわりと使いやすい褒め言葉だ。
同時に、本当にきれいだなと思わないと言わない言葉でもある。お世辞で言う類の褒め言葉じゃない。女性対女性の場合にお世辞でそう言いつつ、本当は私のほうがきれいって思ってることはあるかもしれないけど、男性が女性に対して肌がきれいって褒める時は本当にきれいだと思っている場合が大多数のはず。
チンピラが女性は肌をほめられると嬉しい!っていうのをどこかで目にして頑張って褒めたなら話は別だが、彼女に言った肌がきれいという言葉もおそらく本当に思ったから言ったのだろう。
彼女は褒め言葉に対する警戒心が強くて、大抵の褒め言葉は軽く受け流されてしまって、喜んでくれない。褒め言葉を真に受けて喜んで、その言葉が本心ではなかった場合に、喜んでいる自分が愚か者になってしまうのが嫌なのだろうと思う。それと彼女は自己評価が低いから、褒め言葉が事実だと思えないのだろう。そんなわけないみたいな。可愛いって褒めても、可愛くないって返されちゃう。
で、チンピラはもちろんその言葉で彼女を喜ばせることはできなかったわけで、その話を聞いた僕は、彼女の肌をじろじろ見てんじゃねえよと思った。
そして今日、彼女が「私の肌を褒めてきたってことは、チンピラの彼女は肌がきれいじゃないのかね」という名推理を披露してくれた。
チンピラは今の彼女と最近付き合い始めたところであるという事実がまずある。それを踏まえ、その彼女の肌がきれいじゃないことが気になった、あるいはチンピラの彼女自身がそれを気にしていることにより、チンピラは肌について気になるようになった。そして目についたのが彼女だったという流れ。
はぁ~すごい推理だと思った。すごくそれっぽい。
一年以上一緒に仕事をしてきて、今急に褒めだしたのも納得がいく。
彼女のお肌がきれいなのは事実で、褒められるに値するから、チンピラが褒めたことに対して僕はそれほどどういう意図があったのかとか考えなかったんだけど、彼女は着眼点が素晴らしかった。
彼女の発想の柔軟さや、着眼点の良さ、鋭い考察にはいつも感心させられる。
お肌がきれいなのは結構いろんな人に褒められてるし、ちょっと自信持っていいんじゃないかなあって僕は思う。彼女的にはそんな褒められるほどきれいじゃないと思うのかもしれないけど。
まあでも褒めてるんだから喜べ!っていうのもおかしいし、彼女が納得できるところだけ喜んでくれればそれでいいかな。
お肌白くてぷにぷにできれい!
おわり。