かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

しわす

 明日、退職する失礼男に会えるのが今日で最後ということで僕は失礼男に会いに行った、というのは口実で、彼女に会いに行った。まあ最後だし会っとくかという思いがなかったわけではないので、失礼男に会いに行ったでも間違いではない。

 せっかくならプレゼントでも用意しておけばよかった。

 お世話になりましたなんて言ったけど非常に淡々とした会話で終わり、最後もさらーっと解散した。

 失礼男のキャラ的にも、それがぴったりというか非常にしっくりくる感じだった。

 せっかくなので今日は失礼男エピソードを思い返してみようと思う。

 失礼男の最初の印象というのは非常に悪くて、愛想はないし挨拶も最低限だし、仕事もやるにはやるけど最低限だし、そのくせ非常に不愉快になるようなことをズバズバと言ってくるという、なんとも人間的に何かが欠落したダメな人というような感じだった。

 あまりわいわいやるのが好きじゃないっぽくて、こちらに積極的に絡んでくるというのがないだけましだなあというくらいの感想を抱いていた。

 暫くの間、僕と彼女の間での失礼男の評価はかなり低かった。失礼男という名称が付いている時点で分かるよね。

 今年、失礼男は結婚して、更には奥さんの妊娠発覚と彼の人生においてかなり重要な一年だったといえる。そのせいか、彼にも変化が見られて、少しとっつきやすさが増して、受け答えも穏やかになった。彼の中に人間味が生まれたというか、平凡な言い方だけど少し丸くなった感じがした。

 その影響か、僕と彼女の失礼男に対する評価も少しずつだけど上がっていった。

 特に、失礼男は彼女のことを褒めてくれることが多くて、彼女のことをよく見ているんだなって感じたことが大きかった。

 彼女の仕事振りを見ていないようで見ていて、彼女になら仕事を任せられるというようなことを言っているのを何度も聞いたし、彼女ならしっかりやってくれるでしょみたいなこともよく言っていた。その言葉からは彼女の仕事振りに対する信頼が伺えた。

 それから、失礼男は彼女の容姿に関しても良い発言を幾度か残している。

 スーツ姿の彼女を見て、スーツって良いよねえ!みたいな話をしたというエピソード。これは僕が直接聞いたわけではないんだけど、変態レベルの高い失礼男がスーツ姿に対するフェチさを露呈した場面である。これは一見、スーツが良いというスーツ姿の人全般を褒めたように思えなくもない。だが、冷静に考えて欲しい。スーツが似合ってない、あるいはスタイルが悪い人がスーツを着ていたとして、その人にスーツって良いよねえと言うだろうか。いや、言うわけがない。これはスーツ姿の彼女が素敵だと褒めたと受け取って良いはずだ。

 また、マイさんと比較した時に彼女のほうが好きと言ったというエピソードもある。これは容姿とおそらく性格的なものも含まれているんだと思う。マイさんも決して可愛くないわけじゃないし、それと比較して彼女のほうが好きと言ってくれたのは、失礼男の中で彼女が結構可愛く映っていたんじゃないかなと思う。

 もう一つ、彼女が失礼男の前で泣いてしまったことがあって、後日その時の状況を失礼男から直接聞いたこともあった。

 その時の失礼男は、嬉しそうに「目に涙をうかべてやめたいって言われた時はグッときた!!」「いやー本当によかったなあ!!」「すげーかわいかった!!」「ギャップ萌えだね!!」とテンション高めだった。(セリフは以前のブログから引用)

 これもまた、彼女のことを可愛いと思っている証拠だなと感じた。可愛くない子が泣いててもきっとこんな風には思わないからね。

 あとは彼女を親しみやすいと評してくれたりもしてたなあ。

 こういうエピソードを踏まえると、失礼男はきっと彼女のことかなり可愛いと思ってたんだろうなって思う。

 最近ではこちらの話をよく聞いてくれて、無責任な失礼男なりのなかなか良い回答をしてくれていた。それに僕も彼女も助けられた部分があると思う。

 仕事は相変わらず怒られないギリギリのレベルでサボる(本当は周りがフォローしてくれて大惨事になってないだけ)という状態で、とても人間的に素敵な人とは言えないんだけど、彼がいてくれて良かったなという気持ちに今はなっている。

 彼女のことをよく見ていてくれて、正しく評価してくれたということにかんしては、本当にものすごく感謝している。

 最近の異動やらなんやらでいなくなってしまう人の中では一番失礼男がいなくなるのが寂しいかな。当初のことを振り返ると不思議な感じだ。

 彼女も僕と同じような感覚なんじゃないかなあ。

 失礼男にはもう少し、対人関係が円滑に進むような努力をしてもらいたいね。

 おしまい。